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今ロードレース界では、シクロクロス出身の選手たちが大活躍を見せている。現在3人のシクロクロス世界チャンピオンがロードレース界におり、そのうちマシュー・ファン・デル・ポエルはロードレースでも現世界チャンピオン、またワウト・ファン・アールト（ヴィズマ・リースアバイク）は東京五輪とパリ五輪で銀（ロード）・銅（個人TT）メダルを獲得、世界選手権でも個人TTとロードで合わせて4つの銀メダルを獲得している。またトム・ピドコック（イネオス・グレナディアス）はロードでも今年クラシックレースのアムステルゴールドレースを制したにとどまらず、MTBでオリンピックで2大会連続の金メダリストだ。

©Tour de pologne

そしてそんなロード界へ新たなシクロクロス界からの刺客が送り込まれ、結果を出し始めた。シクロクロスとロードの2足の草鞋を履いているティボー・ネイス（リドル・トレック）は言わずと知れた伝説のシクロクロッサー、スヴェン・ネイスの息子だ。シクロクロス界の伝説の男は、2度のシクロクロス世界王者に輝いただけでなく、2位2回、3位5回、さらには年間のシリーズ戦でも、世界選手権シリーズでは6度の年間王者で通算50勝、ヨーロッパシリーズでは10度の年間王者、ベルギー国内シリーズでは9度の年間王者とまさに歴代最強というにふさわしい名選手だった。

©Tour de pologne

その血を引き継ぐ息子のティボー・ネイスはシクロクロスではジュニア世界チャンピオン、U-23世界チャンピオンに輝いただけではなく、ヨーロッパ選手権のU-23ロードでもチャンピオンになるなど、その才能を発揮している。そして昨年度から、シクロクロスで所属するバロワーズ・トレック・ライオンズと同じフレーム供給であるリドル・トレックに所属している。昨年はツアー・オブ・ノルウェイで総合優勝を果たすと、今シーズンはすでにツール・ド・ハンガリーで総合優勝を果たし、ツール・ド・スイスとツール・ド・ロマンディでもステージ優勝を果たした。そして今現在開催中のツール・ド・ポローニュでは第1ステージと第3ステージの上りスプリントゴールを制しており、今後間違いなくファン・デル・ポエルやファン・アールト、ピドコックのような選手となりそうだ。まだ20歳と早い段階でロードへも本格的参戦をしているだけに、このまま順調に育てばグランツールなどでもステージ優勝を狙いながらクラシックでも優勝が狙える楽しみな存在となりそうだ。

H.Moulinette