ツール・ド・ロマンディ第2&第3ステージ:逃げ男デ・ヘントがスプリント、山岳すべてのポイント総取りの快心の逃げ切り勝利!第3山岳TTを制したバーナルが総合2位浮上、ログリッチ首位堅守
ツール・ド・ロマンディは中盤戦、第3ステージでは逃げ男、トーマス・デ・ヘント(ロット・ソウダル)がその本領を発揮、スタート直後からゴールまで逃げ続ける圧倒的な逃げ切り勝利を見せた。そして総合争いに大きな影響を与える第3ステージの山岳TT、チームスカイのイーガン・バーナルが素晴らしい走りで勝利、そのまま一気に総合2位へとジャンプアップし、総合優勝争いに名乗りを上げた。
第3ステージではまさに逃げのお手本のようなステージとなった。ミスター逃げ男(にげお)、デ・ヘントがスタート直後から逃げを敢行、チームメイトを含む5人の逃げはそのままぐんぐんと後続との差を広げていった。この日のデ・ヘントは絶好調、中間スプリント、山岳ポイントをすべて制すると、最後はネイサン・ブラウン(EFエデュケーション・ファーストドラパックp/bキャノンデール)を残り25㎞で振り切り単独走となりそのまま最後まで逃げ切って見せた。
「チームメイトのカンペナーツと2週間前に明日の山岳TTに関して話していたんだよ。その時にその前日の今日のステージのことに関して話したんだよ。スタート直後から上りで、かれはそこで翌日への調整のため(脚の調整)に仕掛けるって言ってたんだ。だからこの2週間今日のステージのことをずっと話し合っていたんだよ。彼の走りは僕にとって極めて大きな意味を持っていたよ。明日の個人TTのエアロダイナミックスに関しては彼に聞いてね。」
「このステージはスプリントステージだったけど、スプリンターが少ないのを知っていたからね。だから今日は仕掛けるべきだったんだよ。難しい逃げにはなったけど今日は行くべきだったし、どうしてもロマンディでの勝利が欲しかったんだよ。僕の目標はすべてのワールドツアーステージレースでのステージ勝利なんだよ。」デ・ヘントは狙ってこのステージを勝利したことを口にするとともに、自らの選手としての目標を語った。これで自身今シーズン2勝目、通算13勝目となった。
ツール・ド・ロマンディ第2ステージ
1位 トーマス・デ・ヘント(ロット・ソウダル) 4h03’05”
2位 ソニー・コルブレッリ(バーレーン・メリダ) +02’04”
3位 サミュエル・デュムラン(AG2R)
4位 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ)
5位 ミカエル・モロコフ(クイックステップ・フロアーズ)
ツール・ド・ロマンディ総合順位
1位 プリモズ・ログリッチ(ロットNLジャンボ) 8h14’25”
2位 ローハン・デニス(BMC)
3位 ゲラント・トーマス(チームスカイ) +04”
4位 ディエゴ・ローザ(チームスカイ) +05”
5位 ピエール・ラトゥール(AG2R)
山岳TTは総合順位に大きな影響を与えるステージだけに、多くの総合系選手たちはこの日に照準を合わせてきた。しかし今大会では多くの総合系選手が失速し、このステージでも2位に入った総合リーダーのプリモズ・ログリッチ(ロットNLジャンボ)がまた一歩総合優勝へと前進した。
そのログリッチの対抗馬として名乗りを上げたのがステージ優勝を果たしたバーナル、このステージトップタイムを計測すると、そのまま総合でも2位へとジャンプアップし唯一ログリッチに肉薄している。
そのバーナルのチームメイトでもあり、今大会のエースと目されていたゲラント・トーマス(チームスカイ)だったが、このステージで大失速、大きく順位を落として総合争いから脱落した。もう一人の優勝候補だったリッチー・ポート(BMC)は何とかステージ3位のタイムを計測、それにより総合でも3位へとジャンプアップを果たした。
「コーチは他の選手のことなど一切気にするなって言ったんだ。その通り自分のペースだけ意識して走り続けたよ。明日から何とか頑張ってみるよ。どこまでできるかはわからないけどやることはやらないとね。」バーナルは明日からのステージに集中して挑むことを語った。
トール・ド・ロマンディ第3ステージ
1位 イーガン・バーナル(チームスカイ) 25’10”
2位 プリモズ・ログリッチ(ロットNLジャンボ) +04”
3位 リッチー・ポート(BMC) +18”
4位 スティーブン・クライズワイク(ロットNLジャンボ) +48”
5位 ルイ・コスタ(UAEチームエミレーツ) +1’06”
ツール・ド・ロマンディ総合順位
1位 プリモズ・ログリッチ(ロットNLジャンボ) 8h39’39”
2位 イーガン・バーナル(チームスカイ) +06”
3位 リッチー・ポート(BMC) +27”
4位 スティーブン・クライズワイク(ロットNLジャンボ) +1’02”
5位 ルイ・コスタ(UAEチームエミレーツ) +1’17”
H.Moulinette