世界選手権2018個人TT:男子は別次元の走りでローハン・デニスがアルカンシエル獲得!デュムランはかろうじて2位、女子最強はファン・フルーテンが連覇、なんとオランダが金銀銅独占!
世界選手権個人TTは純粋に個人の実力が問われる勝負、」駆け引きではなくいかに早くコースを駆け抜けるかという単純明確な形で決着がつく。そしてブエルタ・ア・エスパーニャでもステージ2勝をTTで挙げるなど、絶好調を維持してきたローハン・デニス(オーストラリア)がすべての通過チェックポイントでトップタイムでの圧勝、前評判高かったトム・デュムラン(オランダ)の連覇を阻止して見せた。女子ではオランダ勢が躍動、なんと表彰台の全てのスポットを独占した。
あまりにもデニスが速すぎた。なんと銀メダルのデュムランと銅メダルのヴィクトル・カンペナーツ(ベルギー)は1秒以内の僅差で小数点以下の秒差でデュムランがかろうじて銀メダルを獲得した。またこの二人のみがデニスから2分差以内のゴール、4位以降はなんと2分最上の大差での圧勝となった。ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)、トニー・マルティン(ドイツ)らはメダル圏外に終わった。
「夢のようだね。ジュニア時代からこの勝利を追い求めていたんだよ。いつもあと一歩で勝てていなかったからね。ここでようやく勝つことができたよ。チームTTでは19秒上りで失ったんだよね。だから今日はそこで力を振り絞ったよ。先にスタートしたデュムランがプッシュしているのはわかっていたし、自分がどんなペースで走ればいいかはわかっていたからね。」最終スタートのデニスは冷静にライバルたちのペースを見ながら勝負に徹した。
「完敗だよ。それに走り切ってぶっ壊れたよ。僕が遅かったんだ、それだけだね。フラットセクションでのタイムロスを最小限に抑えようとして、上りでリズムを戻せればと思ったんだけど、結局スタートからゴールまで調子が下降線だったよ。」デュムランは完敗を認めた。
世界選手権2018男子個人TT
金メダル ローハン・デニス(オーストラリア) 1h03’45”
銀メダル トム・デュムラン(オランダ) +1’21”
銅メダル ヴィクトル・カンペナーツ(ベルギー) +1’21”
4位 ミカル・クワィアトコウスキー(ポーランド) +2’04”
5位 ネルソン・オリベイラ(ポルトガル) +2’14”
6位 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン) +2’17”
7位 トニー・マルティン(ドイツ) +2’25”
8位 パトリック・べヴィン(ニュージーランド) +2’34”
9位 バシル・キリエンカ(ベラルーシ) +3’07”
10位 マルティン・トフト・マドセン(デンマーク) +3’23”
女子はオランダ勢による共演となった。アネミエック・ファン・フルーテン(オランダ)が同胞のアンナ・ファン・デル・ブレッゲン(オランダ)、さらにはエレン・ファン・ダイク(オランダ)を抑えての金メダル獲得となった。27.7kmのコースでファン・デル・ブレッゲンだけが唯一1分差以内でゴールを果たした。
「世界選手権を2度制した人は少ないでしょ。だから緊張はあったのよ。でも昨年もそうだったし、スタート台に立てば”勝ちたい”って思うし、このアルカンシエルを夢見てるから、そのプレッシャーも力に代わるのよ。」 ファン・フルーテンはこれで大会連覇、貫禄の走りでオランダ帝国の強さを象徴した。「オランダ選手権での経験と、昨日のジュニアを見ていて、スタートから飛ばしてあとは死ぬ気で粘る、がベストだと思ったの。結果につながったのだからそれが全てよね。」
世界選手権2018女子個人TT
金メダル アネミエック・ファン・フルーテン(オランダ) 34’25”
銀メダル アンナ・ファン・デル・ブレッゲン(オランダ) +29”
銅メダル エレン・ファン・ダイク(オランダ) +1’25”
4位 リア・キルシュマン(カナダ) +1’27”
5位 リア・トーマス(アメリカ) +1’32”
H.Moulinette