ブエルタ・ア・エスパーニャ第6st:ポガチャルが未舗装路で独走もマスが猛追合流、そのまま二人でスプリント勝負でポガチャルが3勝目!マスは総合2位に、総合は大シャッフル

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「攻撃は最大の防御」と言い切る絶対王者のタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)だが、世界選手権を見越して無理をしない走りに徹した。それでも最終的に勝ててしまうのが絶対的強者だ。チームメイトのアシストからアタックを決めたポガチャルは、20%越えの激坂区間から未舗装路へ突入していく。その中で沿道の観客があまりにも熱狂しコースを狭めてしまい、選手やバイクがそこに詰まってしまい、パスして前に出るのに手こずる時間もあった。それでもそのまま一気に逃げの最後の一人、ラムセス・デブライネ(アルペシン・プレミアテック)に迫る。

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滑りやすい未舗装路の上りで淡々と上り続けるポガチャルはそのままデブライネに追いつき様に突き放し、そのまま独走態勢へと持ち込む。その背後ではプリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)、フェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM)、オスカル・オンリー(ネットカンパニー・イネオス)、エンリック・マス(モビスター)がそれを追走する。だがここから展開が動く。ポガチャルは変わらず独走するが、追走からマスが抜け出すと、じわりじわりとポガチャルとのタイム差を詰め、なんと山頂間際でポガチャルをオーバーテイク、そのまま1級山岳をトップ通過してしまう。これで先頭は二人となり下りへと突入、ポガチャルは下りで攻めの姿勢を見せマスの前に出るが、コーナーでオーバースピードでコースアウト、落車は逃れたがここからゴールまでは慎重に走ることとなった。
後方でもログリッチ、ガルがデブライネに合流、オンリーとリチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト)はこれに遅れて山頂を目指す。オンリーはさらにカラパズからも遅れ、その背後のセップ・クス(ヴィズマ・リースアバイク)、マティアス・スケルモース(リドル・トレック)らに吸収される。逆にカラパズはハロルド・テハダ(XDSアスタナ)と合流し、山頂からゴールまでの下りで猛追を見せる。

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ポガチャルとマスは最後まで逃げ続け最後はゴールスプリントでの直接対決、地力に勝るポガチャルが今大会3勝目を挙げるとともに、すべてのライバル達とのタイム差をさらに広げることに成功した。マスはステージ2位で総合でも2位へとジャンプアップ、唯一ポガチャルとのタイム差を3分台に留めている。カラパズとテハダはゴール手前2㎞を切り遂にログリッチら3名に合流を果たす。そしてこちらもゴールスプリント勝負となったがこの日逃げに乗りそこから粘り続けたデブライネがカラパズに対し僅かに先着、ステージ3位に入るとともに総合でも8位まで順位を上げるとともに、新人賞争いでこの日タイムを失ったオンリーに僅か3秒差まで迫った。カラパズは総合4位へと順位を上げ、テハダも総合トップ10入りとなった。
もうUAEチームエミレーツXRGはポガチャルの総合リーダージャージを誰にも渡す気はないのだろう。通常であればレースコントロールの負担軽減のために一旦は危険ではない選手(逃げなどで飛び出した選手)にジャージを譲ることがあるが、この第6ステージの走りを見てそんな様子はみじんも感じられなかった。それどころか「効率よく勝ちたい」と言っていたポガチャルが積極的に動きを見せているあたり、間違いなくこのジャージを最後まで守り切ることが現状でのチーム内での目的となっている。

