ブエルタ・ア・エスパーニャ第21ステージ:最終ステージを制したのはヴィヴィアーニ!今大会3勝目で締めくくる!総合はS.イェーツ、ポイント賞はバルベルデ、山岳はデ・ヘント
今大会のスプリント最終決戦、制したのはまたしてもエリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ)だった。最強アシストに守られ勝利を量産する今シーズン、ここでも結果を残して見せた。そしてグランツールでもその実力をいかんなく発揮、この日もピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)を撃破し、ステージ3勝目を挙げるとともに、自身のプロ67勝目がチームの今シーズンのUCIレース67勝目となった。またエンリック・マス(クイックステップ・フロアーズ)が総合2位を獲得するとともに、同時に行われていたツアー・オブ・スロヴァキアでファビオ・ジャクソンがステージ優勝し、ジュリアン・アラフィリップが総合優勝と、クイックステップ・フロアーズ祭り状態となった。
いつもであればそこにいるはずのチームメイトがいない、それでもヴィヴィアーニは焦ることはなかった。今シーズン勝利を量産、勝利への嗅覚が抜群に冴えわたる男はその局面でも冷静だった。ライバルたちがコース上を左右に蛇行する中で、キッチリとポジション取りをすると、一瞬のスキをついて開いた空間を駆け上がる。抜群の加速力で、中央を突破してきたサガンよりも一歩早くゴールラインを駆け抜けた。これでサガンは今大会未勝利で終えることとなった。
「大会最後のスプリントはいつも難しいんだよね。今日もその通りになったよ。チームは牽引しててくれたんだけど、そのチームメイトたちとはぐれてしまったんだ。チームメイトには僕の姿が最終コーナーで確認できなかったらアシストをストップして無駄な力を使わないようにと話してあったんだ。だからチームメイトはその時点でアシストをストップしたんだよ。そこからは自分で打開していくしかなかったからね。それで左前が開いたんで、そこへねじ込んでいったんだよ。こういうミスをするときもあるさ。でもそれは次につながる経験だからね。」ヴィヴィアーニは笑顔で語った。
今大会の表彰台は若い力が揃うこととなった。サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)が総合優勝、そして戦前活躍すら予想されていなかったエンリック・マス(クイックステップ・フロアーズ)が総合2位、そしてダークホース扱いだったミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ)がステージ3位となった。
大ベテランのアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)は総合表彰台は逃したが、キッチリとポイント賞ジャージを獲得、さらには大会中盤から怒涛の逃げラッシュを見せたトーマス・デ・ヘント(ロット・ソウダル)が山岳賞を獲得、ミスター逃げ男が本領を発揮した。またブエルタ独特のコンビネーション賞(総合、ポイント、山岳の順位の合計が少なさを競う)では総合優勝を果たしたS.イェーツが2ポイントだけロペスを上回った。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第21ステージ
1位 エリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ) 2h21’28”
2位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)
3位 ジャコモ・ニッツォーロ(トレック・セガフレド)
4位 ダニー・ファン・ポッペル(ロットNLジャンボ)
5位 マルク・サラウ(グルーパマFDJ)
6位 ヨン・イザガ(エウスカディ・バスクカントリー・ムリアス)
7位 シモーネ・コンソーニ(UAEチームエミレーツ)
8位 マッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット)
9位 トム・ファン・アスブロック(EFエデュケーションファースト・ドラパック)
10位 ライアン・ギボンス(ディメンション・データ)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) 82h05’58”
2位 エンリック・マス(クイックステップ・フロアーズ) +1’46”
3位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ) +2’04”
4位 スティーブン・クライズワイク(ロットNLジャンボ) +2’54”
5位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) +4’28”
6位 ティボー・ピノー(グルーパマFDJ) +5’57”
7位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト・ドラパック) +6’07”
8位 ナイロ・キンターナ(モビスター) +6’51”
9位 ヨン・イザギーレ(バーレーン・メリダ) +11’09”
10位 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ) +11’11”
山岳賞
トーマス・デ・ヘント(ロット・ソウダル)
ポイント賞
アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)
コンビネーション賞
サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)
チーム総合
モビスター
H.Moulinette