ツール・ド・フランス第2ステージ:穏やかな日は現場にあるのか?マイヨ・ジョーヌのガヴィリアが落車で勝負できずサガンが勝利でマイヨ獲得!Aイェーツは連日の落車

勝負は生き物とは昔からよく言うが、最後まで分からないのが勝負の世界、順調にステージ連勝を目指していたフェルナンド・ガヴィリア(クイックステップ・フロアーズ)だったが、残り1kmでの位置取りが仇となった。そんな勝負は落車を免れた一握りのスプリンターによる勝負となり、勝利への嗅覚抜群の世界チャンピオン、ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)が勝利を奪い取った。際どく迫ったソニー・コルブレッリ(バーレーン・メリダ)だったが、あと一歩及ばなかった。

©Tim.D.Waele/Getty Images
残り1km、クイックステップ・フロアーズのトレインがガヴィリアを導いていく中、前を行くトレック・セガフレドの選手がコーナー内側のコースバリアに接触しそのまま落車、チームメイトたちと少し距離を開けて準備していたガヴィリアが巻き添えを食らう。さらにはこの日の勝利を狙っていたマイケル・マシューズ(チームサンウェブ)もその犠牲となってしまった。

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しかし難を逃れた中にはアルノー・デマール(グルーパマFDJ)、アレクサンダー・クリストフ(UAEチームエミレーツ)、アンドレ・グライペル(ロット・ソウダル)やサガンらが顔を揃えた。クイックステップはフィリップ・ジルベールとジュリアン・アラフィリップの二人が残ったが、ピュアスプリンターたちを前には太刀打ちできなかった。ボーラ・ハンスグロエはうまくアシストを残せたことでサガンをアシスト、デマールが先行して仕掛けるまでサガンの脚を温存することに成功した。
デマールが先行、その背後に控えたサガンが豪快に仕掛けるなか、さらにその背後に陣取っていたコルブレッリが抜群の伸びを見せる。しかしあと一歩サガンには及ばなかった。世界チャンピオンのサガンはステージ勝利のみならず、これでマイヨ・ジョーヌも獲得し、ポイント賞と合わせてその無双ぶりを発揮している。

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「今日は簡単なステージになるかと思ったけどアップダウンがあり予想より難しかったよ。タイミングが難しくて最後はデマールの間合いで勝負して正解だったよ。ガヴィリアが落車してくれたから勝てたのかもね(笑)。 とにかくチームメイトに感謝だね。あとは親父も来てたんで勝てて良かったよ。明日のチームTTではうちのチームはタイムロスするのが確実だったから、マイヨ・ジョーヌを獲得するのであれば今日しかないと思っていたんだよ。だから今日獲得できて良かったよ。」」サガンは冗談をいう余裕があるほど精神的にも充実しているようだ。
ステージ2位にはコルブレッリ、3位にはデマールが入る中、、ステージ7位になんとアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)が顔を出した。総合も狙う男は、UCIの年間総合でも1位を狙っているだけに、キッチリとこうしてポイントを加算していく。

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第2ステージは平坦ステージだったが、中間スプリントなどのボーナスタイムがレースにちょっとした彩を与え、各選手の思惑が見え隠れする形となった。特に「チームのエースはフルームで確定ではない」というスタンスを選手自らが表明するに至った稀なケースの主人公、ゲラント・トーマス(チームスカイ)は途中1秒のボーナスタイムを獲得し総合6位へとジャンプアップ、明日のチームTTではそのチームスカイが本命視されているだけに、この段階でマイヨ・ジョーヌ獲得を狙える状況となっている。またアダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)はこの日も落車、総合を狙っているだけに嫌な流れとなっている。また繰り上げでポイント賞ジャージを着用していたマルセル・キッテル(カチューシャ・アルペシン)はパンクに泣かされ、ゴール勝負以前に集団から遅れてしまった。
また地元開催となったダイレクトエナジーは大ベテランのシルヴァン・シャバネル(ダイレクトエナジー)が序盤の3人の逃げから単独になるもそのまま踏ん張り見事敢闘賞を獲得、地元の熱狂的応援に単独逃げという派手なパフォーマンスで答えて見せた。これでシャバネルは総合4位と順位を上げている。
「がっかりだよ。計算して狙っていたのにわずかに届かなかったんだからね。僕がサガンの動きを読んだつもりだったのに、逆に彼に僕の動きが読まれていたよ。」~コルブレッリ
「脚があったから残り250mで仕掛けたんだよ。でも先頭だったんで他に戦略の立てようがなかったよ。」~デマール

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「落車を恐れていたら、勝利なんて絶対につかめないよ。」~ガヴィリア
「誰もあの1秒を狙っていなかったみたいだったから、”じゃあ僕が頂くよ”って感じだったよ。」~トーマス

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ツール・ド・フランス第2ステージ
1位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ) 4h06’37”
2位 ソニー・コルブレッリ(バーレーン・メリダ)
3位 アルノー・デマール(グルーパマFDJ)
4位 アンドレ・グライペル(ロット・ソウダル)
5位 アレクサンダー・クリストフ(UAEチームエミレーツ)
6位 ティモシー・デュポン(ワンティー・グループゴベール)
7位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)
8位 アンドレア・パスカロン(ワンティ・グループゴベール)
9位 ジョン・デゲンコルブ(トレック・セガフレド)
10位 フィリップ・ジルベール(クイックステップ・フロアーズ)
ツール・ド・フランス総合順位
1位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ) 8h29’53”
2位 フェルナンド・ガヴィリア(クイックステップ・フロアーズ) +06”
3位 ソニー・コルブレッリ(バーレーン・メリダ) +10”
4位 シルヴァン・シャバネル(ダイレクトエナジー) +12”
5位 フィリップ・ジルベール(クイックステップ・フロアーズ) +13”
6位 ゲラント・トーマス(チームスカイ) +14”
7位 オリビエ・ナーセン(AG2R) +15”
8位 アレクサンダー・クリストフ(UAEチームエミレーツ)
9位 ジョン・デゲンコルブ(トレック・セガフレド) +16”
10位 ティモシー・デュポン(ワンティー・グループゴベール)
H.Moulinette