ツール・ド・ロマンディ・プロローグ&第1ステージ:オープニングTTを制したのはマシューズ!第1ステージはフライレが勝利!絶好調ログリッチが早くも総合首位に
ジロ・デ・イタリア前最後のメジャータイトルステージレースとなるツール・ド・ロマンディが今年も開幕した。顔ぶれはメジャーどころが少なく寂しい感じもするが、例年激しいバトルが繰り広げられるこの大会は見所十分だ。そんな開幕オープニングプロローグ個人TTを制したのはマイケル・マシューズ(チームサンウェブ)、移籍後まだ勝利量産できてはいない男が、スプリントではなく個人TTで魅せた。そして第1ステージはチーム自体がいまだに継続危機にさらされているアスタナ、ここへきて先週のツール・ド・アルプスで勝利を量産したが、その勢いのままにこの第1ステージでもオマール・フライレ(アスタナ)がスプリント勝利をもぎ取った。
オープニングのプロローグで誰よりも長く暫定1位の選手が座るホットシートに座り続けたのは、誰も予想すらしていなかったトム・ボーリ(BMC)だった。わずか4kmの個人TTは多くの選手にチャンスがあるステージではあるが、やはりTTスペシャリストの勝利が予想されていた。そんな中で最後にほんの1秒差でマシューズにこそステージ勝利は奪われたものの、ボーリの活躍はチームメイトでもあり、このステージ4位に入ったローハン・デニス(BMC)にとってもうれしい誤算だったようだ。ステージ3位には絶好調男の元スキージャンプ金メダリストのプリモズ・ログリッチ(ロットNLジャンボ)が入った。
「正直勝利には驚いたよ。クラシックを狙っていたんだけど、先週のリエージュでもさっぱりだったからね。正直脚の調子もわかんなかったけど、できるだけのことをやろうと思った結果がこの勝利だよ。」マシューズは期待外れに終わったクラシックから一転、キッチリと勝利をつかんで見せた。
ツール・ド・ロマンディ・プロローグ
1位 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ) 05’33”
2位 トム・ボーリ(BMC) +01”
3位 プリモズ・ログリッチ(ロットNLジャンボ)
4位 ローハン・デニス(BMC)
5位 ヴィクター・カンペナーツ(ロット・ソウダル) +05”
本格的ロードステージ最初の第1ステージ、残り10.8kmで総合優勝を狙うダニエル・マーティン(UAEチームエミレーツ)が動く。あっさりと逃げの最後の二人を捉えるが、結局この動きも捉えられ、集団は徐々に人数を減らしていくと、そのまま総合を狙うメンバーが先頭に集まり、心理戦が始まる。そして迎えたゴール勝負、最終コーナーを立ち上がった瞬間にフライレは仕掛けた。最終局面で勝利を確信しかけていたソニー・コルブレッリ(バーレーン・メリダ)の背後に控えていたフライレがタイミングよく飛び出すと、これを見てコルブレッリも加速、サイド・バイ・サイドの激戦スプリントとなる。そして最後に笑ったのは、勝利に対してより貪欲なアスタナのフライレだった。
「勝ててよかったよ~。クラシックで全くいいところなくて、正直気分”どよ~ん”としてたんだけど、今日はすべてがうまくいったね。チームとしての動きが全て噛み合ったよ。上りをこなした後でも人数を残していたし、チームメイトが最高のアシストをしてくれたよ。チームメイトがとにかくアタックを潰しまくってくれたし、最後はコルブレッリが一番強いだろうと思ってその後ろに息を潜めていたんだよ。」フライレは得意げに語った。
このステージの結果、ログリッチが早くも総合首位に躍り出た。自ら総合系への可能性を常々口にしており、「最強の選手になりたい」と語っている男が、有言実行、その可能性を自ら示し始めている。
ツール・ド・ロマンディ第1ステージ
1位 オマール・フライレ(アスタナ) 4h03’42”
2位 ソニー・コルブレッリ(バーレーン・メリダ)
3位 ルイ・コスタ(UAEチームエミレーツ)
4位 ルディー・モラード(グルーパマFDJ)
5位 ゴルカ・イザギーレ(バーレーン・メリダ)
ツール・ド・ロマンディ総合順位
1位 プリモズ・ログリッチ(ロットNLジャンボ) 4h09’16”
2位 ローハン・デニス(BMC)
3位 ゲラント・トーマス(チームスカイ) +04”
4位 ディエゴ・ローザ(チームスカイ) +05”
5位 ピエール・ラトゥール(AG2R)
H.Moulinette