最強でもスポンサー難、今シーズン勝利量産のクイックステップ・フロアーズが、いまだにメインスポンサー確保できずに主力選手を放出へ、スプリントエースのガヴィリアとブエルタ2位のマス放出へ

自転車レース界はやはり難しい。どんなに結果を出し続けようとも、どれだけ最強チームになろうとも、スポンサー一つ確保できないだけで、そのメンツは散り散りになってしまったり、チーム解散で無職になる可能性すらあるのだ。

©Tim D.Waele/Getty Images
今シーズンここまで69勝を挙げ、圧倒的な強さを見せつけているクイックステップ・フロアーズだが、クイックステップ・フロアーズが来シーズンよりセカンドスポンサーに後退することで、メインスポンサー探しを続けてきたが難航、それによりライセンス承認の申請までに経費を削減せねばならず、その為に契約半ばのエーススプリンター、フェルナンド・ガヴィリアのUAEチームエミレーツへの放出、さらには急成長しブエルタ・ア・エスパーニャで総合2位に入ったエンリック・マスのアスタナへの放出が現実味を帯びてきた。

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来シーズンはBMCも解体となりCCCスポンサーの新チームになるなど、各チーム経営に苦悩していることがはっきりとしている。過去何度も放映権収益の各チームへの分配などが議論されてきたが、ツール・ド・フランス主催者のASOなどが猛烈に反発しており、今現在でも各チームがそれぞれにスポンサーを確保しなければならない状況が続いている。現状のままではスポンサースポーツとしてのこのスポーツはこれからも毎年のようにチームの解散が話題に上り続けるだろう。
他のメジャースポーツに比べれば、シーズンも長く怪我などのリスクも高いにもかかわらず、その給与は圧倒的に低いのが現状だ。各チームいかに経費を抑えるかで運営を切り盛りしているが、年間10億とも20億ともいえる運営資金をスポンサー頼みというのも常にリスキーなのだ。スポンサーが撤退すれば、それに代わるスポンサーを探すことは容易ではないのだ。
先出の二人に加え、来シーズンはニキ・テルプストラ、マックス・シャッフマンも移籍が決定している。ただそんな中でも育成に定評があるクイックステップ・フロアーズはジュニア世界チャンピオンのレムコ・エヴェネポエルと契約、飛び級でエリートクラスで走ることが予想されている。
このままメインスポンサーなくチームは苦境に立たされるのか、それとも圧倒的にPR効果の高いこのチームに救いの手が伸びるのか、来シーズン一体この最強個性派集団はどの立ち位置で開幕を迎えるのだろう。
H.Moulinette