世界選手権2018チームTT:男子を制したのはクイックステップ!この勝利でシーズン70勝目前の69勝目!女子はキャニオン・スラムが制す!ウォラックは5個目の金メダル獲得
最強個性派軍団は、明確な意思をもって今年の世界選手権チームTTを狙っていた。チームメンバーの主力であるニキ・テルプストラ、ローラン・デ・プラス、マックス・シャッフマンの3人がチームを今シーズン限りで去るなか、そのメンバーで最後に大輪の花を咲かせるべく打倒BMCを掲げて最高の走りを見せた。
62.8kmと言う長丁場、クイックステップ・フロアーズ(キャスパー・アスグリーン、ボブ、ユンゲルス、イブ・ランパート、デ・プラス、シャッフマン、テルプストラ)は終盤の上りにポイントを定めていた。第1チェックポイントではミッチェルトン・スコットが最速タイムをたたき出したが、最大勾配10%を超えるのぼりで主力メンバーが苦戦、それにより第2チェックポイントではチームサンウェブがトップタイムをたたき出した。その第2チェックポイントで1秒差以内の僅差で通過したのがクイックステップ・フロアーズ、そこからゴールまでの区間でさらにギアを上げ最速でゴールラインを駆け抜けた。
これでチームはこの日の午前中にケガから復帰のフィリップ・ジルベール(クイックステップ・フロアーズ)が挙げたチーム68勝目に加え、大台となるシーズン70勝目前の69勝目を挙げた。世界選手権でのチームTTも2012、2013、2016に続いて4度目の制覇となった。
2位にはチームサンウェブ、そして3位には優勝候補筆頭だったBMCが入った。なんとトップ5が1分差以内に入るという大接戦、近年のチームTTではタイム差がつくことが多かったが、チームTTとしては極めて珍しい最大勾配10%の上りなどが大いにレースを盛り上げることとなった。
「嬉しいね~!特にうちは優勝候補最有力とは言われていなかったからね。いいメンバーがそろっているし若いメンバーも入っていたし、さらに言えば才能あふれるメンバーばかりだったからね。でもそれでも自信はあってもそれが必ずしも勝利に直結するわけじゃないからね。第1チェックまでは抑えて走ったんだけど、それでも速かったね。そして上りではうまくまとめて、そのあとの下りでかっ飛んでいったよ。今シーズンチームとして多くの勝利を重ねたけど、やっぱり世界選手権は格別だね。特にチームTTはチームメイトとつかむ勝利だからね。世界選手権最高!!!」ランパートは喜びを爆発させた。
世界選手権チーム2018チームTT男子
金メダル クイックステップ・フロアーズ 1h07’25”
銀メダル チームサンウェブ +19”
銅メダル BMC +20”
4位 チームスカイ +45”
5位 ミッチェルトン・スコット +57”
6位 モビスター +1’32”
7位 トレック・セガフレド +2’04”
8位 ボーラ・ハンスグロエ +2’08”
9位 CCCスプランディ・ポルコウィチェ +2’38”
10位 アスタナ +2’54”
そして女子ではど派手なディスクホイールで登場したキャニオン・スラムが最速タイムで女王の座に上り詰めた。中間計測ではWIGGLE HIGH 5に唯一迫るタイムを計測すると、ほとんどのチームがメンバーが脱落する中で、最後までだれ一人欠けることなくゴールラインを駆け抜けた。
この勝利はチームにとって5度目の金メダルとなった。チームスポンサーが変わっているためにチーム名称が異なってはいるが、5度目の制覇、そしてメンバーのトリクシ・ウォラックはそのすべてでメンバーとして出走しており、5つ目の金メダル獲得となった。またロードでは圧倒的にスラムとカンパニョーロにその主役を奪われているものの、スラムがここで一矢報いる勝利を挙げた。
2位にはボエルス・ドルマンが入り、昨年度のTT覇者チームサンウェブは、男子に引き続き表彰台は獲得したが、3位に終わった。
「最高ね。今シーズンうちはTTで勝利できていなかったんで驚いたわ。でも勝利は最高!完璧な勝利だったわ。表彰台の中央に上がれたんですもん!なによりも55kmなんて言う長丁場のチームTTなんて走ったことがなかったから、とにかくペースだけに気を使ったわ。オーバーペースで失速だけはしないようにと心がけたの」ウォラックは誇らしげに語った。
世界選手権2018女子
1位 キャニオン・スラム 1h1’46”
2位 ボエルス・ドルマン +22”
3位 チームサンウェブ +29”
4位 Wiggle High5 +57”
5位 ミッチェルトン・スコット +1’29”
H.Moulinette