パリ~ニース2026総括:ヴィンゲガードが総合優勝、ツールの頂点奪還に死角なし!山岳2ステージを制し最終ステージも2位で好調な仕上がり、新天地のアユソは総合首位中落車リタイア

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春のクラシックと並行して、今シーズンのグランツールを見据えたヨーロッパステージレースのシーズンも本格的に開幕した。ミニツール・ド・フランスとも言える大会を制したのはツール・ド・フランスの覇権奪還を狙うヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)だった。第4ステージと第5ステージの山岳2連戦を制し総合リーダーに躍り出ると、そのまま最終第8ステージのゴール勝負も繰り広げるなど、好調な仕上がり具合を見せた。
第4ステージでは総合リーダージャージに袖を通しながら不運に見舞われたのがホァン・アユソ(リドル・トレック)だ。昨シーズンオフに自らのグランツール総合エースの座を欲して新天地へと移籍を果たし、心機一転臨んだ今シーズン、第3ステージのチームTTでリドル・トレックが2位に入りそのまま総合リーダージャージを獲得して見せた。しかしよく第4ステージの悪天候の山岳の下りでクラッシュ、そのままリタイアとなった。

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このリタイアで先頭集団はヴィンゲガード対ダニエル・マルチネスを筆頭とする4人のレッドブル・ボーラ・ハンスグロエという1対4という理不尽な状況となる。だがそんな状況さえもはねのけて見せるのが今のヴィンゲガード、ライバルたちを粉砕し独走勝利を決め、ステージ優勝とともに総合リーダージャージも手に入れた。そしてこのステージでステージ2位に入ったDマルチネスは過去にジロ・デ・イタリアで総合2位にも入った実力者、そのまま最終ステージまで総合2位を守り続けた。またこの日ステージ5位で総合3位までジャンプアップを果たしたのがゲオルグ・スタインハウザー(EFエデュケーション・イージーポスト)、ここまで、2024年のジロ・デ・イタリア第17ステージ勝利以外大きな勝利のない男だが、今大会は総合3位と新人賞ジャージを最終的に獲得して見せた。

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この大会第1ステージの集団スプリントを制したのは23歳のルーク・ランパルティ、EFエデュケーション・イージーポストに今シーズン初勝利をもたらすとともに、自らもワールドツアー初勝利とともに、初日の勝者が獲得できる栄光、リーダージャージにもそでを通した。
第2ステージを制したのはマックス・カンター(XDSアスタナ)、28歳の中堅はスプリントを制し勝利、過去大きな勝利がなかっただけに誰もが驚く勝利となった。自身にとってもこのクラスのレースでは初勝利となり昨年度降格争いの崖っぷちから大躍進を遂げたチームの勢いは今年も健在だ。
第3ステージはチームTT、制したのはイネオス・グレナディアすだった。TTスペシャリストのジョシュ・ターリンがほとんどの区間をけん引し続けるパワープレイでリドル・トレックを2.5秒抑えての勝利となった。2位のリドル・トレックの新エースとなったアユソは前日の中間スプリントで獲得した4秒がものを言い、このステージで総合リーダージャージを獲得した。今シーズンからイネオス・グレナディアスに加入したケヴィン・ヴォークランは僅かに届かず総合2位となっている。
第4ステージは悪天候の中のステージとなった。多くの落車が発生し、各チーム有力選手がリタイアとなる中、総合リーダージャージのアユソも例外ではなかった。代わりにステージを圧倒的な実力で制したのはヴィンゲガード、数的不利な状況と悪天候をもろともせず独走態勢を築くと、そのままステージを制し総合リーダーに躍り出た。
第5ステージは連日の山岳となったが、ヴィンゲガードが残り20㎞でアタックを敢行すると、そのまま後続との差をぐんぐんと広げていき、2位に入ったヴァレンティン・パレ・パントレ(そうダル・クイックステップ)に2分以上のタイム差をつけての圧勝となった。これで総合2位のDマルチネスとは3分22秒まで広がり、無双の状況となった。

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第6ステージは最後の山岳ポイントでアタックを決めたハロルド・テハダ(XDSアスタナ)が自身プロ通算2勝目、ワールドツアーでの初勝利を飾った。なかなか勝利はないもののステージレースで実力を発揮するタイプの選手で、毎年コンスタントに総合トップ10入りしているが、今シーズンはUAEツアーでの総合4位に続いてこの大会でも最終的に総合10位を獲得した。
第7ステージは雪で大幅短縮され、わずか47㎞のステージとなった。この変更によりステージはスプリンターたちにチャンスが巡ってくることとなり、完璧なおぜん立てを活かしたドリアン・ゴードン(イネオス・グレナディアス)が新天地へ移籍したビニアム・ギルメイ(MSN)を下して勝利を手にした。
最終第8ステージではまたしてもヴィンゲガードがアタック、これについていけたのはレニー・マルチネス(バーレーン・ヴィクトリアス)のみ、二人は協調して最後まで逃げ切りゴールを目指してのマッチレースとなったがLマルチネスがスプリントを制しヴィンゲガードの今大会3勝目を阻んだ。しかしこの走りで総合3位との差を4分23秒まで広げたヴィンゲガードが総合優勝を確定させた。第6ステージを制したテハダがこのステージでも躍動、追走集団を制してステージ3位となった。総合2位のDマルチネスは落車に見舞われたが、何とか復帰し粘りの走りで総合順位を守り抜いた。

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パリ~ニース総合順位
1位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク) 25h25’11”
2位 ダニエル・マルチネス(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ) +4’23”
3位 ゲオルグ・スタインハウザー(EFエデュケーション・イージーポスト) +6’07”
4位 ケヴィン・ヴォークラン(イネオス・グレナディアス) +6’24”
5位 レニー・マルチネス(バーレーン・ヴィクトリアス) +7’31”
6位 マルク・ソレル(UAEチームエミレーツXRG) +9’09”
7位 イオン・イザギーレ(コフィディス) +9’19”
8位 マシス・ロンデル(チュードル・プロサイクリング) +10’23”
9位 アレックス・バウディン(EFエデュケーション・イージーポスト)) +10’33”
10位 ハロルド・テハダ(XDSアスタナ) +11’40”
H.Moulinette












