ブエルタ・ア・エスパーニャ第21st:抗議デモがゴール地点及びコース途中を占拠しステージはキャンセルに、ヴィンゲガードが総合優勝、アルメイダ、ピドコックが表彰台、内容は濃く面白い大会に
残念ながら最終ステージは親パレスチナの抗議デモがコースをふさぐ形となってしまい、キャンセルとなってしまった。終わり良ければ総て良しとはならず、後味の悪い大会最終日となってしまった。

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そんな大会ではあったが力と力のぶつかり合いは想定以上、その上で総合順位がかなり近い接近戦が続く展開で、想像以上に内容の濃い大会となった。その激しいぶつかり合いは最後の山岳の山頂まで総合表彰台がわからないという熾烈を極めたが、その頂点に立ったのはヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)だった。今大会ステージ3勝をあげたが、タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)とツール・ド・フランスで繰り広げたような圧倒的な強さは発揮できなった。
そのヴィンゲガードを最後まで苦しめ追い詰めたのはジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)だった。チーム戦略として駆け引きなしのハイペース走行を継続し続けたチームは、結果的に今大会21ステージ中7勝(実質19ステージ中7勝)を挙げ、今大会の主役であったことは間違いない。
そしてその二人から遅れはしたが、大きく突き放されはしな勝ったのが、グランツールライダーになりたいと語り、挑戦をしてきたトム・ピドコック(Q36.5プロサイクリング)だった。過去にもグランツールには出場してきたが、本格的に狙ってではなかった。だが今大会は明確にクライマーとしてのトレーニングを積んで、総合争いへと参戦してきた。シクロクロスとMTBで世界チャンピオンになっている男は大舞台でのプレッシャーをはねのけ、見事に総合表彰台に上がって見せた。

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山岳賞を獲得したのはジェイ・ヴァイン(UAEチームエミレーツ)、アルメイダをアシストしながら山岳で3勝(うちチームTT1勝)を挙げ、昨年度に引き続き2年連続の山岳賞ジャージを獲得して見せた。
ポイント賞はステージ1勝に終わったがマッズ・ピーダースン(リドル・トレック)が獲得した。ブエルタのポイント賞争いは総合上位選手が獲得することが多いことから、ピーダースンは積極的に山岳ステージでも逃げて中間スプリントを獲得したことで、ポイント賞を獲得した。ブエルタでのポイント賞獲得は2度目、そして今シーズンはジロ・デ・イタリアでもポイント賞を獲得しており、年間を通して安定した走りを続けた。

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新人賞を獲得したのはマシュー・リッチテロ(イスラエル・プレミアテック)だった。最終山岳ステージの第20ステージで総合表彰台の3人に匹敵する走りを披露し、逆転でジャージを獲得、総合でも5位に入る活躍を見せた。ダークホースにすら名前が挙がっていなかった男が、誰も予想すらできなかった驚きの結果を残して見せた。
チーム総合を獲得したのはUAEチームエミレーツ、今大会ステージ7勝という圧倒的な勝利数と山岳でのチームワークが素晴らしく、組織的な走りが目立つ大会となった。

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ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク) 72h53’57”
2位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ +1’16”
3位 トム・ピドコック(Q36.5プロサイクリング ) +3’11”
4位 ジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラハンスグロエ) +3’41”
5位 マシュー・リッチテロ(イスラエル・プレミアテック) +5’55”
6位 ジュリオ・ペリッツァーリ(レッドブル・ボーラハンスグロエ) +7’23”
7位 セップ・クス(ヴィズマ・リースアバイク) +7’45”
8位 フェリックス・ガル(デカスロンAG2Rラモンディアル) +7’50”
9位 トースタイン・トレーエン(バーレーン・ヴィクトリアス) +9’48”
10位 マッテオ・ヨルゲンセン(ヴィズマ・リースアバイク) +12’16”
山岳賞
ジェイ・ヴァイン(UAEチームエミレーツ)
ポイント賞
マッズ・ピーダースン(リドル・トレック)
新人賞
マシュー・リッチテロ(イスラエル・プレミアテック)
チーム総合
UAEチームエミレーツ
ヨナス・ヴィンゲガード(総合1位)
「総合優勝できたことを誇りに思うよ。僕自身初のブエルタ総合優勝でグランツール3勝目だね。本当にこの3週間はきつかったよ。第一週は好調でステージ2勝を挙げたけど、その後は我慢の走りだったよ。でも最終週になって持ち直すことができたんだ。ボーラ・デル・ムンドでの勝利は本当に最高の満足感を得られたよ。このブエルタの栄冠をそこで確定できたのは、最高の締めくくりだったよ。」
ジョアオ・アルメイダ(総合2位)
「チームの走りを誇りに思うよ。今回僕らはブエルタでベストを尽くして多くの勝利を挙げた。でも決定的に差がつくはずの難関ステージでだれも決定的な差をつけることができなかったのは、珍しいケースだったよね。それどころかそこまで差がつくとは思っていなかったステージが結果的に一番差が開くステージになったんだよね。あの日は確かに僕らは猛プッシュをしていたけどね。それからわかるのは、実際にはコースの難易度が差をつけるのではなく、選手たちの走りで差がつくってことだね。この3週間、チームは本当によくやったと思うよ。」
トム・ピドコック(総合3位)
「今まではグランツールはそんなに楽しいと思ったことがなかったんだ。でもこの総合3位はその考え方を大きく変えるには十分だよ。僕をよく知る人たちが”できる”と言ってくれたこと、そして僕自身も”できる”と思っていたことが現実になったことに、安堵しているよ。ようやく肩の荷が下りた気がするよ。」
Vuelta stars get their podium after all ?
With the official Vuelta a España podium ceremony having been cancelled, teams created their own for the winning riders.
? @vismaleaseabike
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?゚ヌᄌ #LaVuelta25 pic.twitter.com/cxemf47Ks0— Velon CC (@VelonCC) September 14, 2025
H.Moulinette












