ブエルタ・ア・エスパーニャ2022St.11:総合勢は休戦日にイェーツとシヴァコフがコロナでリタイア、スプリント勝負を制したのはグローヴス!エヴァネポエルに痛手、アラフィリップがリタイア(ダイジェスト動画あり)


©La Vuelta
総合勢にとっては、無事に走り切ればよい休戦のステージ、しかしそんなステージにはいつも落とし穴が待っているもの、そして今回大きな痛手を被ったのは総合リーダーのレムコ・エヴァネポエル擁するクイックステップ・アルファヴァイニルだった。現世界チャンピオンでエースアシストとして勝負所でのペースアップをするなど粉塵の活躍をしているジュリアン・アラフィリップが街中のなんでもないコーナーで落車、激しく肩から落ちた事で苦悶の表情を浮かべ全く動けない。そのまま担架に乗せられてリタイアとなった。総合優勝を狙うエヴァネポエルにとっては大きな痛手、これから始まる山岳で苦戦が予想される形となった。

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しかしその一方でその総合優勝争いを競い合うはずだった総合5位のサイモン・イェーツ(バイクエクスチェンジ・ジェイコ)とパヴェル・シヴァコフ(イネオス・グレナディアス)が揃ってコロナ陽性となりリタイアとなった。各チームが極めて慎重に感染対策をしている中で、総合リーダーのエヴァネポエルが主催者に対して苦言を呈した。「観衆が戻ってきたのはうれしいが、現状では沿道の観衆が野放し状態で、そこから感染しているとしか思えない。沿道の観衆と選手たちの距離がしっかりと離れるようにするべきだ。」とコメントしている。「無症状なら走っても構わないという人もいるが、選手たちの中にも疾患を持っている人間だっている。うちのチームで感染したセリーだって心臓に疾患があるから、慎重に対処しなければならない。僕らは薬などが簡単に摂取できないし、気を付けることしかできないんだ。」と楽観論にも釘を刺した。
そんなレースは3人の逃げから始まったが、この日はメイン集団がスプリント争いを狙い積極的に集団をコントロール、逃げ切りを容認するつもりはない。そして逃げを吸収し一つとなった大集団は、3㎞以内の救済措置圏内まで総合系のチームが牽引すると、そこからはスプリンタートレインが入れ替わって先頭に隊列を組む。
海岸線の横風吹きすさむ直線のゴールスプリント勝負へと持ち込まれた勝負は、残り3㎞からきっちりと隊列を組んだバイクエクスチェンジ・ジェイコのエーススプリンター、カデン・グローヴスが豪快にライバルたちをねじ伏せ、うれしいグランツール初勝利を挙げた。2位争いは写真判定の結果サム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ)をコロナ感染で欠いたボーラ・ハンスグロエのリードアウトマン、ダニー・ファン・ポッペル(ボーラ・ハンスグロエ)が入った。3位にはティム・メリエール(アルペシン・ドゥクーニンク)が入り、ポイント賞争いにまだ食らいついている。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージダイジェスト
ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージ順位
1位 カデン・グローヴス(バイクエクスチェンジ・ジェイコ) 5h03’14”
2位 ダニー・ファン・ポッペル(ボーラ・ハンスグロエ)
3位 ティム・メリエール(アルペシン・ドゥクーニンク)
4位 セバスチャン・モラーノ(UAEチームエミレーツ)
5位 マッズ・ペデルセン(トレック・セガフレド)
6位 ダニエル・マックレイ(アルケア・サムシック)
7位 ジョン・デゲンコルブ(チームDSM)
8位 フレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス)
9位 セドリック・ビューレンス(ロット・ソウダル)
10位 ボーイ・ファン・ポッペル(インターマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー) +
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 レムコ・エヴァネポエル(クイックステップ・アルファヴァイニル) 39h39’04”
2位 エンリック・マス(モビスター) +2’41”
3位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ) +3’03”
4位 カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアス) +3’55”
5位 ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツ) +4’53”
6位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ) +6’45”
7位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ・カザフスタン) +6’50”
8位 タオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアス) +7’37”
9位 ベン・オ・コナー(AG2Rシトロエン) +7’46”
10位 サイメン・アレンスマン(チームDSM) +8’44”
H.Moulinette