ジロ・デ・イタリア第12ステージ・雨のイモラで跳ね馬となったのはサム・ベネット!荒れた展開の中でスプリントらしからぬ混戦でタイミングよく飛び出し勝利!

イモラサーキットと言えばフェラーリ、そして雨のイモラはF1で多くのドラマを生み出してきた。そして土砂降りとなった今年のジロ・デイタリア第12ステージのイモラサーキットゴールは混沌とした展開となった。スプリント勝負が予測されたが、天気も影響して完全に入り乱れた状態で、どのチームが主導権を握っているのかも把握できない荒れた展開に。しかし最後の一人タイミングよく飛び出したサム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ)が他を寄せ付けず圧勝、見事今大会2勝目を挙げた。

©Tim D.Waele/Getty Images
スプリントと言えばスプリント賞ジャージを着用するエリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ)とその最強トレインだが、この日は完全に勝機を逃してしまう。先頭集団から遅れ第2集団となるが、何とか残り15㎞で先頭集団への合流を果たす。しかしここで力尽きヴィヴィアーニはそのまま脱落していってしまった。そうなれば最強ライバルがいなくなったベネットは余裕をもって自らの勝負に集中できた。

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ディエゴ・ウリッシ(UAEチームエミレーツ)とカルロス・ベタンクール(モビスター)が先行し、さらにそこに先日の勝者マティ・モホリッチ(バーレーン・メリダ)が合流するが、後続の追走集団は手を緩めることはなかった。悪天候をものともせずに残り数百メートルで最後まで粘ったモホリッチとベタンクールを吸収、、するとライバルたちの駆け引きをあざ笑うかのようにベネットが一気に勝負に出る。早すぎるかと思われる飛び出しだったが、誰も対応できずに勝負あり、ベネットの完勝に終わった。その背後で行われたスプリントではダニー・ファン・ポッペル(ロットNLジャンボ)がニコロ・ボニファッツィオ(バーレーン・メリダ)を振り切り2位に入った。

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「あの展開ではね、早めに仕掛けざるを得なかったんだよ。でもいい勝ち方だね、これは自信につながるよ。ライバルたちのことよりも、また勝利を逃すのは嫌だ、という気持ちが強くて、だからもう行ってしまえと思ったんだ。もちろん博打ではあったけど、でもそのことがライバルたちにとっては不意打ちになったから決まったんだろうね。」ベネットは笑顔で自らの勝利を自画自賛した。

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総合勢は大きな動き無く安泰、しかし精神的な消耗戦は続いており、不用意な落車や分断に巻き込まれないように精神を研ぎ澄ませ続けているのはかなりきついだろう。特にこの日のように悪天候となれば、レース終了後の疲れは相当なものとなっているだろう。
ジロ・デ・イタリア第12ステージ
1位 サム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ) 4h49’34”
2位 ダニー・ファン・ポッペル(ロットNLジャンボ)
3位 ニコロ・ボニファッツィオ(バーレーン・メリダ)
4位 バプティスト・プランカート(カチューシャ・アルペシン)
5位 ユルゲン・ルーランツ(BMC)
6位 ミカエル・モロコフ(クイックステップ・フロアーズ)
7位 マニュエル・ベレッティ(アンドローニ・ジョカットリ・シデルメック)
8位 クレメント・ヴェンチュリーニ(AG2R)
9位 フロリアン・セネシェル(クイックステップ・フロアーズ)
10位 エンリコ・バッタリン(ロットNLジャンボ)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) 51h57’55”
2位 トム・デュムラン(チームサンウェブ) +47”
3位 ティボー・ピノー(グルーパマFDJ) +1’04””
4位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(バーレーン・メリダ) +1’18”
5位 リチャード・カラパズ(モビスター) +1’56”
6位 ジョージ・ベネット(ロットNLジャンボ) +2’09”
7位 ローハン・デニス(BMC) +2’36”
8位 ペッロ・ビルバオ(アスタナ) +2’54”
9位 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグロエ) +2’55”
10位 ファビオ・アルー(UAEチームエミレーツ) +3’10”
H.Moulinette