ティレーノ・アドリアティコ2026総括:新エースのアイザック・デル・トロが総合勝利!第2stで総合リーダーになるも第4stで失うが、第5stで奪還、第6st頂上ゴールを制しそのまま総合優勝

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©Tirreno Adriatico

昨年度ジロ・デ・イタリアで予想を上回る走りで総合リーダーに躍りて10ステージにわたり総合リーダージャージを維持し、最終的に総合2位獲得、またステージレースでの総合優勝やワンデイレースを含め16勝と勝利を量産したアイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG)は今シーズンも絶好調だ。昨シーズンはまだサブエース的な立ち位置だったが、今シーズンはエースとしてチームの新たな主柱としてUAEツアーでステージ2勝と総合で3勝を早々と上げていたが、ティレーノ・アドリアティコでも第6ステージの頂上バトルを制すだけにとどまらず、この大会でも圧倒的な存在感を見せ総合優勝を果たして見せた。

第2ステージで総合リーダーに躍り出ると翌日もキープ、しかし第4ステージでジュリオ・ペリッツァーリ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)に一旦首位の座を明け渡すが、翌日の第5ステージで再び総合リーダーの座を奪取すると、その勢いのままに第6ステージの山頂ゴールを制し総合首位をがっちりとキープ、最終日も難なく乗り切り総合優勝を確保した。これで今シーズン早くも5勝、今年もデル・トロの勢いは続きそうだ。

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総合2位にはマッテオ・ヨルゲンセン(ヴィズマ・リースアバイク)が入り、一時は総合首位に立ったペリッツァーリは最後まで競ったが総合3位に終わった。

第1ステージの個人TTを制したのは弾丸TTスペシャリストのフィリッポ・ガンな(イネオス・グレナディアス)、昨年もここで勝利していたが今年も勝利を圧倒的な走りで飾った。これでティレーノ・アドリアティコで総合リーダージャージを獲得するのは16ステージめとなった。

第2ステージはクラシックばりの未舗装路バトルが雨の中繰り広げられた。もちろん主役はクラシックの帝王マシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・プレミアテック)、そしてその対抗馬となったのが、今年の未舗装路クラシックのストラーデ・ビアンケでエースのタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)をアシストしながら3位表彰台を確保したデル・トロだった。ファン・デル・ポエル、デル・トロ、ペリッツァーリの3人の逃げによる勝負となり、独走勝利には持ち込めなかったがパワーで勝るファン・デル・ポエルが冷静にゴールを制して見せた。ステージ2位のデル・トロはこれで総合首位に躍り出る。

第3ステージはスプリント勝負となった。ヨナタン・ミラン(リドル・トレック)とヤスパー・フィリップセン(アルペシン・プレミアテック)の一騎打ちかと思われたが、それを両者を押しのけ勝利を挙げたのは、トビアス・ルンド・アンデルセン(デカスロンCMA・CGM)だった。今年のオーストラリアでの開幕戦、カデル・エヴァンス・グレート・オーシャンロードレースを制した23歳がその勢いを維持し、最強スプリンター二人を退けたのは衝撃的だった。

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第4ステージを制したのはまたしてもファン・デル・ポエルだった。この日も少人数となった逃げを牽引すると、絶妙のタイミングで飛び出しステージを制して見せた。ペリッツァーリがステージ2位に入り、総合リーダージャージをデル・トロから奪い取ることに成功、そのデル・トロはステージ10位となり僅か2秒差でジャージを手放すこととなった。

第5ステージは大逃げが決まった。昨今なかなか逃げ集団が最後まで逃げ切ることは少なくなってきているが、この日勝利を狙ったのは2021年以降勝利のなかったミカエル・ヴァルグレン(EFエデュケーション・イージーポスト)だった。一人、また一人と逃げが脱落していく中で踏ん張りきると、猛追してきたデル・トロとヨルゲンセンに最後まで追いつかれることなく5年ぶりの勝利を挙げた。これで総合でもデル・トロはさらにペリッツァーリを突き放すことに成功した。

迎えたクイーンステージの第6ステージ山頂決戦、まだまだ大逆転での総合を狙える選手が複数いる中で総合トップ3による直接バトルが繰り広げられた。しかしデル・トロは冷静にペリッツァーリとヨルゲンセンに対応し続け、最後は自らが仕掛けて山頂ゴールを制して見せた。この勝利でタイム差はさらに広がり、おまけにボーナスタイムも獲得したことで一気に総合優勝が近づいてきた。このステージ先着した総合3位のヨルゲンセンは一気にペリッツァーリとのタイム差を1秒にまで縮め、総合2位は射程圏内となった。

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最終第7ステージはスプリントバトル、ここまで勝利がなかったミランにとっては負けられないステージとなった。荒れた展開となったが最後は力でねじ伏せ勝利、これで3年連続この大会での最終ステージ勝者となった。総合2位のヨルゲンセンは中間スプリントでボーナスタイムを獲得、逆転で総合2位を確保した。総合リーダーのデル・トロは最後までその順位を守り切り、また一つ勲章を手にした。今シーズン後の引退はないと先日宣言したプリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)は最終的に総合5位、上々の仕上がりを見せている。

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ティレーノ・アドリアティコ2026順位
1位 アイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG)   28h02’14”
2位 マッテオ・ヨルゲンセン(ヴィズマ・リースアバイク)   +40’
3位 ジュリオ・ペリッツァーリ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)   +42”
4位 トビアス・ヨハンセン(Uno-Xモビリティ)   +1’14”
5位 プリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)   +1’21”
6位 ジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック)   +1’26”
7位 サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス)   +1’49”
8位 ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)   +1’55”
9位 マグナス・シェフィールド(イネオス・グレナディアス)   +2’02”
10位 アレッサンドロ・ピナレロ(MSNサイクリング)   +2’06”

H.Moulinette