コラム:ロシアに対応したUCIはイスラエルになぜ対応しないのか、なぜイスラエルプレミアテックへの抗議活動が起きているのか、チーム共同オーナーはパレスチナを野蛮人と表現
今ブエルタで起きているイスラエルプレミアテックに対する猛烈な抗議活動は今に始まったことではない。今シーズンのグランツアー全てで起きているのだが、イスラエルのガザへの侵攻と民間犠牲者の増加と共にその抗議活動はどんどんと激しくなっている。ではなぜそのようなことが起きているのか、その理由は明白だ。それはイスラエルプレミアテックの共同オーナーのスタンスが影響を呼ぼしている。
チームは二人の共同オーナーからなっているが、一人は元軍人であり、熱烈にイスラエルの攻撃を支持してきた。またチームに所属することはイスラエルの顔であり、スポーツ外交官でもあるのだとしている。イスラエルとパレスチナの構造を善vs悪、または文明vs野蛮人と明言していることも抗議活動に拍車をかけている。また反イスラエルの抗議活動を支持する人間や国を”阿呆ども”と発言するなど、政治的問題発言をしている。
ここで注目すべきはUCIの対応だ。UCIはロシアとウクライナの戦争に関して、ロシアに拠点を構えるチーム、またロシア側についている味方しているベラルーシに拠点を構えるチームのUCIレースからの全面排除を行っている。対してイスラエルとパレスチナに関しては特段対応をしていない。これに関しては様々な方面からも疑問の声が上がっている。チームオーナーがイスラエルの攻撃を歓迎、正当化する発言を繰り返しており、選手たちはスポーツ外交官としている時点で、スポーツに政治を持ち込んでおり、結果それが今回の抗議デモを誘発しており、これは容認できない状況だ。抗議活動により選手たちの安全が担保できない事態の一因は、明確にイスラエル・プレミアテック側にあると言える。チームの総合エースであるデレク・ジーはチームとオーナーのスタンスに異を唱える形でチームを離れることが決まっている。
ブエルタの主催者の一部はASOでもあり、主催者判断としては出場権があるのでそれ以上はノータッチというのは仕方がないところだ。であればすべてを統括するUCIはもう一歩踏み込んでイスラエルプレミアテックに対して毅然とした態度をとるべきなのではないだろうか。当然イスラエル・プレミアテック側は、何らかのアクションがあれば「反ユダヤ」と声を荒げることは見えているが、これは反ユダヤでも何でもなく、ただ選手たちの安全を第一に考えたときに、危険を誘発するものに対して自転車競技団体がとるべきスタンスなのだ。それができていない時点で”UCIは何をしているのか”、と言わざるを得ない。
悪しき前例にすべきではないという声もある一方で、こうしたたケースに毅然とした態度でスポーツと選手を守るべき団体がUCIであるべきで、不安定な世界情勢を鑑みて、避けられるリスクは避けるという勇気ある選択もすべきだろう。現状主催者もUCIも大きなアクションを取る予定名はなさそうだが、このままレースは続行した際に選手たちに大きな影響と危害が加わらないことを切に願いたい。
H.Moulinette












