ツール・ド・フランス第20ステージ:個人TTで実質総合決着!Gトーマスが渾身のステージ3位で総合優勝確定的!ログリッチは大健闘のステージ8位もフルームに再逆転許し総合4位
最終日のパレードステージを前に、実質的な総合争いが決した。個人TTを制したのはトム・デュムラン(チームサンウェブ)、これで総合2位をがっちりとキープした。そして総合リーダーだったゲラント・トーマス(チームスカイ)は途中まで中間計測でトップタイムを連発する快心の走り、最後は失速こそしたものの、ステージ3位で総合リーダーの座をがっちりとキープ、最終日完走さえすれば新たなツール王者が誕生する。
「まだツールを勝利できたという実感はないよ、本当に僕が勝ったんだよね?この日までのすべてが学びの連続だったよ。そしてその結果今僕がここにこうしているんだよね。本当に信じられない。本当にフルームには感謝しているよ。僕は初の経験だけど、彼は優勝を経験していて、そのアドバイスなどが非常に支えとなったよ。世代最強のグランツールライダーにアシストしてもらっての勝利は格別だね」Gトーマスは満面の笑みで語った。
過酷を極めた総合表彰台争いも決した。デュムランに僅か1秒差の素晴らしいタイムをたたき出したクリス・フルーム(チームスカイ)が昨日失った3位表彰台の座を奪還して見せた。対して総合3位でこのステージへ挑んだプリモズ・ログリッチ(ロットNLジャンボ)だが、このステージでも素晴らしい走りを見せる。ステージ8位と納得のいく走りながらも、フルームに逆転を許してしまい、総合4位となった。しかしながら昨日あれだけ山岳で攻め抜いた上で、個人TTでこれだけの走りができる事からも、これからのグランツールでは間違いなく優勝候補の一角として名が上がる存在となりそうだ。
第20ステージではチームスカイがその力を見せつける結果となった。フルームがステージ2位、Gトーマスが3位、さらにはミカル・クウィアトコウスキー(チームスカイ)がステージ4位と圧倒的な存在感を見せた。また前半戦無駄なタイムロスを連発し浮上の兆しが見られなかったイルヌール・ザッカリン(カチューシャ・アルペシン)が、ここ数日の山岳での走りに加え、この個人TTでもステージ7位と復活の気配を見せており、これで総合でも9位に順位を上げた。
またこのステージでもナイロ・キンターナ(モビスター)が大苦戦、そもそも個人TTは得意ではないが、まったく切れ味なく大きくタイムロス、かろうじてトップ10には踏みとどまったものの、総合優勝候補に名が挙がっていた男にとっては寂しい結果となってしまった。
いよいよこれで2018年ひまわりの夏が終わりを迎える。様々な問題と議論の中で始まった大会も、新王者の誕生という形で最終日を迎える。
ツール・ド・フランス第20ステージ
1位 トム・デュムラン(チームサンウェブ) 40’52”
2位 クリス・フルーム(チームスカイ) +01”
3位 ゲラント・トーマス(チームスカイ) +14”
4位 ミカル・クウィアトコウスキー(チームスカイ) +50”
5位 ソレン・クラーグ・アンデルセン(チームサンウェブ) +51”
6位 ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ) +52”
7位 イルヌール・ザッカリン(カチューシャ・アルペシン) +1’02”
8位 プリモズ・ログリッチ(ロットNLジャンボ) +1’12”
9位 マルク・ソレル(モビスター) +1’22”
10位 マイケル・ヘップバーン(ミッチェルトン・スコット) +1’23”
ツール・ド・フランス総合順位
1位 ゲラント・トーマス(チームスカイ) 80h30’37”
2位 トム・デュムラン(チームサンウェブ) +1’51”
3位 クリス・フルーム(チームスカイ) +2’24”
4位 プリモズ・ログリッチ(ロットNLジャンボ) +3’22”
5位 スティーブン・クライズワイク(ロットNLジャンボ) +6’08”
6位 ロメイン・バルデ(AG2R) +6’57”
7位 ミケル・ランダ(モビスター) +7’37”
8位 ダニエル・マーティン(UAEチームエミレーツ) +9’05”
9位 イルヌール・ザッカリン(カチューシャ・アルペシン) +12’37”
10位 ナイロ・キンターナ(モビスター) +14’18”
H.Moulinette