クリテリウム・ド・ドーフィネ第6ステージ:ジロで大躍進のビルバオが勝利で首脳陣にさらなるアピールに成功!逃げ切りでステージ優勝達成!総合リーダートーマスはステージ2位で総合安泰
チームスカイの強さが際立っている今大会、総合リーダーのゲラント・トーマス(チームスカイ)はこの日も絶好調の走りでライバルたちを突き放して、総合優勝をさらに手繰り寄せた。そしてそんなステージを制したのは、ジロ・デ・イタリアで躍動、総合3位を獲得したルイ・アンヘル・ロペス(アスタナ)に次いで総合トップ10入りの総合6位と大躍進を遂げたスペイン人ライダーがここでも大躍進、ステージ優勝を挙げチーム首脳に対して、その存在感をアピールした。
僅か110㎞のショートコース、しかし激しい山岳バトルは各選手にとって明暗を分ける形となった。逆転での総合優勝を狙いたい選手たちが多くいる中、昨日のチームTTでつけられたタイム差が大きくものをいいトーマス有利という展開だが、そのチームスカイのアシストを削るべくAG2Rが仕掛ける。それにより今大会総合リーダージャージに袖を通したミカル・クウィアトコウスキー(チームスカイ)とジャンニ・モスコン(チームスカイ)が脱落する。そしてロメイン・バルデ(AG2R)がアタックを決め展開はAG2Rペースで進むかに思われた。しかしそのアタックもジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・フロアーズ)の動きで潰される。
しかしステージ優勝をめぐる争いはそのはるか前方で行われていた。この日の27名の逃げに乗ったビルバオは、先行したライバルたちを一人ずつ仕留めていくと残り7kmでついに独走態勢へと持ち込む。するとその背後でのバトルお構いなしに最後まで逃げ切りステージ優勝を達成した。
その背後では残ったチームスカイのアシストがライバルたちの削るペースアップを敢行、またしても主導権はチームスカイのものとなる。そして残り1kmでトーマスがアタックをしかけ昨日の勝者ダニエル・マーティン(UAEチームエミレーツ)、アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)、バルデらを振り切りステージ2位、ライバルたちとのタイム差を広げて見せた。
「今日はAG2Rにやられたね。でも最終的にはうちのほうが枚数が多かったからね。うちは一人がダメでもその代わりになる選手がいるぐらい層が厚いからね。今日も1秒もおろそかにできないと思っていたんだよ。だから確実にタイム差を広げる走りに徹したんだ。」トーマスはチームワークの差を口にした。
「昨日はほんときつかったんだよね。ジロからずっと走り続けているから、疲れが来てるからね。でも今日は昨日のぐったりでリセットされたのかよく脚が回ったんだよ。チームは僕の総合を信じてくれていたんだから、それに報いないとね。とにかく今日は逃げのリズムがちょうど波長に合ったんだよね。それに上りもドンピシャだったよ。ジロの調子を維持するのは難しいけど、でもモチベーションはまだ高いからね。」ビルバオは絶好調だ。
クリテリウム・ド・ドーフィネ第6ステージ
1位 ペッロ・ビルバオ(アスタナ) 3h34’11”
2位 ゲラント・トーマス(チームスカイ) +21”
3位 ダニエル・マーティン(UAEチームエミレーツ) +23”
4位 ロメイン・バルデ(AG2R)
5位 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) +26”
6位 エマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +1’02”
7位 イルヌール・ザッカリン(カチューシャ・アルペシン) +1’20”
8位 ピエール・ラトゥール(AG2R) +1’40”
9位 タオ・ゲオグヘーゲン(チームスカイ) +1’45”
10位 ヴァレリオ・コンティ(UAEチームエミレーツ)
クリテリウム・ド・ドーフィネ 総合順位
1位 ゲラント・トーマス(チームスカイ) 20h51’19”
2位 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) +1’29”
3位 ロメイン・バルデ(AG2R)
4位 ダニエル・マーティン(UAEチームエミレーツ) +2’01”
5位 ダミアーノ・カルーソ(BMC) +2’39”
6位 エマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +3’10”
7位 イルヌール・ザッカリン(カチューシャ・アルペシン) +3’29”
8位 マルク・ソレル(モビスター) +3’40”
9位 ピエール・ラトゥール(AG2R) +3’49”
10位 ピエール・ローラン(EFエデュケーション・ファーストドラパック) +4’00”
H.Moulinette