ブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージ:止まらぬ絶好調クイックステップ!ヴィヴィアーニがサガンやブアニ撃破でチームは今シーズン59勝目!

今シーズン”も”クイックステップは絶好調に勝利を量産中だ。その中でも移籍してきて開花した男、エリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ)の勢いが止まらない。ジロ・デ・イタリアでのステージ4勝、さらには先日行われたクラシックのユーロアイズ・サイクラシック・ハンブルグでも勝利するなど、これでシーズン16勝目、そしてチームにとっては59勝目、またチームのグランツール勝利数もこれで85勝まで伸びた。

©Tim D Waele/Getty Images
個性派集団の勢いは波のようだ。絶え間なくどのレースでも積極的に勝負に絡んでいく姿勢は明確で、今大会も総合系のエースがいないともいえる中で、明確にステージ勝利を狙ってきている。そしてその最初のチャンスとなった昨日のステージではローレン・デ・プラス(クイックステップ・フロアーズ)があわや勝利のステージ3位、そしてこの日はヴィヴィアーニがキッチリとスプリントで勝利を挙げた。
ただこの日のスプリントはいつものスプリントとは様相が違った。普段の圧倒的なトレインはどのチームも組めない状況、そうなればスプリンター入り乱れての大混戦状態となる。残り6kmでこの日の逃げの最後の一人が捉まると、展開は一気にスプリントモードへ。残り1kmでまずマルク・サラウ(グルーパマ・FDJ)が動いたのを合図に展開が一気に動く。しかしこれはスプリンターの押し寄せる波が飲み込んでいくと、今度はダニー・ファン・ポッペル(ロットNLジャンボ)が仕掛ける。

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しかしここでまだアシストを残していたのがヴィヴィアーニ、ミカエル・モロコフに導かれながら残り200mで先頭に躍り出ると、そのまま一気にトップスピードに。世界チャンピオンのピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)やジャコモ・ニッツォーロ(トレック・セガフレド)が追いすがるが全く歯が立たず、圧勝ともいえるほどの加速で今シーズン自身グランツール5勝目を挙げた。

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「完璧だね。言葉はいらないよ。これはチームワークの賜物だよ。皆にマークされ圧倒的不利な状況でも、今日はピーター・セリーとキャスパー・アスグリーンが一日中牽引してくれたからね。それで体力温存ができたんだよ。今日みたいなステージはコントロールするのが難しんだよね。でもそういうステージだからこそ制しておきたいんだ。昨日はデ・プラスが勝利を逃したけど、チームは今日も集中力を持続していたんだ。ただ今日は獲得標高が3000mのステージだったから、最後まで残っていることが大変だったよ。まあブエルタってそういうステージばっかりだからね。最高のシーズンはまだまだ続くよ~。」ヴィヴィアーニはご機嫌だった。
この日は総合勢は動かず、ミカル・クウィアトコウスキー(チームスカイ)が総合リーダージャージをキープした。大きなトラブルを避けるべく、総合系の選手たちは気を使うステージとなった。

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「長い下りではできる限り集団の先頭にいることを心掛けたよ。無駄なもらい事故や、それによる足止めで無駄なタイムロスをしないようにね。それこそが今日のテーマだったんだ。今日はステージ勝利は習わない、ただ落車などのリスクを避けるためだけに全力を注いだよ。無事最後まで走り切れて、任務完了だね。」~ナイロ・キンターナ(モビスター)
「出来る限りこのジャージを守り抜くよ。これはゲームじゃないんだ、真剣勝負なんだよ。ただ誰かに簡単に手渡していいものじゃないんだよ。だからできる限りこのジャージにしがみつくつもりだよ。どこまでそれができるかは全く分からないけどね。」~クウィアトコウスキー
「まだトップコンディションには程遠いけど、まあそれでも今日の3位は納得かな。」~サガン
「今日はスプリントの予定だったけど、全く予定通り事が運ばなかったよ。まあしょうがないね。明日以降で頑張るよ。明日は・・・グルペットで完走目指さなきゃ。」~マッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット)

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ブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージ
1位 エリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ) 4h48’12”
2位 ジャコモ・ニッツォーロ(トレック・セガフレド)
3位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)
4位 ナセル・ブアニ(コフィディス・ソルーションクレジッツ)
5位 シモーネ・コンソーニ(UAEチームエミレーツ)
6位 ダニー・ファン・ポッペル(ロットNLジャンボ)
7位 ミカエル・モロコフ(クイックステップ・フロアーズ)
8位 マッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット)
9位 ライアン・ギボンス(ディメンション・データ)
10位 トム・ファン・アスブロック(EFエデュケーションファースト・ドラパック)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 ミカル・クワイトコウスキー(チームスカイ) 9h10’52”
2位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) +14”
3位 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ) +25”
4位 ローレン・デ・プラス(エティックス・クイックステップ) +28”
5位 ヨン・イザギーレ(バーレーン・メリダ) +30”
6位 ファビオ・フェリーネ(トレック・セガフレド)
7位 エマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +32”
8位 トニー・ギャロパン(AG2R) +33”
9位 ナイロ・キンターナ(モビスター)
10位 バウク・モレンマ(トレック・セガフレド) +35”
H.Moulinette