メインスポンサーのプレミアテックとファクターがイメージ低下を理由にイスラエルプレミアテックにチーム名変更を要求、スポンサー撤退の可能性も、エース2名もチーム離脱、UCIもまだ迷走
ブエルタ・ア・エスパーニャでも抗議対象となったイスラエル・プレミアテック、選手達やスペイン政府などからも出場停止に関する必要性の声が出た中、UCIは全く動かずが続いていたが、遂に身内からもチーム名変更という要望をチームは突き付けられることとなった。
まず最初に声を挙げたのはフレームスポンサーのファクターだった。ブランドイメージの低下につながるとして、チームに対して”イスラエル”をチーム名から外すことを要求、それを行わない場合は機材提供を打ち切るとした。
ファクターは「”イスラエル”の名称の使用及び”イスラエル国旗”の使用をやめなければ、機材提供を打ち切る。」としている。ファクターはここ数シーズンもイスラエルのパレスチナへの動きに対するイメージダウンを懸念し続けてきたが、ここへきて我慢の限界を迎えた形だ。
そしてそれに続いたのがメインスポンサーであるプレミアテック、チームに同じく”イスラエル”を外して名前を変えることを要求した。カナダの大手企業は、国連総会で国連所属193か国中157か国の圧倒的賛同により、ガザに対するイスラエルのジェノサイド(大量虐殺)への歯止めとして「パレスチナの国家承認」を行ったが、カナダも賛同したことで、それに足並みをそろえる形でチームへの要求をすることとなった。
プレミアテックは「30年以上自転車レース界に関わり、スポーツの発展、そして地元ケベック州やカナダ人選手達の活躍に寄与してきた。しかし今現在のイスラエルを巡る状況は、その理念からは程遠く、我々の長年の努力に水を差すものである。我々が要求するのは、”イスラエル”をチーム名から外すことだ。」としている。そのうえで来年度の関与の形を検討するとしている。
なぜIOC(国際オリンピック連盟)とUCI(自転車競技連盟)のロシアとベラルーシに対する対応と、イスラエルに対する対応は異なるのだろう。ロシアとベラルーシはオリンピック憲章に反して、北京金オリンピック期間中にウクライナ領土へ侵攻したとことが理由とされている。そしてこれが国連で認められたための処分となった。
イスラエルはパリ五輪期間中にガザへ侵攻をしたが、これをIOCとUCI共に一国内の紛争という形で処理している。だが今現在国連が動きパレスチナの国家承認を大多数の国が認める状況となり、UCIはそれを踏まえてイスラエルプレミアテックとの話し合いを持っている。
問題はスペイン国内レースに関してスペインがイスラエルのチームの出場を拒否しているだけではなく、来年度のツール・ド・フランスがバルセロナスタートが、それに関してもイスラエルのチームの出場を拒否する姿勢をすでに発表している。またフランス政府、そしてイギリス政府など主要ヨーロッパ諸国がパレスチナの国家承認に賛同したことで、それ以外の地域でもレースの開催に関する問題が発生しそうなことも含め、来シーズンへ向けてことは急展開で動いている。国家の威信か、選手たちの安全か、どちらを優先すべきかを考えれば、自ずと答えは見えてくるはずだが、まだまだUCIの腰は重い。また先日イスラエルのネタニヤフ首相がチームを称賛したことが、結果的にこれが火に油を注ぐこととなっており、チームはますます肩身が狭くなっている。
イスラエル・プレミアテックはすでにエースで今シーズンジロ・デ・イタリアで総合4位のデレック・ジーが8月に契約を破棄と、ブエルタ・ア・エスパーニャで総合5位のマシュー・リッチテロもブエルタ終了翌日に移籍するなど、主力選手が相次いで離脱する形となっている。UCIの対応、チームの存続も含め、いばらの道はまだまだ続く。
H.Moulinette












