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©La Vuelta

予想外の勝利が起きやすいのもスプリント、予想通りの勝利が起きやすいのもスプリント、では何がその二つを分けるかと言えば、力ではない不可抗力だったりもする。このステージでもゴールが近づくにつれ何度も落車が発生、すると各チーム予定していた隊列が乱れ、又危険回避をしたい総合系チームが入り乱れることで、展開は混とんとしてしまう。更にはコースが右へ左へと展開していくうねったコースもそれに加われば、こういうときほど予想外の勝者が生まれやすくなるのだ。

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そんなステージを制したのはジオフリー・スープ（トータルエナジーズ）、長年スプリンターのアシストとして活躍してきた13年目の35歳の大ベテランは、これまでアフリカのガボンの一つ下のカテゴリーでのレースで3勝しかしておらず、そのうち2勝は同大会での今年のステージ勝利と総合勝利しかなかった男が、まさかの最高峰カテゴリーのレースで、自らも驚きのステージ勝利を挙げて見せた。脂の乗り切ったベテランが、ここへきて誰も予想しえなかった大金星を挙げた。

そしてステージ2位には2019年度マトリックスに所属しツール・ド・熊野で総合優勝を果たしているオールイス・アウラル（カハルーラル・セグロスRGA）だった。日本からステップアップしたベネズエラチャンピオンが、グランツール勝利まであと一歩のところまで上り詰めた。

総合勢はこの日は平坦ステージという事もあり沈黙、だが総合2位のセップ・クス（ユンボ・ヴィズマ）は残り11㎞で発生した落車に巻き込まれるも事なきを得た。また総合11位だったヨナス・ヴィンゲガード（ユンボ・ヴィズマ）がまさかの中間スプリント争いに酸化しボーナスタイムを獲得、これで同タイムながらもエンリック・マス（モビスター）を抜き総合10へとジャンプアップしている。またイネオス・グレナディアスのエース格の一人サイメン・アレンスマンも残り5㎞で激しく落車し、そのままリタイアとなってしまった。

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ブエルタの中ではレアと言える完全平坦ステージは201㎞の長丁場、しかしこの日逃げたのはわずか二人だった。ホセ・エラダ（コフィディス）とアンデル・オカミカ（カハルーラル・セグロスRGA）のデュオは黙々と逃げ続け、集団は時速40㎞ほどのスローペースでそれを追いかける展開が延々と続くこととなる。そしてまずはエラダが脱落し、1人となったオカミカはここから粘りの走りで独走態勢に持ち込むが、それも残り44㎞で終わりを迎えた。

そして一気にスプリントへ向けて集団はその形を整えていく。ステージ最有力のカデン・グローヴス（アルペシン・ドゥクーニンク）は大会3勝目を狙いチームメイトたちに守られ展開していく。残り11㎞、5㎞と立て続けに落車が発生すると、各チーム隊列と戦略の立て直しに迫られるが、残り距離が短いこともあり各チーム選手が入り乱れる状況となるが、アルペシン・ドゥクーニンクだけは常に人数を最前線に残し、グローヴスでの勝利を狙う。

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そして迎えたゴール前、残り400mでコース左側を駆け上がっていくスープに対し、その背後から抜け出し勝利をアウラルだったが、一歩及ばなかった。ステージ3位にはエドワード・テウンス（リドル・トレック）が入り、勝利を狙ったグローヴスは5位に沈んだ。

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ジオフリー・スープ（ステージ1位）：「最終コーナーを回ったら視野が開けたんで、そのままスプリントしたんだよ。でも正直誰も僕の視野に入ってこなくて、あれ？と思ったんだ。僕は実はブエルタには出場予定ではなかったんだけど、チームメイトの代わりに急遽出ることになったんだ。だから勝利なんて夢にも思っていなかったよ。」

ブエルタ・ア・エスパーニャ第7ステージダイジェスト
https://youtu.be/kwerW3m5aHM?si=XgRvM4fpRpytvXwf

ブエルタ・ア・エスパーニャ第7ステージ順位
1位　ジオフリー・スープ（トータルエナジーズ）　　　4h56’29”
2位　オールイス・アウラル（カハルーラル・セグロスRGA）
3位　エドワード・テウンス（リドル・トレック）
4位　セバスチャン・モラーノ（UAEチームエミレーツ）
5位　カデン・グローヴス（アルペシン・ドゥクーニンク）
6位　マレィン・ファン・デン・ベルグ（EFエデュケーション・イージーポスト）
7位　ダビ・ゴンザレス（カハルーラル・セグロスRGA）
8位　ユーゴ・ページ（インターマルシェ・サーカス・ワンティ）
9位　フィリッポ・ガンナ（イネオス・グレナディアス）
10位　マテフ・ゴベカール（バーレーン・ヴィクトリアス）

ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位　レニー・マルティネス（グルーパマFDJ）　　　26h37’04”
2位　セップ・クス（ユンボ・ヴィズマ）　　　+08”
3位　マルク・ソレル（UAEチームエミレーツ）　　　+51”
4位　ワウト・ポエルス（バーレーン・ヴィクトリアス）　　　+1’41”
5位　ステフ・クラス（トータルエナジーズ）　　　+1’48”
6位　ミケル・ランダ（バーレーン・ヴィクトリアス）　　　+1’58”
7位　ジェファーソン・セペダ（カハルーラル・セグロスRGA）　　　+2’06”
8位　ダビ・デ・ラ・クルス（アスタナ・カザフスタン）　　+2’23”
9位　レムコ・エヴァネポエル（ソウダル・クイックステップ）　　+2’47”
10位　ヨナス・ヴィンゲガード（ユンボ・ヴィズマ）　　　+2’50”
11位　エンリック・マス（モビスター）
12位　プリモズ・ログリッチ（ユンボ・ヴィズマ）　　　+2’58”
14位　ホァン・アユソ（UAEチームエミレーツ）　　　+3’06”

H.Moulinette