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177.5㎞のこのステージもなかなか逃げが容認されずにメイン集団のペースが高い状態が続く。レース中盤になりようやくワウト・ファン・アールト(ヴィズマ・リースアバイク)を含む16名の逃げが形成されるが、それでもメイン集団との距離は常時射程圏内で推移する。追走もばらけはしたが、UAEチームエミレーツXRGが中心となってまとまると、今度は前方の逃げを捉えにかかるべくペースを上げていく。
逃げでは中間スプリントが目的だったファン・アールトはそれを達成して離脱する中、メイン集団ではこの日最大、最難関1900mの未舗装路区間まであるプエルト・エル・バルトロへと突入していく。前方の逃げのメンバーが時に脚をついてしまうような過酷な勾配を総合勢はあっという間に差を詰めてステージ優勝へ向けた力勝負が開始された。まずはジェイ・ヴァイン(UAEチームエミレーツXRG)のペースアップでメイン集団は一気に人数を減らすと次に若手のホープ、パブロ・トーレス(UAEチームエミレーツXRG)が歯を食いしばりさらに集団を粉砕していく。そして満を持して攻撃に出た。いつもの切れ味鋭いアタックではなくゆるりとペースアップをしたのだが、それに当初反応できたオンリーもすぐに脱落、ポガチャルは前方がヒートアップした観衆とペースダウンした逃げ、それに進路を阻まれたモトバイクに塞がれてしまうがそれでも順番にこれらをパスし、遂にグラベルへと突入していった。

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ポガチャルはそのまま先頭に躍り出るが淡々とマイペースで上り続ける。しかしそこまでのハイペースでは上っておらず、後続で集団を形成したログリッチ、ガル、オンリー、カラパズらとの差は広がっていかない。このペースによりその間にいたマスがペダルを踏み続けると山頂を間近にポガチャルの背中が近づいてきた。ポガチャルは無線でマスの位置を確認できていなかったため、山頂手前で追い抜かれた際には面食らった顔をしていたが、すぐさま二人は協調体制を気づきゴールを目指した。ブエルタ・ア・エスパーニャで4度総合2位のマスと最強ポガチャルのコンビネーションは、最後まで他の追随を許さずゴール勝負へと持ち込まれた巣家にポガチャルが勝利、ゴール後熱く握手を交わす二人には笑顔があった。
その背後では猛追をしていた3人にカラパズとテハダが合流したことで追走のリズムが崩壊、駆け引きへと変わってしまう。唯一総合上位勢ではなかったデブライネだったが、オンリーが山頂を前に脱落したことで新人賞ジャージが視野に入りゴールラインまで手を緩めることがなかった。結果僅かに届かなかったが、総合上位勢と対等に渡り合ったポテンシャルの高さは、今後のステージも要注目だ。

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タデイ・ポガチャル(ステージ1位、総合1位)
「追走とのタイム差は40秒と聞いて確認していたけど、マスのことは聞いていなかったので頂上でサクッと抜かれたときは正直驚いたよ。あっさりと山頂で抜かれてそのままダウンヒルに入っていったので、コースを熟知しているのだろうと推測できたよ。残り10㎞向かい風の区間でも彼がいてくれて助かったよ。僕は水を確保できていなかったから、あそこは一人ではしんどかったと思うよ。スプリントではマスに勝てるのは分かっていたけど、それでもマスが手を抜かずに最後まで牽引してくれたことには感謝だよ。いいレースだったよ。」
第6ステージ順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG) 4h12’40”
2位 エンリック・マス(モビスター)
3位 ラムセス・デブライネ(アルペシン・プレミアテック) +46”
4位 リチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト)
5位 ハロルド・テハダ(XDSアスタナ)
6位 フェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM)
7位 プリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)
8位 クリスチャン・ロドリゲス(XDSアスタナ) +1’38”
9位 クレメント・バーセット(グルーパマFDJユナイテッド)
10位 マティアス・スケルモース(リドル・トレック)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG) 15h38’27”
2位 エンリック・マス(モビスター) +3’34”
3位 プリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ) +4’21”
4位 リチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト) +4’50”
5位 フェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM) +4’55”
6位 セップ・クス(ヴィズマ・リースアバイク) +5’36”
7位 オスカル・オンリー(ネットカンパニー・イネオス) +5’47”
8位 ラムセス・デブライネ(アルペシン・プレミアテック) +5’50”
9位 マティアス・スケルモース(リドル・トレック) +5’58”
10位 ハロルド・テハダ(XDSアスタナ) +6’30”
H.Moulinette












