チームスカイは一枚岩なのか?「チームのエースはアルプスでの調子で決まる」と発言するゲラント・トーマスの真意は?「僕はいつでもエースになる準備ができている」と宣言している男に注目
今回のツール・ド・フランス、いやがおうにでもチームスカイにその注目が集まっている。そもそもサルブタモール問題でフルームのツールの出場が危ぶまれた時に、「僕はいつでもツール・ド・フランスでエースになる準備はできている」と発言をしていたゲラント・トーマス(チームスカイ)は、フルームの出場が決まった今、「アルプスの調子で誰がエースになるかが決まる」と発言をするなど、虎視眈々と自らが高みへ登るための算段をしているようだ。
「サルブタモールケースが一段落したのはよかったね。もうこれでその問題に対する僕の考えを求められることもなくなるわけだしね。正直僕は渦中のチームにはいたけど、自分自身のコンディショニングはきちんとしているから、まったく部外者と言うスタンスだったから影響はなかったよ。僕は僕自身のことに専念しているからね。正直問題解決は僕の責任の範疇じゃないからね。」
そう語る男はツール前哨戦と呼ばれるクリテリウム・ド・ドーフィネで勝利するなど調子を上げており、グランツール制覇への意気込みは高い。「僕はさらなる高みを目指しているんだ。常にベストを尽くし、自分を超える自分でありたいんだ。とにかくミスなくしっかりと結果を残したいと思っている。」
ツールの出場選手発表の場でチーム監督はフルームをエースとして紹介、そしてトーマスは「プランB」扱いとなっている。しかしそのチームの方針自体にもトーマスは納得していないようだ。「僕のコンディションは最高の状況だ。まずはレースが開幕して、その第一週でどうなるかだね。その上でアルプスを迎え、その結果次第でエースが決まるんじゃないかな。」と意味深な発言をしている。あくまでも自分はフルームより格下のプランB扱いではない、対等な一人のエース候補なのだ、という意志の強さと意識の高さがその言葉から伝わってきた。
「勝手にアシスト扱いをするな、俺だってエースになる実力はあるんだ。」今年のトーマスからはそんなギラギラとしたものが伝わってくる。
H.Moulinette