UCIシクロクロス世界選手権シリーズ第1戦:アメリカで開幕の世界戦シリーズを制したのはアールツ!先日契約破棄となった世界チャンピオンは個人出走で2位!
最強シクロクロッサー、世界チャンピオンのワウト・ファン・アールトは、所属していたヴェランダズ・ウィレムス・クレランの来シーズンのチーム合併への不満から契約が急遽破棄となり、スポンサーなしで出走するという異例の事態となった。所有していたチームバイクが使えなくなり、さらにはチームメカニックに帰国命令が出るなどバタバタとし、急遽別のフレームをフレーム供給元のスティーブンスが空輸、さらには別のメカニックたちが突貫で5台のバイクをくみ上げることとなった。そんな中で開幕戦に挑んだアールトだったが、結果は2位、元ヨーロッパチャンピオンのトゥーン・アールツ(テレネット・フィデア・ライオンズ)に屈する形となった。
アメリカのコースはヨーロッパなコースと違いパワー勝負で休むところがないかなり酷なコース、世界選手権シリーズの開幕は昨年度に引き続きアメリカ大陸からとなった。レースは中盤アールト、アールツ、クインテン・ヘルマンス(テレネット・フィデア・ライオンズ)、ダーン・ソト(パウエルス・サーザン・ヴァスゴエサービス)の4人に勝負が絞られる。しかしここで世界チャンピオンと元ヨーロッパチャンピオンの速度についていこうとしたソトがコーナーで落車、それをかわせずにヘルマンスも突っ込み落車してしまう。
これで優勝争いは一気に二人に絞られてしまう。誰もが世界チャンピオンの優位を疑わなかったが、様々な問題が積み重なり準備に時間のかかったアールトがアールツのアタックについていけない。世界チャンピオンが2年前のヨーロッパチャンピオンに屈し、今大会初戦を2位で終えた。そして大金星となったのはアールツ、これでシリーズの総合リーダージャージも獲得し、ほくほく顔でコメントを残した。
「開幕戦を制すれば総合リーダージャージが手に入るよね。僕にとって人生初の総合リーダージャージだよ!来週の第2戦も楽しみだよ!僕にとって最終ラップはいつも弱点だったんだ。いつもなぜかそこで負けてしまう、でも今日は違ったんだ。ノーミスで行かねば、と言い聞かせながらゴールを目指したよ。」
対して敗北したアールトは、「そりゃ正直複雑な気持ちだよ。3度の世界チャンピオンに誰もが勝利を求めてるだろ。もちろん僕だってそうさ。でも勝てなかったんだよ。今日はアールツのほうが強かったんだ。でも総合ランキングではこれで2位だろ。いいスタートを切ったと思うよ。」と語り結果に納得の表情を見せた。
UCIシクロクロス世界選手権シリーズ第1戦 ウォータールー
1位 トゥーン・アールツ(テレネット・フィデア・ライオンズ) 1h02’49”
2位 ワウト・ファン・アールト +34”
3位 ローレンス・スウィーク(パウエルス・サーザン・ヴァスゴエサービス) +51”
4位 クインテン・ヘルマンス(テレネット・フィデア・ライオンズ) +54”
5位 ダーン・ソト(パウエルス・サーザン・ヴァスゴエサービス) +55”
6位 コーン・ファン・ケッセル(テレネット・フィデア・ライオンズ) +1’08”
7位 エリ・イザビット(マーラックス・ビンゴール) +1’14”
8位 ジム・アルノーツ(テレネット・フィデア・ライオンズ) +1’27”
9位 ティム・メリエール +1’36”
10位 マイケル・ボロス(クリーフィン・トゥブ・サッド)
H.Moulinette