ストラーデ・ビアンケ2026:白の悪魔を3連覇史上初の4度目の勝利!ポガチャルが今年も恒例の独走勝利を十八番の長距離独走で決める、2位には19歳フランス期待の星セクサス

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©Strade Bianche

強さの継続というのは簡単なことではない。毎年歳を重ねていく中で、新たな勢力の台頭や様々な対策をとってくるライバル選手とライバルチームを相手に結果を残し続けるには、才能だけではなく徹底したコンディションづくりが必要となる。今シーズンの初レースを得意のクラシックレースに定めた世界チャンピオン、史上最強のタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)はそれを難なく遂行、昨年何度も見せた長距離逃げを今年も発動、そしてそのままゴールまで80㎞近くを独走し続け見事「白い悪魔」ストラーデ・ビアンケを3連覇して見せた。これでこの大会通算で4勝目となり、通算3勝で並んでいたファビアン・カンチェラーラを抜いて勝利数単独トップに躍り出た。

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レースは序盤から逃げが当然のように発生、メイン集団とのタイム差は最大で2分にまで広がった。しかしここからUAEチームエミレーツが集団のペースをコントロールし、これ以上タイム差が開かないようにするとともに、ライバルチームに攻撃のタイミングをする隙を与えない。レースが大きく動いたのは残り82㎞、長丁場の未舗装路の上りでヤン・クリステン(UAEチームエミレーツXRG)が猛烈なペースアップを見せる。これにより一気にメイン集団が分裂し、戦闘はポガチャルを含めた9名にまで絞り込まれる。そしてそのまま続く未舗装路の激坂区間を前にポガチャルがペースを上げると、それに反応したのは昨年度最後まで優勝を争ったトム・ピドコック(ピナレロQ36.5 プロサイクリング)だったが、この日はメカの調子が悪くここで二度目のチェーン脱落を喫してしまう。これにより難なくポガチャルは単独となると、追いすがるポール・セクサス(デカスロンCMA・CGM)とアイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG)との差をジワリと広げていく。

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これに対して追走となったセクサスとデル・トロだったが、そのさらに後方まで順位を落としていたピドコック、ロメイン・グレゴワール(グルーパマFDJユナイテッド)、マッテオ・ヨルゲンセン(ヴィズマ・リースアバイク)がわずかなタイム差で続く。先頭ではポガチャルの一人旅が始まるが、2位争いはここから激化していく。ピドコックらは残り67㎞で先行していた二人をとらえ逃げは5人体制となるが、このさらに後ろではベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)らが猛追をしており、差がどんどんと縮まっていく。するとまずはヒーリーら2人が追走の5人に残り59㎞で合流、そしてそこにさらにワウト・ファン・アールト(ヴィズマ・リース・ア・バイク)らが合流を果たし、2位集団は大きく人数を増やす。

ここから2位集団ではセクサス、ヨルゲンセン、続いてヒーリーと立て続けにアタックを仕掛けるが、それも決定打とはならない。ただこの間もポガチャルとのタイム差は着実に広がっていき、残り45㎞では追走集団は完全にペースが鈍化、ポガチャル追走の動きは沈静化しその差は2分弱にまで広がってしまう。

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そしてポガチャルがこの日二度通過するトロフェオに突入すると、沿道の観衆の熱狂はピークとなる。すると追走2位集団が沿道の観客が走行路を狭める中で突入、その中でピドコックがアタックを仕掛けると、それを追おうとしたヒーリーが沿道の観衆と接触、バランスを崩して数名を巻き添えにしてバランスを崩してしまう。ピドコックはこれにより一時的に単独となるが、セクター通過後に再び2位集団は一つとなる。すると次のセクターでヒーリーがまたもアタックを仕掛ける。ただそこにはポガチャルのアシストとして集団に残るデル・トロがこれをぴたりとマーク、ポガチャルの追走を潰していく。

しかしこの追走集団はその後結局分裂すると、ポガチャルを追う第2追走集団は元通りセクサスとデル・トロの二人となってしまった。その背後にはピドコックら5人がわずか15秒ほどのタイム差で推移し続ける。デル・トロは牽引する理由がないため、ひたすらにセクサスの後ろについていくだけの走りに徹するが、このタイム差が縮まりそうで縮まらない。それだけ19歳のセクサスの走りは素晴らしく、今シーズンの大きな飛躍を感じさせた。186㎝64㎏の大柄ながら線の細い体でこのレースで自らの印象を世界に植え付けて見せた。

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ポガチャルは後ろとの距離を確認しながらペースを調整しつつ独走を続ける。今シーズンも昨シーズンに続いての長距離独走というわかりやすい十八番の勝利の方程式をそのまま継続しているポガチャルは、安定した走りを継続しそのままゴールまで黙々と走り続け、3連覇、史上初4度目のストラーデ・ビアンケの栄光を手にして見せた。本来ゴール前激しい勝負が繰り広げられるために用意されている名物の激坂石畳は、ポガチャルにとってはガッツポーズしながら沿道のファンに応える走るウィニングランを決めた。

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その背後ではセクサスが石畳の激坂で抜け出して単独2位、そしてポガチャルのアシストに徹し追走を抑え続けたデル・トロは3位でゴールを果たした。さらにレース中盤でポガチャルの発射をアシストしたクリステンがその後も粘り続け6位に入った。

タデイ・ポガチャル(優勝):「今日もチームに感謝だよ。チームメイトが後続を抑えてくれているのをわかっていたから、安心して独走ができたよ。僕自身今年最初のレースだったからね、これから今年も日々此れ精進だよ。」

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ポール・セクサス(2位):「今日の目標は表彰台だったんだよ。僕もシクロクロスをやっていたから、今日のコースは走る自信があったんだ。ポガチャルがアタックしたときついて行きたかったんだけどデル・トロがチームプレイで僕をブロックしてそのあとサイド・バイ・サイドで並走したりもしたけど、それでタイム差ができてしまい、あとは彼を従えて自分で差を詰めるしかなかったんだ。ポガチャルは何度も振り返っていて、少し差が縮まったらさらに加速していったよ。彼が圧倒的に強かったんだよ。世界最高の選手とここまでやれたことは自信に繋がるよ。」

トム・ピドコック(7位):「勝負所で2度もチェーンが脱落してしまったよ。ポガチャルがあそこで仕掛けるのはわかっていた肩痛かったよね。でも結果に大きな影響があったとは思わないよ。ただあの瞬間から追走集団内で駆け引きをしなければいけなくなり、レースがつまらなくなってしまったよ。」

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ストラーデ・ビアンケ順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)   4h45’15”
2位 ポール・セクサス(デカスロンCMA・CGM)   +1’00”
3位 アイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG)   +1’09”
4位 ロメイン・グレゴワール(グルーパマFDJユナイテッド)  +2’04”
5位 ジャンニ・フェルメッシュ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)
6位 ヤン・クリステン(UAEチームエミレーツXRG)   +2’07”
7位 トム・ピドコック(ピナレロQ36.5プロサイクリング)   +2’14”
8位 マッテオ・ヨルゲンセン(ヴィズマ・リースアバイク)   +2’20”
9位 アンドレアス・クロン(Uno-Xモビリティ)   +3’46”
10位 ワウト・ファン・アールト(ヴィズマ・リースアバイク)

H.Moulinette