ジロ・デ・イタリア第2ステージ:クイックステップ炸裂!イスラエルロードバトルを制したのは勝利への嗅覚抜群ヴィヴィアーニ!デニスが中間スプリントボーナスタイムでマリア・ローザ獲得
イスラエルサイクリングアカデミーにとっては、地元スタートだからこそ獲得できたワイルドカードの大チャンス、最大限そのアドバンテージを活かすべく、果敢な走りを見せ続けた。沿道の観衆はそれに大きな盛り上がりを見せた。しかし最後はスプリント勝負となり、いつも通りの鮮やかなチームワークから、最後は後方から仕掛けたヤコブ・マレツコ(ウィリエール・トリエスティーナ・セッライタリア)に瞬時に反応したエリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ)が爆発的な加速力で圧倒的なスプリントを見せてステージを制した。そして昨日までの総合2位のローハン・デニス(BMC)がトム・デュムラン(チームサンウェブ)を逆転することに成功、マリア・ローザを獲得して見せた。
この日のステージはスタートから様々な思惑の動きが発生する。まずは昨日の個人TTでステージ3位となったヴィクトル・カンペナーツ(ロット・ソウダル)がマリア・ローザ獲得のために逃げを敢行する。デュムランとチームサンウェブも、マリア・ローザを保有している限りペロトンをまとめ上げる義務が生じるため、無理して守ることなく手放してもかまわないという思惑が見え隠れするため、総合優勝は狙えなくとも一度はマリア・ローザに袖を通したいカンペナーツとロット・ソウダルが動いたのだ。しかしこの動きは危険と封じ込められてしまう。
デュムランとチームサンウェブが冷静に走り続ける中、この日は序盤からイスラエル・サイクリングアカデミーの動きが活発だった。ガイ・ニブ(イスラエル・サイクリングアカデミー)に続き、ギヨーム・ボワバン(イスラエル・サイクリングアカデミー)が山岳賞を狙う。これは失敗に終わるがイスラエルサイクリングアカデミーはこの日は最後まで積極的な動きを繰り返し見せた。
そんな中でむかえた二つ目の中間スプリントで昨日の総合2位、デニスがうごく。キッチリとポイントを獲得するとともに、それに伴いボーナスタイムを獲得し、これでデュムランを1秒逆転する。カンペナーツも狙いに行くが、デニスの加速にはかなわなかった。
そして展開はゴールスプリントへと向かっていくが、細い路地とテクニカルなカーブが選手たちの神経をすり減らす。それでも動じないのがクイックステップ・フロアーズ、ゼネク・スティバーらが牽引する。残り600mアシストがヴィヴィアーニを見失うが、ヴィヴィアーニはすでにこの時点でライバルの背後を取る作戦へと移行していた。サム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ)をきっちりとマークするが、その脇をマレツコが駆け上がっていくと、一瞬目でベネットらの動きを確認するが躊躇なくマレツコの背後へと乗り換える。そしてそこから一気に加速すると、マレツコを置き去りにして圧倒的なスプリント勝利をガッツポーズで締めくくった。
「簡単じゃなかったよ。今シーズンは序盤戦でいい勝ち方ができたけど、そのあと足踏みが続いていたんだよ。プレッシャーを感じてはいたけど、でも僕はできる男だからね。今日はチームがいいペースを作ってくれたんだよ。そしてベネットの背後をうまく取れたんだ。でも誰もが仕掛けること躊躇していたんだ。そしたら背後からマレツコが動いたんで、これはもう行くしかないと切り替えて彼を追ったんだよ。あそこは勝利への嗅覚がものをいったね。」ヴィヴィアーニは冗舌に語った。
そして集団でゴールした総合勢は、デニスはそのままデュムランと同着ゴール、中間スプリントでの逆転でマリア・ローザを獲得し、総合リーダーに躍り出た。
ジロ・デ・イタリア第2ステージ
1位 エリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ) 3h51’20”
2位 ヤコブ・マレツコ(ウィリエール・トリエスティーナ・セッライタリア)
3位 サム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ)
4位 二コロ・ボニファッツィオ(バーレーン・メリダ)
5位 サッシャ・モドロ(EFエデュケーション・ファーストドラパック)
6位 クレメント・ヴェンチュリーニ(AG2R)
7位 ライアン・ギボンス(ディメンション・データ)
8位 マニュエル・ベレッティ(アンドローニ・ジョカットリ)
9位 バプティスト・プランカート(カチューシャ・アルペシン)
10位 ジャン・ピエール・ドラッカー(BMC)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 ローハン・デニス(BMC) 4h03’21”
2位 トム・デュムラン(チームサンウェブ) +01”
3位 ヴィクトル・カンペナーツ(ロット・ソウダル) +03”
4位 ホセ・ゴンサルベス(カチューシャ・アルペシン) +13”
5位 アレックス・ダウセット(カチューシャ・アルペシン) +17”
6位 ペッロ・ビルバオ(アスタナ) +19”
7位 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) +21”
8位 マキシミリアン・シャックマン(クイックステップ・フロアーズ) +22”
9位 トニー・マルティン(カチューシャ・アルペシン) +28”
10位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(バーレーン・メリダ)
H.Moulinette