ヨーロッパ・アフリカ自転車競技連盟の年次総会に出席のフランシスコ法王が、ロードレースの素晴らし賛辞しつつも、ドーピングと汚職に懸念
キリスト教の最高責任者であるフランシスコ法王が、同時開催されたヨーロッパ自転車競技連盟(UEC)とアフリカ自転車連盟(CAC)の年次総会に出席した。その場で法王はロードレースの素晴らしさを賛辞しつつも、一向に終わることのないドーピング問題、さらには世界自転車競技連盟とヨーロッパ自転車連盟内の汚職問題に対し、競技の価値を貶めると苦言を呈した。
「忍耐力や品位、他者を思いやる姿勢、チームスピリットといった美徳を重んじる」
「自転車ロードレースと聞けば、チームの全員がレース中に協力し合う姿を誰もが思い浮かべることができる」「選手は人生の良い価値観と、崇高な目標の追求にわが身をささげる姿勢をあらゆる人に、特に若者に示す類いまれな機会を手にしている」
としながらも、名声や利益に目がくらんで違反行為に手を染めてしまうケースが後を絶たないことを憂慮した。「私の頭にあるのは、薬物違反、不誠実、自分自身と他選手への不敬、そして汚職だ」とコメントし、選手のみならず、チーム関係者であったり、競技団体関係者までもが、組織的に関与している疑惑やケースが繰り返されることを嘆いた。
一宗教のトップが競技連盟の総会に参加していることには驚いたが、ただ言われていることは極めて真っ当、宗教観からくる善意に訴えかけたことは果たして当事者たちの胸の内に届くのだろうか。
H.Moulinette