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©La Vuelta

スプリントトレインのお手本のようなアルペシン・ドゥクーニンクのトレイン、カデン・グローヴス（アルペシン・ドゥクーニンク）の勝利は手堅いかに思われた。しかしそれを上回る想定外が待っていた。わずか二人のUAEチームエミレーツのルイ・オリベイラとセバスチャン・モラーノのは豪快にコース右側を駆け上がり、残り300mで強引にアルペシン・ドゥクーニンクトレインにかぶせかけた。それによりグローヴスは前が詰まる形となり、脚を止めざるを得ない状況となりスプリントのタイミングが遅れてしまった。

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モラーノは残り200mで豪快にスプリントを開始し、猛追してくるグローヴスを抑えきり見事ステージ勝利、対してグローヴスは悔しがってハンドルを叩きつけた。モラーノは昨年度の最終ステージに続いての勝利となった。

総合系はプリモズ・ログリッチ（ユンボ・ヴィズマ）が中間スプリントでボーナスタイムを獲得したが、それ以外は嵐の前の静けさ、明日からの山岳ステージに向けて調整するステージとなった。

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150.6㎞の第12ステージ、ブエルタとしては珍しい完全平坦ステージはスプリンターたちにとってはきつい山岳ステージ前の最後の勝利のチャンスとなる。山岳で脱落すれば勝利のチャンスが無くなるだけに、スプリンター主体のチームにとっては是が非でも勝利が欲しいところだ。

イェツ・ボル（ブルゴスBH）とアデル・バルデストーン（カハルーラル・セグロスRGA）の二人だけが飛び出して逃げを構成、この日のペースメーカーとなる。この日のステージ勝利を狙うアルペシン・ドゥクーニンクが集団をコントロールするが、スタートから40㎞でこの日も落車が発生し、それにより複数選手たちが遅れたが、何とか集団復帰を果たす。

しかし先頭の逃げは立った二人、メイン集団は徐々にペースを上げ残り38㎞で吸収されると、この段階からスプリントへ向けた駆け引きが始まる。残り19㎞の中間スプリントではログリッチがスプリントで4秒を縮めた。

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そして迎えたスプリント勝負、アルペシン・ドゥクーニンクが完璧な隊列を組んでゴールへと向かっていく。他のチームに加え明らかに人数を揃えており、圧倒的有利な状況となる。ほとんどのチームがアシストを失い、エースが単独になる。UAEチームエミレーツも2人となるが、アルペシン・ドゥクーニンクの背後に陣取り機を伺う。そしてそのまま先に仕掛けたのが大きかった。グローヴスは前にアシスト1人を残した状況だが、ここでオリベイラとモラーノの隊列が前に入ったことで脚が止まってしまうが、これが致命的となった。モラーノは豪快にスプリントを決めゴール、アシストのオリベイラもステージ4位でエースの勝利を祝うガッツポーズを決めた。

ブエルタ・ア・エスパーニャ第12ステージダイジェスト
https://youtu.be/YjtX4TsKuQA?si=nXRR9AOxy3aeksLi

ブエルタ・ア・エスパーニャ第12ステージ順位
1位　セバスチャン・モラーノ（UAEチームエミレーツ）　　　3h23’35”
2位　カデン・グローヴス（アルペシン・ドゥクーニンク）
3位　ボーイ・ファン・ポッペル（インターマルシェ・サーカスワンティ）
4位　ルイ・オリベイラ（UAEチームエミレーツ）
5位　エドワード・テウンス（リドル・トレック）
6位　マレィン・ファン・デン・ベルグ（EFエデュケーション・イージーポスト）
7位　アルベルト・ダイニース（チームDSMフィルメニッヒ）
8位　オールイス・アウラール（カハルーラル・セグロスRGA）
10位　ミラン・メンテン（ロット・デスティニー）

ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位　セップ・クス（ユンボ・ヴィズマ）　　　42h51’20”
2位　マルク・ソレル（UAEチームエミレーツ）　　　+26”
3位　レムコ・エヴァネポエル（ソウダル・クイックステップ）　　　+1’09”
4位　プリモズ・ログリッチ（ユンボ・ヴィズマ）　　　+1’32”
5位　レニー・マルティネス（グルーパマFDJ）　　　+2’02”
6位　ジョアオ・アルメイダ（UAEチームエミレーツ）　　+2’16”
7位　ヨナス・ヴィンゲガード（ユンボ・ヴィズマ）　　　+2’22”
8位　ホァン・アユソ（UAEチームエミレーツ）　　　＋2’25”
9位　エンリック・マス（モビスター）　　　　+2’50”
10位　アレクサンダー・ヴラソフ（ボーラ・ハンスグロエ）　　　+3’14”

H.Moulinette