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©Tim D.Waele

クラシック最大級のレースはモニュメントと呼ばれ、誰もが喉から手が出るほど欲しがるタイトルだ。そんなロンド・ファン・フランデーレンで圧倒的な存在感を見せたのはまたしても個性派集団クイックステップ・フロアーズだった。最終局面に人数を送り込むことでレース自体を支配、ライバルたちを自由にさせず自分たちのペースに引き込んでいった。そしていつもながらの「誰で勝負するかわからない」状態を作り出しライバルたちを翻弄、そこから仕掛けたテルプストラが見事な独走力を披露し、テルプストラ自身パリ～ルーベに次ぐモニュメント制覇、そしてチームは今シーズン21勝目を挙げた。

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この日のレースは激しく動き続けた。序盤は雨が降り、選手たちは丘や石畳のみならず寒さや滑りやすい路面に気を遣わねばならない展開、しかしそんな中でも人数が減っていくと、この日の勝負に絡める人数が見えてきた。ヴィンチェンツォ・ニーバリ（バーレーン・メリダ）、世界チャンピオンのピーター・サガン（ボーラ・ハンスグロエ）、グレッグ・ヴァン・アーヴェルマート（BMC）、セップ・ファンマルケ（EFエデュケーション・ファーストドラパックp/bキャノンデール）、オリビエ・ナーセン（AG2R）ら各チームの有力勢に交じり、クイックステップ・フロアーズはフィリップ・ジルベール、ゼネク・スティバー、ニキ・テルプストラ、イブ・ランパートの4人を送り込んだ。

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残り27㎞、先行する3名を追いかけるようにアタックを決めたのはニーバリ、そしてそれに反応したのがテルプストラだった。それまでにお互い揺さぶりをかけていた選手たちだったが、この二人の飛び出しには対処できず、あっという間に差が広がっていく。しかし舗装路区間の上りでテルプストラはさらにギアを上げ、なんとニーバリを置き去りにしてしまう。残りの距離を考えれば独走は通常であれば不利な状況だが、メイン集団のスティバーとジルベールが常時目を光らせているため、誰も不用意に追走のアタックを仕掛けられない。アタックを仕掛ければ潰され、また自分だけが脚を消耗することになるとあり、協調性を得られない面々とテルプストラとの差はどんどんと広がっていく。

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その間にもテルプストラは先行していたオウデ・クワレモントの勝負所で逃げを捉えるとあっという間に置き去りにしてしまう。しかしそれでも逃げの一人マッズ・ペデルセン（トレック・セガフレド）は意地の走りで何とかテルプストラとの距離を一定に保つ。テルプストラは最後のパテルベルグの石畳の上りでも貫禄の走りで独走勝利を確実なものにする。

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その背後では残り13㎞でサガンがライバルたちを振り切り一度は単独3位となるが、結局単独でのジャンプアップは難しく後続の集団に飲み込まれてしまう。近くて遠い背中、直線では視野に捉えられるのに遠い背中は、最後まで誰にも追いつかれることなくガッツポーズ、テルプストラが余裕でガッツポーズを決めた。ペデルセンが最後まで踏ん張り殊勲の2位を確保、そして勝利を逃した面々からはジルベールが飛び出し3位表彰台を確保、ゴールではチームロゴを強調しチームワークをアピールした。これでクイックステップはこれでここ数週間にベルギー行われた8レース中7レースを制覇、圧倒的な強さを見せている。

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「子供のころからパリ～ルーベとツアー・オブ・フランダース（ロンド・ファン・フランデーレン）は夢だったんだよ！これで両方とも勝つことができたよ！このためにどれだけのことを積みあがてきたか！これでベルギーファンの心をわしづかみにできたかな？振り返って勝利を確信したとき、頭の中が真っ白になったよ。僕はスプリンターじゃないから、勝つにはこの方法しかなかったんだよ。」テルプストラは満面の笑みで語った。

一方でチームワークに屈し6位に終わったサガンは、「皆がチームの垣根を超えて、目を覚まして手を取り合わなければクイックステップには勝てない。あれだけ攻撃バリエーションを持たれたら、一人じゃ太刀打ちできないよ」とため息交じりに語った。

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また今シーズン本格的にロードに挑戦している現シクロクロス世界チャンピオンのワウト・ファン・アールト（ヴェランダズ・ウィレムス・クレラン）はこのレースでも随所にらしい動きを見せ、積極的なレースを見せた。勝利こそならなかったがまたしてもトップクラスのクラシックライダーの交じり一桁の9位、近く間違いなく一流の仲間入りを果たしそうな雰囲気を醸し出している。

圧倒的な強さを見せているクイックステップ・フロアーズ、絶対的なグランツールライダーが不在な代わり、徹底してクラシックやステージを狙うというやり方の有効性を明確に示している。

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ロンド・ファン・フランデーレン
優勝　ニキ・テルプストラ（クイックステップ・フロアーズ）　　　6h21’25”
2位　マッズ・ペデルセン（トレック・セガフレド）　　　+12”
3位　フィリップ・ジルベール（クイックステップ・フロアーズ）　　　+17”
4位　ミカエル・ヴァルグレン（アスタナ）　　　+20”
5位　グレッグ・ヴァン・アーヴェルマート（BMC）　　　+25”
6位　ピーター・サガン（ボーラ・ハンスグロエ）
7位　ジャスパー・ストゥーヴェン（トレック・セガフレド）
8位　ティス・ベノート（ロット・ソウダル）
9位　ワウト・ファン・アールト（ヴェランダズ・ウィレムス・クレラン）
10位　ゼネク・スティバー（クイックステップ・フロアーズ）

H.Moulinette