ブエルタ・ア・エスパーニャ第9st:新マイヨ・ロホのマスが自力でライバルたちを粉砕!オンリーとの山頂スプリントを制しステージ優勝!デカスロンCMA・CGMとガルは1日中攻撃も実らず
昨日ポガチャルのリタイアで、表彰台で総合リーダージャージを着用するのを拒んだエンリック・マス(モビスター)、この日はポガチャルへの思いと敬意を背負い快心の走りを見せた。頂上決戦で攻め抜いたデカスロンCMA・CGMと総合3位のフェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM)の攻めを耐え抜くと、残り3㎞で満を持してアタックを仕掛けた。それに反応できたのは総合5位のオスカル・オンリー(ネットカンパニー・イネオス)だった。さらにそこに残り2㎞ではプリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)までも合流する。だが残り1㎞を前にマスが再度ペースアップを図るとログリッチは脱落、マスとオンリーの一騎打ちとなった。

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だがこの日最強であることを示したのはマイヨ・ロホを着用したマスだった。オンリーに先頭を譲ることなく最後はガッツポーズでブエルタ通算2勝目、通算7勝目を挙げた。過去3祖総合2位、1度総合3位と結果は残してきているが、その頂点に立ったことはない。この勝利でライバル達との差を広げたが、まだこの先に苦手な個人TTがあるだけにこれからのステージでも積極的に攻める姿勢を見せてくれそうだ。オンリーはステージ2位で総合4位へとジャンプアップ、さらにTTが得意でブエルタ総合通算5勝目を狙うログリッチはステージ3位ながらも大きなタイムロスなく総合2位をキープしており、ポガチャルがいない今史上最多の5度目の総合優勝へ向け視界が開けてきた。これでますます総合優勝争いは一気に混沌とした様相を呈してきた。
総獲得標高が5000m越えの第9ステージは間違いなく前半戦のカギとなるステージだ。もしポガチャルがいればこのステージで間違いなく仕掛けていたであろうが、ポガチャルがいなくなったことで各チーム総合優勝というものが初めて視野に入ってきた。「このステージが新たなブエルタの始まり」と呼ぶだけに一気に各チームの戦略がアップデートされる形となった。中でもデカスロンCMA・CGMとモビスターにとっては千載一遇のチャンス、このステージでも両チームは積極的かつ献身的な集団コントロールでエースをアシストした。

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だが序盤からにかけての主役はUAEチームエミレーツXRGだった。ジロ・デ・イタリアでもエース離脱の後はステージ優勝争いに焦点を定めて勝利を量産したが、このステージでもチームは明確にステージ勝利狙いへとシフト、このステージではパヴェル・シヴァコフ(UAEチームエミレーツXRG)がその役割を担いワウト・ファン・アールト(ヴィズマ・リースアバイク)、サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス)らととも逃げを形成する。そこにさらに選手たちが次々と合流し、先頭集団は15名まで膨らんだ。
メイン集団ではモビスターが集団をコントロール、昨日まではUAEチームエミレーツXRGと攻めの姿勢を見せるデカスロンCMA・CGMが中心となっていたが、モビスターは初めて総合リーダーを要するチームとして今大会主導権を握ることとなった。そしてその後はデカスロンCMA・CGMがいつも通り主導権を握り、ペースを上げライバルチームを削りにかかる。

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そのころ先頭では逃げから抜け出したシヴァコフとアレッサンドロ・ロメロ(XDSアスタナ)、マーセル・カンプルービ(ピナレロQ36.5)がゴールまでの山頂バトルへ突入、先頭争いを繰り広げる。残り14㎞、メイン集団はデカスロンCMA・CGMの攻撃的な姿勢のまま3分半の差を詰めるべくこちらも最終山岳へと突入していった。
先頭では残り10㎞でシヴァコフが独走態勢となり、自身初のグランツール勝利を目指して踏み続ける。メイン集団ではデカスロンCMA・CGMが怒涛のペースアップで、あっという間に選手たちが絞られていく。総合上位勢が軒並み顔をそろえる中、満を持して残り6.9㎞でガルがアタック、これによる総合4位のセップ・クス(ヴィズマ・リースアバイク)が脱落してしまう。マス、総合2位のプリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)、総合5位のオスカル・オンリー(ネットカンパニー・イネオス)、総合6位のリチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト)らに加え、成長著しいヤルノ・ウィダー(ロット・インターマルシェ)もこの動きについていく。

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そしてここからマスが残り4.8㎞でアタック、オンリーがついていく。そしてシヴァコフの単独走は残り4.5㎞に終了するが、その背後からカラパズ、ログリッチ、ガルらが追走しマスのアタックは一度は収束する。ガルもそこからタックを仕掛けるが、これはマスらに対応されてしまう。するとマスは残り3.2㎞で再びアタック、オンリーがまたしてもついていく。今回はこれが決まり二人はそのままどんどんと差を広げていく。その背後ではログリッチとウィダーが追走を仕掛け、残り2㎞ではログリッチが遂にマスらに合流を果たす。だがログリッチはマスのペースアップについていけずに残り1㎞を前に遅れてしまう。最後はマスとオンリーの一騎打ちとなったが、モチベーション高く挑んだマスの前にオンリーは一歩及ばなかった。

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エンリック・マス(ステージ1位、総合1位)
「今日はチームは100点の走りだよ。最高のアシストをしてくれたよ。あとチームディレクターにも感謝しかないね。他の有力選手たちの走りを分析してくれて、何をすべきかを的確に指示してくれたんだ。僕は石橋を叩いて渡るタイプだし、いろいろと状況が味方してくれないことも多かった。でも今は間違いなく人生で一番調子がいいと断言できるよ。そしてこの勝利も今までの中で間違いなくベスト勝利の一つだよ。前回総合2位になった2018年の勝利に匹敵するね。」
「正直ポガチャルがいない中でこのジャージ(マイヨ・ロホ)に相応しいのかどうかは僕にはわからない。でも誇りには思うよ。今朝もチームとそのことをたくさん話したんだ。ポガチャルはリタイアしたのは本当に心底残念だったし、彼が世界最強であることは揺るぎようのないことなんだ。でもようやく吹っ切れて自分が何をすべきかが見えたよ。そしてポガチャルのこともさらに理解できたよ。このジャージは翼を授けてくれたよ(笑)。」
第9ステージ順位
1位 エンリック・マス(モビスター) 5h10’40”
2位 オスカル・オンリー(ネットカンパニー・イネオス)
3位 プリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ) +12”
4位 フェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM) +18”
5位 クリスチャン・ロドリゲス(XDSアスタナ) +20”
6位 マティアス・スケルモース(リドル・トレック)
7位 ヤルノ・ウィダー(ロット・インターマルシェ) +25”
8位 ハロルド・テハダ(XDSアスタナ) +33”
9位 リチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト) +54”
10位 マサンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス) +1’41”
ブエルタ・ア・エスパーニャ)総合順位
1位 エンリック・マス(モビスター) 28h34’03
2位 プリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ) +1’18”
3位 フェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM) +1’39”
4位 オスカル・オンリー(ネットカンパニー・イネオス) +2’20”
5位 リチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト) +3’26”
6位 マティアス・スケルモース(リドル・トレック) +3’55”
7位 セップ・クス(ヴィズマ・リースアバイク) +4’09”
8位 ハロルド・テハダ(XDSアスタナ) +4’39”
9位 グレゴール・ミュールベルガー(デカスロンCMA・CGM) +7’33”
10位 ヤコブ・オムルツェル(バーレーン・ヴィクトリアス) +8’05”
H.Moulinette












