リエージュ・バストーニュ・リエージュ2024:歴代最強男のポガチャルが難なく34㎞を独走勝利、バルデも独走追走で2位、スプリントを制したファン・デル・ポエルが表彰台獲得
2024年のクラシックのモニュメント第4戦、ここまでの3戦はマシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・ドゥクーニンク)がここまで2勝、ヤスパー・フィリップセン(アルペシン・ドゥクーニンク)が1勝と圧倒的な存在感を示してきたアルペシン・ドゥクーニンクに対して、立ちはだかったのは、25歳にして歴代最強男のタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)だった。残り34㎞で仕掛けたポガチャルは最後まで独走を続け、余裕のガッツポーズで2021年に引き続き2度目のリエージュ・バストーニュ・リエージュ制覇、通算6度目のモニュメント制覇を成し遂げた。これで今シーズンはヴォルタ・ア・カタルーニャでのステージ4勝と総合優勝、ストラーデ・ビアンケ、に引き続き、今シーズン7勝目となった。「今日は彼女の母親の為に走ったんだ。」ポガチャルは一昨年この時期に亡くなった彼女の母親に勝利を捧げた。
レースが動いたのは残り100㎞を残しての上りだった。カテゴリーのついていない急坂で落車が発生、UAEチームエミレーツはこのタイミングでうまいこと難を逃れ、さらにはポガチャルをマークしていたファン・デル・ポエルはこのタイミングで不運なことにアシストと分断されてしまう。これが結果的に勝負の明暗を分けることとなる。残り85㎞の時点でファン・デル・ポエルは1分半のタイム差を挽回すべく必死の追走を試みる。それに呼応してトム・ピドコック(イネオス・グレナディアス)やアレクサンダー・ヴラソフ(ボーラ・ハンスグロエ)が追走に加わりペースが上がっていく。
するとピドコックはマウリ・ファンセヴェナント(ソウダル・クイックステップ)と共に先行するUAE勢らに合流を果たす。これにはさすがのアルペシン・ドゥクーニンクも追走をせねばならず、ピドコックらの合流後に何とか追いつき先頭集団は一つとなる。
そしてここからレースはUAEチームエミレーツとアルペシン・ドゥクーニンクが睨みを利かせ続ける。だが残り35㎞でコート・デ・ラ・レドゥーの上りでポガチャルが2023年の勝者レムコ・エヴァネポエル(ソウダル・クイックステップ)と同じく躊躇なくアタックを仕掛ける。すぐにベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)が追走を仕掛けるが、結局ポガチャルがそのまま独走態勢となる。そして追走にヒーリー、ロメイン・バルデ(チームDSMフィルメニッヒ・ポストNL)、ベノワ・コスネフロイ(デカスロンAG2R)、ロメイン・グレゴリエ(グルーパマFDJ)の4人となり、その背後にファン・デル・ポエルらの集団となる。
ポガチャルのペースは一向に衰えず、そのまま余裕をもってガッツポーズでゴールを決めた。その背後では4人の集団から飛び出したバルデが単独でゴールラインを通過、残りの3名はさらに後方から迫るメイン集団に吸収されてスプリントとなる。横一線のスプリントとなったが、最後はファン・デル・ポエルが何とか3位表彰台を確保して見せた。
リエージュ・バストーニュ・リエージュ2024
優勝 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) 6h13’48”
2位 ロメイン・バルデ(チームDSMフィルメニッヒ・ポストNL) +1’39”
3位 マシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・ドゥクーニンク) +2’02”
4位 マクシム・ファン・ギルス(ロット・デスティニー)
5位 オーレリアン・パン・アントレ(デカスロンAG2R)
6位 マウリ・ファンセヴェナント(ソウダル・クイックステップ)
7位 ヴァレンティン・マデュアス(グルーパマFDJ)
8位 アレクセイ・ルチェンコ(アスタナ・カザフスタン)
9位 ペッロ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス)
10位 トム・ピドコック(イネオス・グレナディアス)
H.Moulinette