リエージュ・バストーニュ・リエージュ2018:クイックステップ・フロアーズまたしても躍動!モニュメントを制したのは今度はユンゲルス!チームはこれで早くもシーズン27勝目!


©Tim D Waele
個性派集団の勢いが止まらない。フランダースクラシックで多くの勝利を挙げてきたが、このアルデンヌクラシックでもその好調さは止まらず、前戦のフレッシュ・ワロンヌでのジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・フロアーズ)の勝利に引き続き、今度はボブ・ユンゲルス(クイックステップ・フロアーズ)が勝利を果たした。これでチームは今シーズン27勝となったが、変幻自在のこのチームは常に新しい顔が勝利を獲得、手札の多さとチームワークはライバルチームを圧倒、今シーズン一体このチームは何勝あげるのだろう。

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ライバルたち皆が注目していたのはジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ)、フレッシュ・ワロンヌからの連覇を狙っていると思われたこの男へのマークが、それ以外のクイックステップの選手たちへのマークを手薄にさせた。残り20km強でフィリップ・ジルベール(クイックステップ・フロアーズ)がまず揺さぶりをかける。これにはヴィンチェンツォ・ニーバリ(バーレーン・メリダ)らが反応、すると今度はセルジオ・エナオ(チームスカイ)、ヤコブ・フグルサング(アスタナ)、マイケル・ウッズ(EFエデュケーション・ファーストドラパックp/bキャノンデール)とユンゲルスが飛び出していく。しかしこの攻撃もあっさりと掴まってしまったが、その瞬間残り19kmでユンゲルスが抜け出すと、さすがに脚を使いたくないライバルたちはここでお見舞い状態となり、独走を許してしまう。

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集団の中にはアラフィリップがまだおり、各選手このユンゲルスの逃げが最後まで続くことはなく、捉えることができるのだという皮算用が働いた。他のチームであれば、アシストが抜け出してもその考えでいいのかもしれないが、「誰もがエース」を掲げるクイックステップ・フロアーズでは、この瞬間にユンゲルスがエースとなり、アラフィリップがアシストとなっていたのだ。一気に広がる後続との差、あっという間にその差は1分近くまで広がっていく。独走力のある大柄なユンゲルスに対して、後続集団からはイェーレ・ファネンデール(ロット・ソウダル)が飛び出していくが、それ以外の選手たちは相変わらず脚を使おうとしない。

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ファネンデールは最後のセント二コラの上りで一気にその差を詰め20秒差にまで迫る。しかし頂上を超え下りに入っていくと、再びユンゲルスがその速さを爆発させた。これで勝負あり、最後は37秒もの差をつけてユンゲルスが独走勝利、自身モニュメント2勝目を飾った。
「最後まで僕の独走力が活きたね。セント二コラの上りがあるのがわかっていたから、独走になってからはペース配分には気を付けたんだ。あまりにもプッシュしすぎないようにしたんだけど、もしかして捉えられるんじゃないか、というドキドキ感は常にあったよ。残り1kmからは長かったね最後のカーブを曲がり、後続を確認してようやく勝利を確信したよ。」ユンゲルスは流ちょうに語った。

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2位争いは終盤に飛び出したウッズがロメイン・バルデ(AG2R)を振り切ってみせた。チームにとってもこの表彰台獲得は大きく、また3位には終わったがグランツールライダーのバルデにとってもクラシックでのこの結果は次につながる大きな一歩となりそうだ。
そして4位争いの先頭はアラフィリップが満面の笑みでチームスポンサー名を指しながらゴール、このチームの層の厚さと選手たちの協調体制というチームワークの徹底を改めて感じさせた。
この大会でも勝利を狙い、エディ・メルクス以来のクラシック10勝を狙っていたアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)だったが、ハイペースな展開、そして何度となく積極的な揺さぶりを仕掛けたことなどが影響して終盤に足がつり失速、トップ10にも入ることができなかった。

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リエージュ・バストーニュ・リエージュ2018
優勝 ボブ・ユンゲルス(クイックステップ・フロアーズ) 6h24’34”
2位 マイケル・ウッズ(EFエデュケーション・ファーストドラパック) +37”
3位 ロメイン・バルデ(AG2R)
4位 ジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・フロアーズ) +39”
5位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(バーレーン・メリダ)
6位 エンリコ・ガスパロット(バーレーン・メリダ)
7位 ダビデ・フォルモロ(ボーラ・ハンスグロエ)
8位 ロマン・クロイツィゲル(ミッチェルトン・スコット)
9位 セルジオ・エナオ(チームスカイ)
10位 ヤコブ・フグルサング(アスタナ)
H.Moulinette