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©RCS

ついに開幕したジロ・デ・イタリア、オープニングの個人TT勝者は最初のマリア・ローザを着用できるとあり、各チームのTTスペシャリストが狙ってくる。しかしこの日のTTは後半に上りがあり、山岳も得意とするTTスペシャリストに優位となった。そんなステージを圧倒的なタイムで制したのは優勝候補筆頭のレムコ・エヴァネポエル（ソウダル・クイックステップ）、鮮やかにトップタイムで駆け抜け、初日のステージ優勝と総合リーダーの証、マリア・ローザを手に入れた。過去には初日トップから最終日まで総合リーダージャージを守り抜いた1990年のジャンニ・ブーニョのような例もあるだけに、エヴァネポエルが果たしてどこまでこのジャージにこだわり続けるかに注目が集まる。

©Soudal Quickstep

このレースの為にシーズン序盤の出場レースを絞ってきた男には確固たる自信があった。19.6㎞の個人TTの中間計測で最速をたたき出すと、その勢いは全く緩むことなく後半の緩やかな上りを時速55㎞で突破、そのままの勢いでゴールした。エヴァネポエルのタイムは、アワーレコードホールダーのフィリッポ・ガンナ（イネオス・グレナディアス）のタイムを22秒も上回る圧倒的なトップタイムだった。そんな2位のガンナのタイムに迫ったのは総合優勝を狙うジョアオ・アルメイダ（UAEチームエミレーツ）、予想を上回る走りで初日3位に入って見せた。

UAEエミレーツ勢では山岳でも強く総合力のあるブランドン・マクナルティとジェイ・ヴァインが、それぞれステージ7位と8位に入り、チームとして上場の滑る出しとなった。これでチームは初日トップ10に3人、しかもその3人が揃って総合力のある選手だけに、チームとしては先手を打ったと言えるだろう。

©Soudal Quickstep

エヴァネポエルの最大ライバルと目されているプリモズ・ログリッチ（ユンボ・ヴィズマ）だったが、走りがピリッとしなかった。得意であるはずの個人TT,しかも後半に上りセクションがあるとなれば、得意のタイプのコースのはずが、エヴァネポエルに43秒と大きくタイムを失ってのステージ6位、UAE勢の二人よりは先着したが、優勝候補筆頭としては少々気になるオープニングステージとなった。しかし、「できることはやった。まだレースはあと20日あるんだよ。」と語り、本人自身はそこまでこの日の結果を気にしていないようだ。

©RCS

対してステージ優勝を挙げた最大ライバルのエヴァネポエルは、「考えうる最高の結果だったね。僕らの中で予想していたステージ優勝タイムを上回ることができたのは収穫だったね。あとタイム差は気にしていないよ。勝てるステージは勝って、最終日に表彰台の中央に立っていることが目標だからね。」と語り、すでにギアは入っているようだ。

ジロ・デ・イタリア第1ステージダイジェスト

ジロ・デ・イタリア第1ステージ順位
1位　レムコ・エヴァネポエル（ソウダル・クイックステップ）　　　21’18”
2位　フィリッポ・ガンナ（イネオス・グレナディアス）　　　∔22”
3位　ジョアオ・アルメイダ（UAEチームエミレーツ）　　　∔29”
4位　タオ・ゲイガンハート（イネオス・グレナディアス）　　　∔40”
5位　ステファン・キュング（グルーパマFDJ）　　　∔43”
6位　プリモズ・ログリッチ（ユンボ・ヴィズマ）
7位　ジェイ・ヴァイン（UAEチームエミレーツ）　　　∔46”
8位　ブランドン・マクナルティ（UAEチームエミレーツ）　　　∔48”
9位　ゲラント・トーマス（イネオス・グレナディアス）　　　∔55”
10位　アレクサンダー・ヴラソフ（アスタナ・カザフスタン）

ジロ・デ・イタリア総合順位
1位　レムコ・エヴァネポエル（ソウダル・クイックステップ）　　　21’18”
2位　フィリッポ・ガンナ（イネオス・グレナディアス）　　　∔22”
3位　ジョアオ・アルメイダ（UAEチームエミレーツ）　　　∔29”
4位　タオ・ゲイガンハート（イネオス・グレナディアス）　　　∔40”
5位　ステファン・キュング（グルーパマFDJ）　　　∔43”
6位　プリモズ・ログリッチ（ユンボ・ヴィズマ）
7位　ジェイ・ヴァイン（UAEチームエミレーツ）　　　∔46”
8位　ブランドン・マクナルティ（UAEチームエミレーツ）　　　∔48”
9位　ゲラント・トーマス（イネオス・グレナディアス）　　　∔55”
10位　アレクサンダー・ヴラソフ（アスタナ・カザフスタン）

H.Moulinette