ツール・ド・フランス番外編:今大会で気になった選手、スプリントで7度のトップ10入りを果たしたアンドレア・パスカロン(ワンティ・グループゴベール)とは何者?
今年のツール・ド・フランス、ある地味な男が結果を残した。遅咲きともいえる30歳でその存在感を感じさせてくれたのがアンドレア・パスカロン(ワンティ・グループゴベール)だ。第2ステージで8位にはいると、その後も第4ステージで6位、第5ステージで9位、第7ステージで9位、第8ステージで10位、第13ステージで8位、そして最終第21ステージでも9位と驚くことになんと7ステージでトップ10入りを果たしたのだ。
正直若くもなければ実績も乏しい、誰も注目すらしていなかった選手だろう。まだ一度もワールドツアーで走ったことはなく、プロコンチネンタルとコンチネンタルを行ったり来たりしている30歳のイタリア人選手は、5月末から6月初旬に行われたツール・ド・ルクセンブルグで全5ステージ中2勝、さらにステージ3位2度で総合優勝に輝いた。そしてさらにツール・ド・フランスで間違いなく今大会でその存在価値を高めたと言えるだろう。
果たしてこれから先どのような成長カーブを描くのかは未知数だが、中堅選手としてスプリントの際には要注意選手になってきそうなことは間違いない。混戦になれば間違いなく中堅にも勝機が見えるのがスプリントの面白さ、下克上はいつでもレースシーンを面白くする。遅咲きのパスカロンの快進撃がさらにここから進んでいくのか、ちょっと楽しみだ。
H.Moulinette