日本が注目しない日本のチーム、インタープロ・ストラダリが国外UCIレースで存在感と結果、さらには昨年度までロットNLジャンボ所属の23歳のフェルミューレンが緊急加入!

日本というのは外国への憧れを示す割には、国内で「外国」が結果を残すことにアレルギーがあるようだ。インタープロ・ストラダリは日仏サイクリング協会からスタートし、アマチュアチームながら2016年度には国内JBCFでプロチームに割って入り総合5位を獲得した。そして「世界に通用する日本人選手を育成するためには、日本のレースでは不十分、海外で語学と実戦の経験を積ませなければならない」というテーマを掲げ、コンチネンタルチーム登録を果たすと、今シーズンはUCIアフリカ、UCIヨーロッパ、UCIアメリカ、UCIアジアという4大陸でのレースに出場、中にはツアー・オブ・ノルウェイのようなビッグレースへも出場を決めており、ワールドツアーの選手たちに挑戦する機会を得ている。また日本人選手のみならず世界の若手選手をワールドツアーチームへと送り込もうというもう一つの目標も掲げており、着実にその歩みを進めている。

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そんなチームへの国内での注目度はすこぶる低い。監督以下スタッフは外国人ではあるが、オーナーを含め、長く日本に居住しており、またチームには日本人選手も多く所属するのだが注目の低さのみならず風当たりも強い。このような閉鎖的な輪界こそが、「世界に通用する日本人選手」を輩出できない要因の一つにもなっているのだろう。
そんな逆風もどこ吹く風、インタープロ・ストラダリは着実に結果を残している。UCIアジアのUAEのレースで開幕を迎えると、まずはシャールジャ・ツアーに出場の最初のロードステージから逃げを見せケヴィン・レヴィ・アイクランドが山岳賞ジャージを獲得するなど、結果を残した。その後のワールドツアーチームも出場するヘラルド・サン・ツアーでも逃げに乗るなどその存在感を見せつけ、チームとして好調な滑り出しを見せた。また先日行われたニュージーランドのLe Raceではダニエル・ホワイトハウスが見事に勝利を上げて見せた。

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そしてこれからはUCIヨーロッパツアーを主戦場にしていくが、ここへきて大きな戦力が緊急加入することとなった。昨シーズンまでワールドツアーのロットNLジャンボに所属していた23歳のアレクセイ・フェルミューレンが、プロコンチネンタルや様々な選択肢の中で、自らの新天地としてあえてコンチネンタルのインタープロ・ストラダリを選んだのだ。その理由はそのレースカレンダーだ。プロコンチネンタルのカレンダーよりもよりワールドツアーに近い、と言えるほどに充実したそのカレンダーに、アメリカ期待の若手が自らの可能性を賭けたのだ。

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アレクセイ・フェルミューレンはクライマーとして有能なだけではなく、TTでも速いオールラウンダーだ。2016年度は全米選手権の個人TTで3位、そして2017年度は全米選手権ロードで3位と結果を出している。旬な新加入のワールドツアーレベルの選手は、若い国内外の選手が多いインタープロ・ストラダリにとって大きな刺激となるだろう。
今シーズン世界の大舞台へ挑戦することで、若手選手たちは自らが置かれた立ち位置を嫌というほど痛感することになるだろう。しかしそれは飛躍には必要不可欠な通過点でもある。世界と戦うために世界へ出るというスタンダードを定着させるためにもインタープロ・ストラダリの担っているの役割は大きい。今シーズンどこまで活躍することができるか、新加入のフェルミューレン活躍も含めて楽しみだ。チームは、先日の24日のUCIヨーロッパツアー、クラシック・ロワール・アトランティックからヨーロッパでのレースを本格化させている。
H.Moulinette