ジロ・デ・イタリア第13ステージ:針の穴を通すように進路をこじ開ける技術!ヴィヴィアーニが他を圧倒する巧みな走りでステージ3勝目!

昨日は脱落して勝機を逃したエリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ)、そしてそれに対してその大チャンスをきちんと制して勝利をつかんだサム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ)だったが、二日連続で同じ轍は踏まないとばかりに組織力を見せたクイックステップ・フロアーズの組織力をバックに、ヴィヴィアーニが素晴らしいボディーバランスと見極めを披露し渾身のライン取りで勝利を掴み取った。これで今大会3勝目、このチームへきて間違いなく進化を遂げ続けているスプリンターはまたさらに一段高みへと昇った。

©Tim D.Waele/Getty Images
この日も残り5㎞を切りペースはぐんぐんと上がる。スプリント勝負へと持ち込みたいカチューシャ・アルペシン、クイックステップ・フロアーズ、ボーラ・ハンスグロエ、ロットNLジャンボなどがせめぎあいトレインバトルが繰り広げられる。しかし残り1㎞で思わぬアタックが発生、マルコ・コレダン(ウィリエール・トリエスティーナ)がいい飛び出しを見せ、まさかの逃げ切りを予感させる。

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しかし集団は誰が追走するかでの迷いと駆け引きをしながらも、最後の緩やかな勾配で失速したコレダンをゴール手前でとらえると、一気にスプリントが始まる。するとヴィヴィアーニは狭い隙間を縫うように一気に先頭に躍り出る。あまりにも鮮やかなライン取りで最短のインコースをかけがあると、その勢いのまま後続に差をつけて余裕のスプリント勝利となった。昨日の勝者ベネットも出遅れながらも最後は何とかステージ2位へと自らをねじ込んだ。

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「最高だね。ここ数日は天候にも泣かされて苦戦したけど、それでもチームはベストを尽くしてくれたんだ。この勝利こそが最大のねぎらいだね。何とか勝利したかったんだ、このジャージをローマまで着続けるためにもね。スポーツは難しいよ。結果的に勝者と敗者しかいないし、どんなに体調がよくても必ずしも勝てるわけではないからね。そしてその日が終わればまた翌日誰もが勝利を夢見て走り続けるんだよ。今はこのジャージを維持できているけど、まだ先は長いしどうなるかわからないからね。でも大事なのはこうしてまた勝利をつかみ、勝ち癖をつけることだよ。」ヴィヴィアーニは冷静に勝利を喜んだ。
総合勢はこの日も安泰、サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)が体力温存に終始、これから迎える最終週でのバトルの準備を整えた。

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ジロ・デ・イタリア第13ステージ
1位 エリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ) 3h56’25”
2位 サム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ)
3位 ダニー・ファン・ポッペル(ロットNLジャンボ)
4位 サッシャ・モドロ(EFエデュケーション・ファーストドラパック)
5位 ライアン・ギボンス(ディメンション・データ)
6位 ジャン・ピエール・ドラッカー(BMC)
7位 マニュエル・ベレッティ(アンドローニ・ジョカットリ)
8位 クレメント・ヴェンチュリーニ(AG2R)
9位 バプティスト・プランカート(カチューシャ・アルペシン)
10位 イェンス・デブシェール(ロット・フィックスオール)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) 55h54’20”
2位 トム・デュムラン(チームサンウェブ) +47”
3位 ティボー・ピノー(グルーパマFDJ) +1’04””
4位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(バーレーン・メリダ) +1’18”
5位 リチャード・カラパズ(モビスター) +1’56”
6位 ジョージ・ベネット(ロットNLジャンボ) +2’09”
7位 ローハン・デニス(BMC) +2’36”
8位 ペッロ・ビルバオ(アスタナ) +2’54”
9位 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグロエ) +2’55”
10位 ファビオ・アルー(UAEチームエミレーツ) +3’10”
H.Moulinette