ジロ・デ・イタリア第11ステージ:激坂頂上決戦を制したのはマリアローザのサイモン・イェーツ!独走でデュムラン振り切り勝利!フルームはまた大きくタイムロスで激動の総合バトル続く!

今大会は連覇を狙うトム・デュムラン(チームサンウェブ)と、3大グランツール連続総合優勝を狙うクリス・フルーム(チームスカイ)が圧倒的な総合優勝候補に挙げられていた。しかしながらふたを開けてみれば、デュムランは好調さを維持しているものの、それ以外にダークホースや予想にも上がらなかった名前がズラリと総合トップ10に名を連ねている展開だ。そしてマリアローザを獲得しているサイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)は、昨日右腕でもありダブルエースだったエステバン・チャベス(ミッチェルトン・スコット)を総合争いという意味では失ったがこの日も絶好調だった。最後の最後に飛び出し独走で激坂頂上ゴールバトルを制し、ライバルたちをさらに突き放すことに成功した。

©Tim D.Waele/Getty Images
予想をはるかに超えた激しいバトルは、残り5kmを切り激化する。曲がりくねった道と激しいアップダウンに、クラシックを得意とするティム・ウェレンス(ロット・フィックスオール)とゼネク・スティバー(クイックステップ・フロアーズ)が飛び出し、その差を広げていく。これで勝負あったかに思われたが、総合をめぐる勝負がそう簡単に安易な逃げ切りを許さなかった。

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残り2kmを切り一気に勝負が動く。イェーツが飛び出しそれをデュムランが追走するが、イェーツの切れ味鋭い走りの前に、デュムランの重いギアを踏むスタイルでは追いつくことは困難だった。アップダウンするコースがイェーツに味方し、最後まで後続のライバルたちの追走を許さなかったイェーツが今大会2勝目を挙げるとともに、ボーナスタイムを含めてライバルを突き放すことに成功した。デュムランは踏ん張りきり2秒差でゴールも、それ以外のライバルは完全に粉砕された状態でパラパラとゴール、しかしその中にフルームの姿はなかった。フルームは大きく後れを取り完敗、それでも王者は大会を途中で投げ出すことをしないと口にした。

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「今日はステージ勝利を狙うつもりはなかったんだよ。今日のクラシックばりのコースでは僕より速い選手は沢山いるからね。その予想通りウェレンスとかが飛び出しただろ。でももし彼らを掴まえられたら仕掛けようかなと思っていたんだよ。もっともっとデュムランに対して貯金を築きたいよね。今日みたいなステージでもしっかりと僕のようなクライマーについてくるんだからね。一緒に走っている感じでは、どんどんと調子を上げてきているように感じるんだよね。僕にとってはそれはバッドニュースでしかないんだよね。」イェーツは総合優勝を見据えたコメントを残した。
総合争いはこれでイェーツがデュムランとの差をさらに広げ47秒とし、総合3位のティボー・ピノー(グルーパマFDJ)とのタイム差を1分4秒にまで広げた。また総合10位にファビオ・アルー(UAEチームエミレーツ)が復活したが、その代わりにフルームが順位を下げた。

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ジロ・デ・イタリア第11ステージ
1位 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) 3h25’53”
2位 トム・デュムラン(チームサンウェブ) +02”
3位 ダビデ・フォルモロ(ボーラ・ハンスグロエ) +05”
4位 アレクサンドレ・ジェニエ(AG2R) +08”
5位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(バーレーン・メリダ)
6位 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグロエ)
7位 ティボー・ピノー(グルーパマFDJ)
8位 マキシミリアン・シャッフマン(クイックステップ・フロアーズ) +11”
9位 ローハン・デニス(BMC) +18”
10位 ファビオ・アルー(UAEチームエミレーツ) +21”
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) 47h08’21”
2位 トム・デュムラン(チームサンウェブ) +47”
3位 ティボー・ピノー(グルーパマFDJ) +1’04””
4位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(バーレーン・メリダ) +1’18”
5位 リチャード・カラパズ(モビスター) +1’56”
6位 ジョージ・ベネット(ロットNLジャンボ) +2’09”
7位 ローハン・デニス(BMC) +2’36”
8位 ペッロ・ビルバオ(アスタナ) +2’54”
9位 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグロエ) +2’55”
10位 ファビオ・アルー(UAEチームエミレーツ) +3’10”
H.Moulinette