早くも2021年度へ向け移籍市場の話題浮上!大物が契約満了続出で、各チーム戦力大シャッフル?!グランツール系選手たちの争奪戦勃発となるか?
今シーズンはレースがなかなか開催できず、今後もこの状況が継続しそうだが、来シーズンへ向けての水面下での移籍バトルは白熱していきそうだ。各チームの大物選手たちが契約を満了を向かえ、移籍確実という選手たちも多い。総合系、クラシック系、スプリンターまで”勝てる選手”、”看板選手”を各チームやはり欲している。
総合系はどのチームでも育成が難しく、ある程度実績のある、実績の見込みのある選手を獲得したいものだ。グランツールだけではなく主要ステージレースでも活躍できる選手は、放映が多いステージレースで目立てるだけあり、スポンサースポーツのロードレースでは重宝される。
まずグランツール系ではクリス・フルーム(チームイネオス)が契約満了となる。移籍する可能性は低く、引退まで移籍せず残るのではとの噂も絶えないが、チームは次世代のグランツールライダーを育成することも計画しており、その辺りで折り合いがつかなければ移籍もないとはいないだろう。世代を代表する選手でもあり、間違いなく移籍を口にすれば奪い合いとなるだろう。
そしてミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ)は他チームが欲しい存在だろう。アシストの有無にかかわらず山岳である程度の結果が出せる選手であり、グランツールでの安定感もある。過去3年間で出場した全てのグランツールでトップ10フィニッシュをしており、表彰台にも2度上がっている。さらには26歳という年齢も魅力だ。まだまだこれからという選手であり、山岳対応能力の高いコロンビア人選手であることもプラス価値だ。
もう2人、ある意味セットではあるのだがサイモンとアダムのイェーツ兄弟(ミッチェルトン・スコット)の動向にも注目が集まっている。サイモンは2018年度のブエルタ・ア・エスパーニャを制したが、そこから調子はあまりよくはない。対してアダムは先日途中打ち切りとなったUAEツアーで総合優勝を遂げている。2人ともグランツールでエース格となれる存在であり、ムラはあるが、ある程度の計算ができる選手だけに欲しいチームは多いだろう。ミッチェルトン・スコットは所属選手の多くが契約満了を迎えるため、大幅な選手の入れ替えも行う可能性もあり、イェーツ兄弟よりも確実性のある選手を求めるかもしれない。
他にもティボー・ピノー(グルーパマFDJ)とロメイン・バルデ(AG2R)の二人も移籍の可能性がある。どちらもフランス期待の星と呼ばれて久しいが、まだまだ結果は満足のいくものではないだろう。しかし戦力としては魅力的であり、年齢的にも環境が変われば大化けする可能性も秘めている。
クラシック系選手では、ボブ・ユンゲルス(ドゥクーニンク・クイックステップ)は放出の可能性が高い。ワンデイクラシックで結果を残し、チームの勝利数に毎年貢献しているが、チームが成長著しいレムコ・エヴァネポエル中心の総合系チームへと舵を切る可能性があり、そうなればチームの中堅クラシックハンターは、ユンゲルス以外もすべて放出される可能性が高い。育成の評価が高く、引き留めをあまり行わないチームだけに、ユンゲルスクラスも移籍となりそうだ。
クラシックやステージレースで安定した成績を残すディラン・テウンス(バーレーン・マクラーレン)も他チームにとっては魅力的な選手だろう。また昨年度パリ~ニースで2位に入り、今シーズンはイスラエル・スタートアップ・ネーションで走るニルス・ポリットも多くのチームが触手を伸ばしている一人だ。26才のドイツ人はそのポテンシャルを高く評価されており、今年は一年契約でチームに所属しているためシーズン前半の活躍如何では大きくステップアップしての移籍もありうるだろう。
またロット・ソウダルのティム・ウェレンス、ボーラ・ハンスグロエのパトリック・コンラッド、マックス・シャッフマンも他チームが欲しがりそうな存在だ。
まだまだシーズンは開幕したばかり、しかし長期的にチームをビルドアップをするためには早め早めにチーム構成をイメージしていく必要がある。もちろん8月の解禁までは交渉は厳禁だが、水面下での調査は続き、各チームライバルチームのその同行を確認しながら自チームの構成を決めていく事となる。これは戦略であり、このビハインド・ザ・シーンの駆け引きもロードレースの魅力の一つでもある。
H.Moulinette