女子BMXレースを制したのは榊原爽!母の故郷での東京五輪の雪辱果たす!競技中の事故で引退を余儀なくされた兄の夢も背負っての勝利!パリ五輪では日本ゆかりの外国籍選手も躍動
パリ五輪BMXレースを制したのは、オーストラリア代表の榊原爽だった。イギリス人の父と日本人の母を持ち、オーストラリアで生まれ東京都府中市で幼少期を過ごした爽が、念願の五輪金メダルを獲得した。
前回の東京五輪、母の母国でもあり第二の故郷でもある東京でのオリンピックには並々ならぬ思いがあった。しかしその東京五輪を目指す直前のレースで、同じくBMXレースの選手でもある兄、榊原魁がレース中の事故で頭を強打、ドクターヘリで搬送され一命はとりとめたが、選手としての夢を絶たれてしまった。
その痛みと思いを背負って挑んだ東京五輪では、爽も落車してしまい、結果的に4位とメダルには一歩届かなかった。しかしあれから3年、爽は再び世界最高峰の舞台に立った。「私は今でも兄の分も走っている。」そう語る爽は、今大会では兄の魁が付けていた77番のゼッケンを背負い、決勝でスタート直後にトップに立つと、そのまま最後まで先頭を譲ることなく圧勝、念願の金メダルを手にして見せた。
今大会は女子柔道では日本生まれ日本育ちでカナダと日本のハーフ、カナダ代表の出口クリスタと同じく日本生まれ日本育ちの在日韓国人で早稲田大学の許海実が決勝を戦い、それぞれ金と銀を獲得、体操男子では日本の高校を卒業し、一時期社会人チームに所属していたフィリピン代表のカルロス・ユーロが跳馬とゆかで金メダル2冠になるなど、日本にゆかりのある選手たちの活躍も目立っている。更にはスケートボード女子パークでは、銀メダルの開心那に加え、金メダルのアリサ・トルー(オーストラリア)と銅メダルのスカイ・ブラウン(イギリス)の2人も母親が日本のハーフであり、実質日本人の血が流れている人間が表彰台を独占する形となった。いつ何時でも日本というバックボーンがある選手たちの活躍は嬉しいものだ。
H.Moulinette