コロナの影響拡大でジロ・デ・イタリアが延期へ、ヘント・ウェヴェレヘムなど春のクラシック続々中止へ、パリ~ニースは短縮へ、出場中のバーレーン・マクラーレンは第6ステージで撤退
恐れていたことが現実となった。あまりにも感染が広がる新型コロナウイルス(COVID19)の影響はレース界に大きな影を落としている。5月スタートのジロ・デ・イタリアは、開催が主催者のRCSにより検討されていたが、それよりも先に今年のスタートであるハンガリーが感染拡大の為にジロのオープニングステージ含む国内でのステージ中止を決定したことにより、RCSは今年のジロのスケジュールを延期せざるを得ない状況となった。
現段階でいつに延期されるかは決まっていないが、イタリア政府が暫定的に全ての隔離を4月3日としていることから、その段階の世界の感染状況を見てそれ以降に次の日程を公表する予定だ。
「ハンガリー国内の感染状況により、ハンガリー政府により国家非常事態が宣言され集客の多いイベント全ての中止が決定した。それにより我々はジロ・デ・イタリア開催を現時点で断念せざるを得ない。今後ハンガリー政府とも密にコンタクトを取り、さらにはイタリア政府と保健省などと交渉を行い、いつならば開催が可能かを模索していく予定だ。サッカーも含めほとんどのイベントが行えない状況だ。年内の再スケジュールは難航するだろう。」RCSは今後のスケジュールが現実的に困難であることを語った。
またヘント・ウェベレヘム、E3ビンクバンククラシックの中止も決まった。春のクラシックの到来を告げるレースのキャンセルは、その後のクラシックレースの開催も危ういという事だろう。ヨーロッパでの感染は急激に拡大を続けており、死者数も増加しているだけに、正直スポーツどころではないというのが現状だ。
さらには現在開催中のパリ~ニースも最終ステージがキャンセルとなり、さらには昨日の第6ステージからバーレーン・マクラーレンが選手たちの安全を考えレースからの撤退をした。
フランスでも感染者と死者が増え続けており、今後はツール・ド・フランスにも間違いなく影響が出ることが予想される。イギリスではサッカーのアーセナル監督の感染が発覚、スペインもサッカーの名門バルセロナが無期限活動停止、さらには国家非常事態を宣言、NBA(バスケットボール)でも感染者が出てシーズンが中断、メジャーリーグ(野球)も開幕が延期するなど、アメリカでも感染と死者数が広がっており、ついには国家非常事態宣言をするなどCOVID19の影響は予想をはるかに超えた状況となっている。日本はまだまだ楽観視している人が多いが、他人事ではないということをそろそろ自覚する時期かもしれない。
H.Moulinette