ブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージ:恐るべし大ベテラン!バルベルデがクウィアトコウスキー撃破しステージ勝利!クウィアトコウスキーは総合リーダーに、ポート、ニーバリ、早くも脱落
第2ステージにして総合優勝争いに大きな激震が走った。総合優勝候補のヴィンチェンツォ・ニーバリ(バーレーン・メリダ)、リッチー・ポート(BMC)、アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)、イルヌール・ザッカリン(カチューシャ・アルペシン)らが早くも大幅にタイムを失い、ニーバリは総合争いに黄信号、ポートとAイェーツは総合優勝赤信号が灯る形となった。そんな難しい上り勝負のスプリント決戦を制したの、なんと大ベテランのアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)、ミカル・クウィアトコウスキー(チームスカイ)との一騎打ちを制して早くもステージ勝利を挙げた。しかしクウィアトコウスキーは2位に終わるも総合リーダーに躍り出た。
あまりにも鮮やかだった。チームスカイのペースアップで次々と有力選手たちが脱落させられていく中、その犠牲になったのはステージ優勝を狙うパンチャーのみならず、総合優勝争いをする総合勢もなす術なく遅れていく。そして先頭ではローラン・デ・プラス(エティックス・クイックステップ)が残り1.5kmでアタック、その切れ味鋭いアタックの危険を察知したバルベルデが追走アタックを仕掛け、クウィアトコウスキーがそれに対応する。
クウィアトコウスキーは先にアタックを仕掛けるが、コースマップではゴールまで残り400mが頂上との表示も、そこから勾配はもう一度きつくなる。そこでバルベルデが満を持してアタック、スプリント力のある大ベテランはあっさりとクウィアトコウスキーを振り切り、余裕の笑みでガッツポーズを決めた。年間総合1位を目指す男は「キンターナがエース」としながらも、今大会は台風の目となりそうな予感を感じさせる。これで総合でもクウィアトコウスキーに次いで総合2位へとジャンプアップ、怖い存在が早くも上位にその順位を上げた。
「嬉しいね~。ツールでは思ったよりも結果が出せなくてがっかりしたからね。でも今ここへ来て自分のコンディションが最高潮にあることを実感しているよ。ブエルタでの勝利は久しぶりだね。だからより嬉しいよ。
僅かな2日目にして総合勢は大シャッフル。昨日までの総合リーダー、ローハン・デニス(BMC)は一日天下に終わり、存在感溢れるチームスカイのリーダークウィアトコウスキーが早くも総合首位に立った。多くの総合勢が何とか最後に踏ん張りを見せたが、この日は多くの総合選手が苦境に立たされることとなる。ファビオ・アルー(UAEチームエミレーツ)らが何とか10秒以内のタイムロスに抑えたのに対し、ザッカリンは約1分遅れ、ニーバリは4分遅れでのゴール、早くもライバルたちに対してハンデを背負う形となった。ポートとAイェーツは13分半の遅れとなり、もはや総合争いは絶望的だ。ポートは体調不良のようで、苦悶の表情を浮かべながらのゴールとなった。
「今日の暑さは多くの選手を苦しめたね。正直これほどまでに総合勢が崩れるとは思ってもいなかったから、無線でそれを聞いたときには一気に勝利へのモチベーションが高まったね。チームのエースはキンターナだけど、僕も総合を捨てているわけではないよ。ただ今僕は別の目的もあるから、キンターナがアシストを必要とすればいつでもその為に働くよ。」~バルベルデ
「こういう形でリーダージャージが欲しかったわけじゃないんだよね。やっぱり勝って欲しかったんだよ。チームはいい働きをしたよね。でもそれ以上にバルベルデが凄かった。勝手知ったる地元の選手を負かすのは簡単じゃないよ。まあでもこれで一応僕がブエルタの総合リーダーであることには変わりないからね。」~クウィアトコウスキー
「調子が悪かったね。これから世界選手権へ向け調整をしていくよ。多分最終週には調子が上がってくると思うよ。まだ7月のツールでの悪夢のクラッシュが脳裏をちらつくんだ。だからまだ精神的に吹っ切れてはいないんだよ。何とかステージ優勝を狙えるようにしたいね。きついのがブエルタ、それがモチベーションでもあるからね。」~ポート
ブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージ
1位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) 4h13’01”
2位 ミカル・クワイトコウスキー(チームスカイ)
3位 ローレン・デ・プラス(エティックス・クイックステップ) +03”
4位 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ)
5位 ジョージ・ベネット(ロットNLジャンボ)
6位 トニー・ギャロパン(AG2R)
7位 エマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ)
8位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト・ドラパック)
9位 ナイロ・キンターナ(モビスター)
10位 ティボー・ピノー(グルーパマFDJ)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 ミカル・クワイトコウスキー(チームスカイ) 4h22’40”
2位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) +14”
3位 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ) +25”
4位 ローレン・デ・プラス(エティックス・クイックステップ) +28”
5位 ヨン・イザギーレ(バーレーン・メリダ) +30”
6位 ファビオ・フェリーネ(トレック・セガフレド)
7位 エマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +32”
8位 トニー・ギャロパン(AG2R) +33”
9位 ナイロ・キンターナ(モビスター)
10位 バウク・モレンマ(トレック・セガフレド) +35”
H.Moulinette