ジロ・デ・イタリア第21ステージ:ポガチャルが3度目のグランツール制覇!山岳賞もポガチャル、新人賞は新星チベリ、ポイント賞のミランは最終ステージでメリエールに完敗

©Giro d’Italia
タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)は間違いなく歴代最高の選手への道を歩んでいる。初出場のジロ・デイタリアで、20ステージにわたり総合首位の証マリア・ローザを着用し続け、圧倒的な実力での総合優勝を果たした。これでグランツール制覇は、2020年と2021年のツール・ド・フランスに次いで3度目となった。そして今年はその勢いのままに、こちらも伝説の”海賊”マルコ・パンターニ以来となる、ジロ・デイタリアとツール・ドフランスの連続総合優勝を狙うことになりそうだ。
また山岳賞ジャージもしっかりと確保、格の違いを見せつけた山岳ステージの勝利の数で、結果的に狙わずとも手にする形となった。
今大会2位に入ったのはダニエル・マルチネス(ボーラ・ハンスグロエ)だった。主にアシストとしてイネオス・グレナディアスの黄金時代を支えた男は、新天地ボーラ・ハンスグロエでいきなりの大躍進を見せた。もともと持っていたポテンシャルも高かったが、貪欲に攻めに転じるスタイルで掴み取ったこの総合2位は大きな意味がある。規格外のポガチャルがいたからこそ2位に甘んじたが、それ以外の選手の中では攻めての2位だけに、それ以上の価値を持ちそうだ。
総合3位には38歳のベテランのゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアス)が入った。安定感ある走りで、遅れてもマイペースで揺るがないメンタルで走り続けるスタイルは、昨今の攻撃型選手とは一線を画するが、これで2年連続の総合表彰台を確保して見せた。チームを統率する力と安定した強さは、まだまだ衰え知らずであり、一発の速さはないものの、引き続き活躍が期待できそうだ。
新人賞を獲得したのは、最後までサイメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアス)と総合順位を競い合い、結果総合5位に入ったアントニオ・チベリ(バーレーン・ヴィクトリアス)だった。チームは過去にジロで・イタリアの総合2位を筆頭に5度のトップ10入りを果たしているダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス)をエースに据えていたが、序盤まさかの落車によりそのチャンスが潰えたことで、自由に走る機会を得た。2022年にエアライフルで近所に暮らすサンマリノ共和国観光大臣の飼い猫を射殺したことで、動物虐待の罪で告訴され有罪となったことで、当時所属していたトレック・セガフレド(現リドル・トレック)を2023年に解雇された。しかしその後罰金刑の支払いに加え、自らの賞金の一部を動物愛護団体に寄付すること、またシーズン後には動物愛護団体の活動を自ら手伝うなどしており、2023年半ばにバーレーン・ヴィクトリアスと契約を果たした経緯がある。もともと実力は高く評価されていたが、若気の至りでは済まされない行為を行ったことで、今でもヨーロッパでは”猫殺し”と呼ばれるなど、まだまだ信頼回復半ばといったところだ。

Bahrain Victorius
ポイント賞ジャージは、ヨナタン・ミラン(リドル・トレック)が2年連続で獲得した。昨年度はステージ1勝にとどまったが、今大会ではステージ3勝を挙げて、文句なしのポイント賞獲得となった。表彰台でシャンパンを落とすハプニングもまたご愛敬、ミランは世代最強スプリンターの名にふさわしい結果を残した。最終第21ステージではステージ4勝目を狙ったが、そこはティム・メリエール(ソウダル・クイックステップ)の狙いすましたロングスパートにまんまとやられてしまった。メリエールもこれで今大会3勝目、一度の降格処分でのポイントも大きく影響し、ポイント賞争いでは3位に沈んだ。

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各ステージごとのチーム内上位3名のタイムを加算していき、一番その合計が低いチームが勝利するチーム総合は、デカスロンAG2Rラモンディアルが獲得した。総合4位のエース、ベン・オコナー(デカスロンAG2Rラモンディアル)のみならず、最終山岳ステージでポガチャルに次ぐ2位に入り、またステージ勝利も上げたヴァレンティン・パレ・パントレ(デカスロンAG2Rラモンディアル)らの活躍が大きく寄与し、総合3位にGトーマス、総合6位にアレンスマンと結果を残したイネオス・グレナディアスを大きく下回った。

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タデイ・ポガチャル(総合1位)
「このローマでの瞬間は忘れがたいね。このレースではいい思い出でしかないよ。そのうちその中でも最高の瞬間を思い出すんだろうね。でも総じていえば最高の大会だったよ!このマリア・ローザは特別だよ。これを20日間も着用できたなんて、ほんとあり得ないことだよね。沿道のファンの熱狂も最高潮だったね。」
「人は与えてもらったのを、返さないといけないんだよ。沿道の観衆、そしてスロヴェニアのファンも最高だったよ。そしてそれをチーム皆と分かち合えたことは、最高の体験だったよ。特に子供たちとの経験は格別だよ。彼らに伝えられるのは、とにかく今この瞬間を楽しめ!だね。」

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ティム・メリエール(ステージ1位)
「今日はチームに申し訳なかった。うまくチームのトレインに乗り損ねてしまったんだ。だから最後のほうでバタバタしてしまった。(元シクロクロス出身なので)何とか石畳に突入する際に、5~6番手でいけたら何とかなると思ったんだよ。ロングスパート上等、勝利できたからね。スプリンターとしてはこのステージでの勝利は格別だよね。」
ジロ・デ・イタリア第21ステージ順位
1位 ティム・メリエール(ソウダル・クイックステップ) 2h51’50”
2位 ヨナタン・ミラン(リドル・トレック)
3位 カデン・グローヴス(アルペシン・ドゥクーニンク)
4位 フェルナンド・ガヴィリア(モビスター)
5位 ティム・ファン・ダイク(ヴィズマ・リースアバイク)
6位 スタニスロウ・アニオコロウスキーロコ(コフィディス)
7位 アルベルト・ダイニース(チュードル・プロサイクリング)
8位 ジョバンニ・ロナルディ(ポルティ・コメタ)
9位 カレブ・ユワン(ジェイコ・アルーラ)
10位 ドノバン・グロンディン(アルケアB&Bホテルズ)

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ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) 79h14’03”
2位 ダニエル・マルチネス(ボーラ・ハンスグロエ) +9’56”
3位 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアス) +10’24”
4位 ベン・オコナー(デカスロンAG2Rラモンディアル) +12’07”
5位 アントニオ・チベリ(バーレーン・ヴィクトリアス) +12’49”
6位 サイメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアス) +14’31”
7位 アイナー・ルビオ(モビスター) +15’52”
8位 ヤン・ヒルト(ソウダル・クイックステップ) +18’05”
9位 ロメイン・バルデ(DSMフィルメニッヒ・ポストNL) +20’32”
10位 マイケル・ストーラー(チュードルプロサイクリング) +21’11”
山岳賞
タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)
ポイント賞
ヨナタン・ミラン(リドル・トレック)
新人賞
アントニオ・チベリ(バーレーン・ヴィクトリアス)
チーム総合
デカスロンAG2Rラモンディアル
総合敢闘賞
ジュリアン・アラフィリップ(ソウダル・クイックステップ)
H.Moulinette
