アワーレコード更新!ウィギンスの記録破れたり!カンペナールツがついに55km突入で世界新記録達成!


©Victor Campenaerts
ブラッドリー・ウィギンスが4年まえに叩き出したアワーレコードは、これまで10人もの挑戦者をはじき返し、当面は破られることはないのではないかと言われ続けてきた。しかし満を持してTTスペシャリストのヴィクター・カンペナールツ(ロット・ソウダル)がその記録に挑戦、なんと大幅に記録を塗り替え、ついに55kmの大台に乗せて見せた。

Campenaerts
2015年に54.526kmのタイムをロンドンで叩き出したウィギンス、高地ではなかったために実際高地で挑戦すればさらなる記録更新は可能であったであろうが、それでも母国という枠にこだわった男の記録はそびえたっていた。
多くの挑戦者が挑む中、53kmだの記録が多く、なかなかウィギンスの記録に近づく者はいなかった。TTスペシャリストにとっても、挑戦するのであればかなりの時間を費やさねばならず、通常シーズンのレースも並行するのはかなり困難となる。それでもチームと機材スポンサーの協力のもと、カンペナールツは昨年度より準備を始め、さらには春先のレースではTTで結果を残すなど順調な仕上がりを見せていた。

©Victor Campenaerts
そしてメキシコ標高1800mの高地での挑戦に向けて現地入りし体を慣らすなど入念に準備を重ね、そしてついに55.089kmという記録をたたき出し、世界新記録を樹立した。使用したのはこのために1千万以上かけて特注されたマシンと61T×14Tのギア、序盤から安定してタイムを刻み続け、最後まで大崩れすることなく走り抜いてみせた。

©UCI Track Cycling
カンペーナールツに記録更新は、ロード選手たちにとっては新たな刺激を与えただろう。誰も破れないと思っていたウィギンスの記録を越えたことの意味は大きい。ただ記録として破っただけではなく、暗黙の了解でいろいろな意味で「更新しづらい」、とされてきた記録が塗り替えられたことで、他のTTスペシャリストも間違いなく今後挑んでくることが予想される。各メーカーも規定範囲内で最強のマシンを作りたがっている節もあり、選手のみならずメーカーにとってもアワーレコードは「美味しい記録」なのだ。
さて次はだれが挑むのか、とても楽しみだ。
H.Moulinette