世界選手権でアルゼンチン代表が最先端技術投入、3Dプリントされたスチールハンドルと、新素材アロイフレームはカーボンフレームを凌駕するか?

今現在行われている世界選手権グラスゴー大会において、アルゼンチン代表がものすごいバイクを送り込んできた。最先端技術を惜しげもなく導入したフレームは新素材のアロイフレームに加え、正面から見れば唐草文様のような3Dプリントされたスチール製一体型ハンドルバーステムという斬新なものだ。

©Toot
この特殊なバイクを作っているのはイタリアのTOOT エンジニアリング、アルゼンチンチームが使用しているT-RED X23は、T-REDとのコラボモデルとなっている。ただ基本的に開発・製造しているのはTOOTエンジニアリング、ビアンカ・アドバンスト・イノベーション、コンプテック、パヴィア大学内の3Dプロトラブ実験室との共同体となっている。

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今大会で使用されていたフレームは3Dプリントされたアルミのセクションを繋ぎ合わせて作られており、最短で1日もあれば塗装までが完成するとメーカーは語っている。特質すべきは特殊な見た目のハンドルだ。これは3Dプリントされたスチールで作られた巨大な一体型ハンドルバー・ステムだ。エアロ形状のスローピングフレームに、極めて短いトップチューブセクション、そこにこの巨大はエアロハンドルバーステムが取り付けられた形状はUCI公認をきちんととっている。
フィリッポ・ガンナがアワーレコードの世界記録を樹立した際もアルミのフレームが使われており、トラック競技のようにフレームに負荷が著しくかかる競技では、カーボンを超える新素材として、金属系フレームに再び注目が集まっている。これは加工性の良さや強度の両面を兼ね備えているからだ。今回使われているのはスカンジウム、アルミ、マグネシウムの積層構造の合金でこれは7000番台のアルミに代わる素材だ。

©Toot
TOOTのこのフレームは非常に面白いコンセプトのもと作られている。空力の中で発生する揚力を故意に分散させることで、結果として安定したダウンフォースを生み出す構造となっている。また今まで自転車レース界では、「自転車がエアロでも乗る人間の体自体がその空力を邪魔する」と言われてきたが、このフレームでは「乗る人間の体が車で言うところのウィングの役割となる」ことでよりエアロ効果が生み出せるとしている。
出尽くしたかに思われた制約のある中での自転車のデザインだが、新たなテクノロジーがまだまだその可能性を広げてくれそうだ。
H.Moulinette
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