ヨーロッパ選手権:制したのはトレンティン、しかし2位にファン・デル・ポエル、3位にファン・アートと新旧シクロクロス世界王者が表彰台に!世代交代とシクロクロッサーの強さ


©Tim D.Waele/Getty Images
世界選手権のアルカンシエルと並び、ヨーロッパの選手たちが欲しがるもう一つのタイトルがヨーロッパチャンピオンジャージだ。そして今年のレースでは昨年度クイックステップ・フロアーズで大活躍をし、今シーズンエースとしてミッチェルトン・スコットの引き抜かれながらも、ここまで結果が伴っていなかったマッテオ・トレンティン(イタリア)が力技スプリントで勝利をもぎ取って見せた。そして表彰台の残りのスポットは、現在のシクロクロス世界2強があがり、その対応力と実力を見せつけた。
「ここしばらくのことを考えると、この勝利は感慨深いものがあるよ。チームとして完璧に機能したね。サポートしてくれた仲間たちに感謝感謝だよ。最高の一日になったよ!」ここまで怪我などで結果が出ていなかった男がようやく笑顔を見せた。

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残り55kmで集団からトレンティンを含む10人が飛び出すと、そのままぐんぐんと後続との差を広げていく。しかし残り10km、濡れた路面で落車が発生、逃げが分断されてしまう。そこに残ったのはトレンティン以外に悪路のシクロクロスでいま世界最強ツートップと呼ばれる現世界チャンピオンと元世界チャンピオンのワウト・ファン・アールト(ベルギー)とマシュー・ファン・デル・ポエル(オランダ)の2人を含む計6人のみだった。

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そしてスプリントではダビデ・チモライ(イタリア)がリードアウトとしてトレンティンをアシスト、これが決定的な差となり最後がガッツポーズでトレンティンがヨーロッパチャンピオンに輝いた。そしてシクロ新旧王者は旧王者のファン・デル・ポエルが2位、現王者のファン・アールトが3位となった。
3位となったファン・アールトは世界王者としてシクロシーズンからそのままロードレースにも出場、春先のワールドツアーのクラシックで、ストラーデ・ビアンケでの3位表彰台を含め、3度のトップ10入りを果たすなど、ロード選手としてもこれからの可能性を感じさせている。すでに来シーズンからのロットNLジャンボ入りも決まり、スターダムへとのし上がっていきそうだ。
怪我にも泣かされ最大ライバルのファン・アールトに先にロードで結果を出されたファン・デル・ポエルは2020までシクロクロスの強豪、コレンドン・サーカスとの契約を継続を決めたが、各ワールドツアーチームが狙っており、ファン・アールトに続いてロードに本格的に進出してくるのは時間の問題だろう。今大会で2位を獲得するほどの実力はどのチームにとっても欲しい存在だ。
ヨーロッパ選手権
1位 マッテオ・トレンティン(イタリア) 5h50’02”
2位 マシュー・ファン・デル・ポエル(オランダ)
3位 ワウト・ファン・アールト(ベルギー)
4位 ヘスス・エラダ(スペイン)
5位 ダビデ・チモライ(イタリア)
6位 ザンドロ・マウリス(ベルギー) +07”
7位 ミカエル・アルバジーニ(スイス)
8位 ピエール・ルック・ペリション(フランス)
9位 ニコ・デンツ(ドイツ) +25”
10位 マウリッツ・ラマーティンク(オランダ) +2’15”
H.Moulinette