クリテリウム・ド・ドーフィネプロローグ:チームスカイ内で明暗くっきり、元世界チャンピオンのクウィアトコウスキーが勝利!「ツールでエースになる準備はできている」と答えていたトーマスは落車
ツール前哨戦となるクリテリウム・ド・ドーフィネが開幕、様々な問題の渦中にいるチームスカイがここでも強さを見せたが、チーム内で明暗がくっきり、元世界チャンピオンのミカル・クウィアトコウスキー(チームスカイ)が得意のTTでプロローグを勝利し、総合リーダーに躍り出た。しかし本来であればエースになるはずのゲラント・トーマス(チームスカイ)がまさかの落車で、いきなりタイムを失う結果となった。フルームの問題を受けて、「僕はいつでもツールでエースになる準備はできている」と過去に発言しているトーマスだけに、しっかりと首脳陣にアピールし、選択肢となるべきタイミングだっただけに、いきなり躓く形となった。
チームスカイはクウィアトコウスキーがステージ優勝で総合リーダージャージ、さらにはステージ3位に入ったジャンニ・モスコン(チームスカイ)が新人賞ジャージを獲得した。クウィアトコウスキーはエースを担った春先のクラシックで惨敗、そこから実戦を避けてトレーニングをしてきたが、いきなりそれが結果となって表れた。しかし一方で快調な走りを見せていたトーマスがまさかの落車でタイムロス、もし落車がなければクウィアトコウスキーのタイムを上回っていた可能性が高い走りだっただけに、残念な結果となってしまった。結局トーマスはクウィアトコウスキーから21秒遅れでゴールしている。「トーマスは落車でタイムを失ったけど、それでも今大会のエースであることに変わりはないよ。」クウィアトコウスキーはトーマスを気遣った。
「40日ほど実戦から離れていたから、いきなりの勝利にはちょっと驚いたよ。でもドーフィネのために、そしてその先のツールのために全力で努力してきたからね。選手である以上、スタートラインに立つときは常に勝利をイメージしなければいけないと思う。それこそが自分を超えるためのモチベーションになるからね。昨日は誕生日だったし、この勝利は本当に嬉しいよ。」クウィアトコウスキーは久しぶりの勝利を満喫したようだ。
この日はホス・ファン・エムデン(ロットNLジャンボ)が長らくホットシート(暫定1位の選手が座るシート)を温めた。最終的には僅か1秒クウィアトコウスキーに屈したが、それでもここ暫くの走りでその評価を大きく上げている。そして短い個人TTでは総合勢もそれなりの結果を残した。ジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・フロアーズ)は14秒差のステージ17位と激走を見せ、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(バーレーン・メリダ)やロメイン・バルデ(AG2R)、イルヌール・ザッカリン(カチューシャ)らに先行している。
クリテリウム・ド・ドーフィネ プロローグ&総合順位
1位 ミカル・クウィアトコウスキー(チームスカイ) 7’25”
2位 ホス・ファン・エムデン(ロットNLジャンボ) +01”
3位 ジャンニ・モスコン(チームスカイ) +03”
4位 ヴィクター・カンペナーツ(ロット・ソウダル) +05”
5位 パトリック・べヴィン(BMC)
6位 マテアス・ブランドル(トレック・セガフレド) +06”
7位 ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ) +07”
8位 イェンス・ケウケレール(ロット・ソウダル) +09”
9位 ヨナタン・カストロビエホ(チームスカイ)
10位 ブレント・ブックウォルター(BMC) +11”
H.Moulinette