ブエルタ・ア・エスパーニャ第18ステージ:華麗なる逃げ切りでワレイスがステージ勝利!懸命の集団追走も及ばず世界チャンピオンのサガンは同タイム扱いの3位で一歩及ばず!
スプリンターにとっては数少ない勝負の場・・・になるはずだった。わずか3人の逃げが、最大でたった2分半しか与えられなかったにもかかわらず後続の追走集団から逃げ切るという大立回りを演じて見せた。ステージ優勝を狙ったスプリントチームは、タイミングを見計らい損ね僅かに届かず、ロングスパートを仕掛けた世界チャンピオンのピーター・サガンの懸命の走りもむなしく、勝利をイェーレ・ワレイス(ロット・ソウダル)に奪い去られた。
あまりにも衝撃的な結末だった。波のように押し寄せる追走のスプリンターたち、サガン、エリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ)、ダニー・ファン・ポッペル(ロットNLジャンボ)らが迫る中、この日スタートから僅か3kmから逃げ続けた逃げメンバー3人のうち二人、ワレイスとスヴェン・バイストロム(UAEチームエミレーツ)はあきらめることがなかった。
最大でたった2分半のアドバンテージしか与えられず、しかもわずか3人の逃げが成功する確率は極めて低かった。しかし追い風と言う風向きが、3人にとっては最大の味方となった。ジェッツ・ボル(ブルゴスBH)は残り7kmで脱落してしまったが、ワレイスとバイストロムは追走のことを気にするよりもステージ勝利を目指し二人で真っ向勝負を選択、これが結果的に後続スプリンター集団の追走を間一髪かわすことに繋がった。ステージ勝利はワレイス、最後はガッツポーズで自らの勝利を祝った。
「皆がスプリンターたちによるスプリント勝負を期待していただろうね。でも最初の休息日明けに落車をして、ここまでいいところなしだった僕的にはいろいろと考えていたんだよ。みんなを驚かせるような走りがしたかったんだよ。そして今日それができたね。」
「後続が迫ってきているのは知っていたから、何とかしなきゃいけないと思ったんだ。だから残り1.5kmで30秒差と聞いた時に、何かしないといけないと思ったんだよね。バイストロムのほうがスプリンターとして早いのもわかっていたし、勝利を欲しているのもわかっていた。だけど緩やかな登り勾配で僕向きなのもわかっていたから最後は残り200m、自分のタイミングまで我慢したんだよ。」ワレイスは嬉しそうに語った。
一歩及ばなかったスプリンター勢、サガンにとっては勝利のチャンスが思わぬ形で目の前で失われるのを、必死にもがきながら見送るしかなかった。「前に二人が見えて、でも距離を考えたらロングスパートしかなかったんだよ。だから3位が限界だったよ。」
総合勢はこの日は動かなかった。。総合2位のアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)がスプリントでボーナスポイントを奪いに行くかに思われたが、この日の展開の中ではそうはならなかった。これでそのままのタイム差のまま、最後のピレネー山脈2連戦へと向かうこととなった。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第18ステージ
1位 イェーレ・ワレイス(ロット・ソウダル) 3h57’03”
2位 スヴェン・バイストロム(UAEチームエミレーツ)
3位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)
4位 エリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ)
5位 イヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ)
6位 ダニー・ファン・ポッペル(ロットNLジャンボ)
7位 ヨン・イザガ(エウスカディ・バスクカントリー・ムリアス)
8位 トム・アスブロック(EFエデュケーションファースト・ドラパック)
9位 ジャコモ・ニッツォーロ(トレック・セガフレド)
10位 ライアン・ギボンス(ディメンション・データ)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) 73h02’37”
2位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) +25”
3位 エンリック・マス(クイックステップ・フロアーズ) +1’22”
4位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ) +1’36”
5位 スティーブン・クライズワイク(ロットNLジャンボ) +1’48”
6位 ナイロ・キンターナ(モビスター) +2’11”
7位 ヨン・イザギーレ(バーレーン・メリダ) +4’09”
8位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト・ドラパック) +4’36”
9位 ティボー・ピノー(グルーパマFDJ) +5’31”
10位 トニー・ギャロパン(AG2R) +6’05”
H.Moulinette