ブエルタ・ア・エスパーニャ第6ステージ:野生のスプリント炸裂!ブアニが前日最後尾ゴールからステージ勝利!またしても総合に脱落者、ケルデルマンがパンク、ピノーは脱落でタイムロス

今年のブエルタはさらにサバイバルの様相を呈してきた。すでに多くの総合有力勢が脱落する中、このステージでも更なる脱落者が出た。まだ挽回できるタイム差とはいえ、痛い平坦ステージでのタイムロスは、今後を占う上では最悪とも言えるだろう。ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ)はパンク、そしてティボー・ピノー(グルーパマFDJ)は純粋に脱落し、それぞれ分単位でのタイムロスとなった。

©Tim D.Waele/Getty Images
そんなステージは逃げ切りは容認されず、スプリンターたちによる共演となったが、野生の本能むき出しのしなやかなスプリントをする元ボクサーのナセル・ブアニ(コフィディス・ソルーション・クレジッツ)が勝利、見事な走りでステージ優勝をさらった。ブアニは前日のアップダウンの山岳ステージで最後尾でゴール、暑さに心折れながらもこの日は完全復活で勝利を果たした。

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残り25kmを切り、この日のレースは一気に動いた。落車に引き続き横風区間で一気に集団は崩壊していく。細かく分断された集団の中で、残り19kmで総合系のウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ)は痛恨のパンク、これで一気に遅れてしまい、加速していく先頭集団に復帰することはできなかった。さらにはティボー・ピノ(グルーパマ・FDJ)はついていくことができずに脱落、二人はそろってこの日だけで約2分を失うこととなった。
クイックステップ・フロアーズはエリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ)で今大会2勝目を狙いに行くが、ライバルチームはそれを徹底してマーク、その為ヴィヴィアーニは勝負所でで遅れてしまう。ブアニは真っ向勝負を挑みダニー・ファン・ポッペル(ロットNLジャンボ)を撃破し、ステージを制した。ヴィヴィアーニは残り50mで急激な加速、スプリンターたちの背後を横切り3位に体をねじ込んだ。

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「きつかったね。なんて言っても昨日はビリだったからね。間違えた情報を流されてあの結果だったからね。僕は勝ち方を知っているし、脚もよく回っていたからね。ライバルたちのトレインに無賃乗車させてもらって、最後もライバルをリードアウトに使わせてもらったよ。」ブアニは勝利に酔いしれた。
総合上位勢はタイムロスを免れるべくかなり足を使わされたがほぼ安泰、マイヨ・ロホのモラードは、チームのエースピノーの脱落に気付くことなく走り、僅かにタイムロスはしたが結果的にジャージを守る事となった。
このステージではゴール直後にヘリコプターの風圧で道路わきのフェンスが吹き飛ばされるハプニング、ジュリアン・デュバル(AG2R)が巻き込まれ落車をする形となった。

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ブエルタ・ア・エスパーニャ第6ステージ
1位 ナセル・ブアニ(コフィディス・ソルーションクレジッツ) 3h58’35”
2位 ダニー・ファン・ポッペル(ロットNLジャンボ)
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ)
4位 シモーネ・コンソーニ(UAEチームエミレーツ)
5位 マッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット)
6位 イヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ)
7位 オマール・フライレ(アスタナ)
8位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ)
9位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)
10位 ミカエル・モロコフ(クイックステップ・フロアーズ)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 ルディー・モラード(グルーパマFDJ) 22h26’15”
2位 ミカル・クワイトコウスキー(チームスカイ) +41”
3位 エマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +48”
4位 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) +51”
5位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) +53”
6位 ヨン・イザギーレ(バーレーン・メリダ) +1’11”
7位 トニー・ギャロパン(AG2R) +1’14”
8位 ナイロ・キンターナ(モビスター)
9位 スティーブン・クライズワイク(ロットNLジャンボ) +1’18”
10位 エンリック・マス(クイックステップ・フロアーズ) +1’23”
H.Moulinette