ブエルタ・ア・エスパーニャ第10ステージ:完璧なチームワークとスプリントのお手本がここに、ヴィヴィアーニが完璧なアシストから発車し完勝でチーム60勝到達!サガンはまたしても届かず
お手本通りと言うのはこういうことを言うのだろう。クイックステップ・フロアーズがこれ以上ないお手本通りのトレイン編成からのアシスト、そしてエーススプリンターのエリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ)を発車し、見事に今大会ステージ2勝目を勝ち取った。これでヴィヴィアーニ自身はシーズン17勝、クイックステップ・フロアーズもこれでシーズン60勝に到達、個性派集団が絶賛勝利量産中だ。
もうこの勢いは誰にも止められない、一度リズムをつかんでしまうとクイックステップ・フロアーズのトレインはライバルたちにとってはとても厄介な存在だ。今シーズン何度となくそれにやられてきたライバルたちだが、やはりこのステージでもその勢いを止めることができずにヴィヴィアーニへと繋がれてしまい、そのまま勝利を奪われてしまった。
一矢報いるべくルーカス・ポステルベルガー(ボーラ・ハンスグロエ)が残り1kmを切りロングスパートを仕掛けるが、それもクイックステップ・フロアーズにとっては勝負前の余興に過ぎなかった。ミカエル・モロコフ(クイックステップ・フロアーズ)が加速してあっさりそれを捉えると、後はヴィヴィアーニを発射するだけだった。ぐんぐんと加速し、背後から狙う世界チャンピオンのピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)とジャコモ・ニッツォーロ(トレック・セガフレド)を寄せ付けなかったヴィヴィアーニは完勝、圧倒的な勝利だった。
「今シーズン最も完璧なリードアウトだったね。皆がそれぞれ完璧に仕事をこなしたよ。ライバルチームのプレッシャーが凄かったけど、僕らは自分らが最強で最速だと思っているからね。だから負けるわけないと思っていたんだよ。今シーズンこれで僕自身17勝目だけど、これはチームメイトたちのアシストなしには成しえなかった数字だよ。今日の彼らの仕事ぶりを見ただろ、最高だろ。」ヴィヴィアーニはチーム力の素晴らしさを誇示した。
このステージでは総合勢に大きな動きはなかったが、多くの選手がレース後半でパンクに見舞われた。総合リーダーのサイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)やウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ)もパンクを喫するが、何とか無駄なタイムロスなくステージを終えた。
「パンクね~、まあ状況はよくないよね。でもまあ何とかなったからね。アルバジーニの自転車を渡してもらったんだけど、向かい風がきつかったんで乗りにくくてもう一回バイク交換をして自分のバイクに乗り換えたんだよ。もし横風区間での分断が起きていれば、もっと最悪な事態となっただろうね。」~S.イェーツ
「積極的に攻めるレースがスタイルにあっているね。今総合トップ10でしょ、だから攻めるべきなんだよ。まだまだ目指せる順位が上にあるからね。黙って待っているだけじゃ順位は上がらないんだよ。」~ジョージ・ベネット(ロットNLジャンボ)
ブエルタ・ア・エスパーニャ第10ステージ
1位 エリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ) 4h08’08”
2位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)
3位 ジャコモ・ニッツォーロ(トレック・セガフレド)
4位 ネルソン・ソト・マルチネス(カハルーラル・セグロスRGA)
5位 マルク・サラウ(グルーパマ・FDJ)
6位 ダニー・ファン・ポッペル(ロットNLジャンボ)
7位 イヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ)
8位 ヨン・イザガ(エウスカディ・バスクカントリー・ムリアス)
9位 シモーネ・コンソーニ(UAEチームエミレーツ)
10位 マッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) 41h03’00”
2位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) +01”
3位 ナイロ・キンターナ(モビスター) +14”
4位 エマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +16”
5位 ヨン・イザギーレ(バーレーン・メリダ)(AG2R) +17”
6位 トニー・ギャロパン(AG2R) +24”
7位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ) +27”
8位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト・ドラパック) +32”
9位 スティーブン・クライズワイク(ロットNLジャンボ) +43”
10位 ジョージ・ベネット(ロットNLジャンボ) +47”
H.Moulinette