ブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージ:山岳総合バトル開始!しかしクウィアトコウスキーが総合リーダーの座を死守!ステージ優勝はキング!快心の逃げで大金星!

ブエルタではいつでも大会序盤から本格的な山岳バトルが選手たちを待ち構える。山岳のグランツールと言われるだけあり、カテゴライズさえされていないアップダウンは多く、どの選手たちにとっても「攻める前に耐えしのぐ」ことが必要となるサバイバルなステージが多い。そして今年度一発目の総合勢にとっての”試し”の場は逃げ切りを容認した状態で行われることとなった。

©Tim D Waele/Getty Images
容認された逃げ集団から粘り続けたベン・キング(ディメンション・データ)は、ニキータ・スタルノフ(アスタナ)との一騎打ちを制して嬉しいグランツール初勝利、この勝利がプロ10年目のキングにとっては選手生活最大の勝利となった。

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「夢のようだよ。まだ信じられないよ!残り1kmになるまでは優勝なんて言うイメージすらわいてこなかったよ。本当に最高の形になって何よりだよ。チームの僕への信頼も嬉しいし、メインチェスのアシストがメインだったはずなんだけど、こうしてチャンスを貰えたことに感謝だよ。グランツールでの勝利は僕にとっては人生の目標だったからね。自分を信じ、いつかは到達できると自分に言い聞かせ続けてきたからね。」キングは笑顔でしゃべり続けた。
この日は総合勢がこの逃げに大逆転を許すかに思えたが、最後ゴールまでの上りの入り口で8分あった差は、最終的には3分弱までに縮まっていた。サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)が総合のライバル勢から飛び出し、ゴールまでのわずかな距離でタイム差をつけてゴール、またその動きに反応したエマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ)もタイムを伸ばし、それぞれ総合で2位と3位へとジャンプアップを果たした。

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また総合4位へと順位は下げたものの、アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)がこの日も素晴らしい切れ味を見せ、ライバルたちにタイム差をつける展開となった。

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「全然予定通りじゃなくて、ちょっと勢い余って飛び出してしまったんだよ。ロットNLジャンボがいいペースで牽引してくれていたんだけど、ペースが緩んだ気がしたから飛び出したんだよ。ただ気分的と言うか感覚で飛び出したんだよ。あまり深く考えていなかったし、ただ誰がついてくるかなぐらいにしか考えていなかったよ。でもこれで結果的には個人TTで失ったタイムを挽回できたね。」~Sイェーツ

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「まあ予定通りだよ。逃げを最後まで容認したことで、総合勢が一息ついてくれたし、まあ最後の上りではだれかしらが仕掛けるとは思っていたからね。ただ気温35度以上の中でのレースはきついわ。もう既にサバイバルになってきているからね。」~クウィアトコウスキー
「僕の周囲の選手たちが限界なのが感じられたんだよ。間違いなく暑さが原因だね。」~ブッフマン

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ブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージ
1位 ベン・キング(ディメンション・データ) 4h33’12”
2位 ニキータ・スタルノフ(アスタナ) +02”
3位 ピエール・ローラン(EFエデュケーションファースト・ドラパック) +13”
4位 ルイ・マテ・マルドネス(コフィディス・ソルーションクレジッツ) +1’08”
5位 ベン・ガスタウアー(AG2R) +1’39”
6位 イェーレ・ワレイス(ロット・ソウダル) +1’57”
7位 オスカル・カルダ(ブルゴスBH) +2’24”
8位 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) +2’48”
9位 エマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +2’50”
10位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ) +3’07”
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 ミカル・クワイトコウスキー(チームスカイ) 13h47’19”
2位 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) +07”
3位 エマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +10”
4位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) +12”
5位 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ) +25”
6位 ヨン・イザギーレ(バーレーン・メリダ) +30”
7位 トニー・ギャロパン(AG2R) +33”
8位 ナイロ・キンターナ(モビスター)
9位 スティーブン・クライズワイク(ロットNLジャンボ) +37”
10位 エンリック・マス(クイックステップ・フロアーズ) +42”
H.Moulinette