ジロ・デ・イタリア2022ステージ7:ユンボ・ヴィズマは方向転換でステージ狙いへ!デュムランがアシストでボウマンが山岳で逃げ切り勝利!総合は動かず(ダイジェスト動画あり)
スプリントステージの後の山岳ステージ、そして迄大会中盤ということもあり逃げ切りが容認される理由は十分に整っていた。そして総合系エースが共倒れしたユンボ・ヴィズマにとってはこれはまたとない大チャンスだった。4500mの獲得標高なハードなステージは、”元エース”のトム・デュムラン(ユンボ・ヴィズマ)がコーエン・ボウマン(ユンボ・ヴィズマ)をがっちりとアシスト、逃げの4人に2名のコンビを送り込んだユンボ・ヴィズマの作戦勝ちとなった。ボウマンはこれで山岳小ジャージを奪取、チームにとっては新たな目標がこれで見えてきた。
この日のステージはスタートからなかなか逃げが決まらない状況となった。スタートから、70㎞を要してようやく逃げが決まった。そしてようやく抜け出したのは、デュムラン、ボウマン、バウク・モレンマ(トレック・セガフレド)、ダビデ・フォルモロ(UAEチームエミレーツ)、ワウト・ポエルス(バーレーン・ヴィクトリアス)、ディエゴ・カマルゴ(EFエデュケーション・イージーポスト)、ダビデ・ヴィレイラ(コフィディス)ら12名、そしてここからレースはさらにハードな展開となっていく。
残り60㎞を切りボウマンがバーチャルリーダーとなるが、メイン集団はイネオス・グレナディアスがコントロール、デュムランは脱落したとはいえエース格だけに、タイム差をあまり広げないで追走のメイン集団は推移する。そしてここから徐々ににその差が詰まっていく。そんな追走の思惑とは関係なく、逃げ集団ののユンボ・ヴィズマはステージ勝利を明確な目標に動く。徐々にメンバーを減らした逃げはデュムラン、ボウマン、モレンマら6名にまで絞られ、残り30㎞を切り、最後の山岳でデュムランがアタックを仕掛けるとごれを号砲にアタックの連続となる。ボウマンはその動きに惑わされることなく一旦それを見送るが、それぞれの攻防戦が終わると、集団はデュムラン、ボウマン、モレンマ、フォルモロの4人に絞られた。
最後のゴールまでの登りに入ってもレースは落ち着くことなく、4人は激しいアタックの応酬を続ける。しかしユンボ・ヴィズマの二人は冷静に立ち回り、そのままゴール勝負へと持ち込んでいく。ボウマンは冷静に状況を判断、デュムランのアシストを受け脚をためると、最大勾配13%の劇坂に突入し、そのまま残り300mで果敢なアタックを仕掛けるとステージ優勝を奪い去った。ボウマンにとってはうれしい初のグランツール勝利、数の論理を生かし切ったユンボ・ヴィズマが新たな目的通りステージ優勝を達成、さらには山岳賞ジャージも奪取したことで新たなモチベーションを得た。
追走集団は大きくタイム差を広げさせることなく推移し続け、大きな波乱もなく展開、主要選手たちはタイムを失うことなくゴール、トレック・セガフレドのホァン・ロペスも踏ん張りきりマリア・ローザを死守した。
「ほんと信じられないよ!きつかったけど、残り4名になった時点でデュムランと二人残ったことが勝因だよ。残り2㎞からはデュムランがほとんどの仕事をしてくれて、それで僕は脚を休められたんだ。最後は自信をもって上りゴールスプリントに挑んだよ。残り50m、振り返ったら差がついていたので勝利を確信できたね。理想的だったよ。」ボウマンは冷静に対処したことを説明した。
ジロ・デ・イタリア第7ステージダイジェスト
ジロ・デ・イタリア第7ステージ順位
1位 コーエン・ボウマン(ユンボ・ヴィズマ) 5h12’30”
2位 バウク・モレンマ(トレック・セガフレド) +02”
3位 ダビデ・フォルモロ(UAEチームエミレーツ)
4位 トム・デュムラン(ユンボ・ヴィズマ) +19”
5位 ダビデ・ヴィレイラ(コフィディス) +2’15”
6位 レナード・カムナ(ボーラ・ハンスグロエ) +2’59”
7位 ヴィンチェンツォ・アルバニース(エオロ・コメタ)
8位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)
9位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)
10位 リチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 ペドロ・ホァン・ロペス(トレック・セガフレド) 28h39’05”
2位 レナード・カムナ(ボーラ・ハンスグロエ) +38”
3位 レイン・タラマエ(インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー) +58”
4位 サイモン・イェーツ(バイクエクスチェンジ・ジェイコ) +1’42”
5位 マウリ・ファンセヴェナント(クイックステップ・アルファヴァイニル) +1’47”
6位 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグロエ) +1’55”
7位 ペッロ・ビルバオ (バーレーン・ヴィクトリアス) +2’00”
8位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ) +2’04”
9位 リッチー・ポート(イネオス・グレナディアス) +2’06”
10位 ロメイン・バルデ(チームDSM) +2’06”
H.Moulinette