ブエルタ・ア・エスパーニャ第8st:絶対的王者ポガチャルがまさかの落車リタイア!何でもない平坦ステージで鎖骨と脊椎骨折、これでマスが総合リーダーに、コカードがスプリント勝利
なんでもない一日が突如として悲劇に見舞われることがある。出場してきたすべてのグランツールで完走をしてきた歴代最強の男、タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)にまさかの展開が待っていた。残り32.5㎞、中間スプリントを超えたばかりのメイン集団で落車が発生した。上空からの映像ではポガチャルが最初に左側へと倒れこむ形でほかの選手を巻き添えにして落車となった。その際ポガチャルは顔面と左肩から路面に叩きつけられた。しばらくメディカルスタッフがチェックをした後、再び走り出そうと動き出したが、ポガチャルは顔をしかめ首を横に振った。すぐさま診断を受けた結果、左肩の脱臼と鎖骨骨折、第7頸椎骨折、脳震盪、裂傷とかなりの重症となっている。また脳震盪を起こしているために、すぐに鎖骨の手術が行えずに経過観察となっている。

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これでポガチャルのブエルタ総合優勝の夢が潰えるとともに、世界選手権3連覇の夢にも黄色信号がともる形となった。代わりに総合リーダーに立ったエンリック・マス(モビスター)は、ポガチャルへの敬意を表し総合リーダージャージのマイヨ・ロホを着用することを拒否、壇上で手にジャージを持っての表彰となった。

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そんなステージはポガチャルの落車で選手たちは一時自主的にニュートラル化したが、そこから山頂を超えスプリント勝負へと向かっていく。そして最後はスプリント勝負で34歳のベテラン、ブライアン・コカード(コフィディス)がマッズ・ピーダースン(リドル・トレック))を僅差で制してチームに貴重な勝利をもたらした。今大会素手の2勝を挙げていたマシュー・ブレナン(ヴィズマ・リース・ア・バイク)だったが、この日は戦略が全くはまらずに失速、ステージ10位に沈んだ。
第8ステージは平坦ステージ、スプリンターたちによる共演が予想された。171㎞のステージの唯一の難関は後半に控える小さな3級山岳の丘だけだ。当然スタート直後にアタックがあり、シヌエ・フェルナンデス(ブルゴス・バーペレットBH)がただ一人の逃げとなる。
序盤にはプリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)も落車を喫するが問題なく隊列に復帰する。その間にもフェルナンデスはその差をぐんぐんと広げ最大で6分近くまでその差は広がっていく。しかし一人での走りは限界があり、残り38㎞でその単独走は終わりを迎えた。こうなればポイント賞ジャージを着用するワウト・ファン・アールト(ヴィズマ・リースアバイク)が予定通り中間スプリントできっちりとポイントを積み重ねる、さらにゴール勝負へと向かっていく。

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だがここでポガチャルが落車、立ち上がれないポガチャルは苦悶の表情を浮かべる。しばしメディカルスタッフによる確認が行われた後、サイクリストの本能でもう一度自転車に手を掛けたがここで痛みをこらえきれず首を横に振った。左腕が動かないというジェスチャーを見せ、そのまま救急車へと乗り込んだ。
ファン・アールトが先頭に立ちレースをニュートラル化したが、ポガチャルのリタイアが確認されるとレースはようやく息を吹きかえす。そしてアタックを号砲にレッドブル・ボーラ・ハンスグロエ、ヴィズマ・リースアバイクらが主導権争いを始めペースが上がる。するとまたしても落車が発生するが、集団のペースはこれでは落ちることはなかった。そしていつも通りヴィズマ・リースアバイクのクリストフ・ラポルトとファン・アールトがトレインを形成してブレナンの為に主導権を握ったが、その背後にブレナンの姿が見えない。大きく位置取りに失敗したブレナンは結局前方を遮る10名以上の選手たちに進路をふさがれたままスプリントが開始された。
この日はまたしてもここで大落車が発生、伝播するかのようにこの日何度となく発生した落車で数多くの選手たちが路面に叩きつけられることとなった。難を逃れた前方の選手たちによるスプリントではピーダースンとヨルディ・ミーウス(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)の一騎打ちとなるかに思われたが、ど真ん中を突き抜けたコカードが自身グランツール初勝利を挙げた。

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ブライアン・コカード(ステージ1位)
「自信はなかったよ。でもプレッシャーはあったね。人生で勝利できそうな瞬間なんて数知れているからね。でも昨日逃げに乗っていい感じに脚が回っていたんで調子がいいことは分かっていたんだ。」
第8ステージ順位
1位 ブライアン・コカード(コフィディス) 3h47’06”
2位 マッズ・ピーダースン(リドル・トレック)
3位 ヨルディ・ミーウス(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)
4位 ベン・ターナー(ネットカンパニー・イネオス)
5位 ヨルダン・ラブロッス(デカスロンCMA・CGM)
6位 アレッサンドロ・ロメル(XDSアスタナ)
7位 バスティアン・トロンション(グルーパマFDJユナイテッド)
8位 ユーゴ・ホフステッター(NSNサイクリング)
9位 オールイ・アウラール(モビスター)
10位 マシュー・ブレナン(ヴィズマ・リース・ア・バイク)
ブエルタ・ア・エスパーニャ)総合順位
1位 エンリック・マス(モビスター) 23h23’33”
2位 プリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ) +1’00”
3位 フェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM) +1’11
4位 セップ・クス(ヴィズマ・リースアバイク) +2’15”
5位 オスカル・オンリー(ネットカンパニー・イネオス) +2’16”
6位 リチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト) +2’22”
7位 マティアス・スケルモース(リドル・トレック) +3’25”
8位 ハロルド・テハダ(XDSアスタナ) +3’56”
9位 グレゴール・ミュールベルガー(デカスロンCMA・CGM) +5’39”
10位 ヤコブ・オムルツェル(バーレーン・ヴィクトリアス) +6’04”
H.Moulinette












